記念すべきヨーグルト作りの第一弾は、思いのほか上手くできた。
しかし、第一弾はミカン農家のおばちゃんが下準備してくれたものを私はただ放って置いただけだった。これからが実質的な自家製ヨーグルト作りの始まりと言えるのもしれない。
ヨーグルトの作り方
冷蔵庫から取り出してきた増産用の牛乳パックの封を開け、いざ新しいヨーグルト作りに取り掛かろう思った瞬間、ふと自家製ヨーグルトの作り方を確認しておこうと思った。
インターネットで自家製ヨーグルトの作り方を調べてみる。すると、どうやら私はいくつかの過ちを犯していたようであった。家庭でのヨーグルト作りについて、複数のWEBサイトを見てみると、概ね次のような手順と注意事項があるとのことであった。
■自家製ヨーグルトの作成手順
1.次回のヨーグルトの種菌として、作ったヨーグルトの一定量を確保しておく。これは雑菌が入るリスクを下げるため、食べる前の最初に確保しておく。使用するスプーンや種菌を保存しておく容器は、必ず熱湯で殺菌しておくこと。
2.熱湯で殺菌したスプーンなどを使って、確保しておいた種菌を牛乳の中にいれてかき混ぜる。投入量の目安は牛乳9に対して種菌となるヨーグルトは1の割合。
3.種菌を混ぜた牛乳を常温で保管する。夏場なら半日、冬場なら1日程度でヨーグルトができる。保管する際の温度は、市販のプレーンヨーグルトを種菌として作る場合は気温40度前後、ネットなどで市販されているカスピ海ヨーグルトの種菌を使ったものでは25度前後くらいが適温。ヨーグルトができた後は冷蔵庫に入れて保管する。
ヨーグルトは「牛乳」で作る
以上、自家製ヨーグルトの一般的な作り方であるが、私は種菌を取る前に食べてしまったこと。さらにスプーンを熱湯で殺菌しなかった点に問題があった。
そして、もう一つ。これはすでに犯してしまったミスではなかったものの、増産体制に入ろうとしていた私の出鼻をくじくものであった。それは、
「ヨーグルトは『牛乳』を元にして作る」
ということである。実は私はこの時まで牛乳に「種類」があることを知らなかった。
どうやら「牛乳」と表示していいのは、成分を調整していないものだけであって、これまで私が牛乳だと思っていたもののなかには、乳成分の一部を調整した「成分調整牛乳」やバターなど他の乳製品を加えた「加工乳」なども含まれていた。
ヨーグルトは成分無調整の「牛乳」で作らなければならない(※)ようである。
嫌な予感を抱きながら、買ってきたものを見てみると「加工乳」と書いてあった。どうやら用意した牛乳もどきではヨーグルトを作るのには適していないようである。
すぐに本物の「牛乳」を買ってこようと思ったものの、開けてしまった牛乳パックは横倒しにすることができない。冷蔵庫に立てて入れるスペースがなかったために、開封した加工乳がなくなるまでヨーグルトの増産は見送ることにした。
(※)その後さらに調べてみると、加工乳などでも作ることができるという情報もあり。
いよいよ増産へ
普段は牛乳を飲まない日の方が多いものの、それ以来早くヨーグルトを作ってみたいがために毎日一杯の牛乳(※正確にいうと加工乳)を飲むようになった。
そして飲み続けること4日目。空になったので、「牛乳」を買いに近所のスーパーへ行く。表示をしっかり確認して、成分無調整の「牛乳」を買ってきた。
まず手順通りにスプーンと容器を熱湯で殺菌した。そして、少し食べてしまったヨーグルトを取り出して、一部を予備の種菌として殺菌した容器に取り分けた。
次に買ってきた牛乳のパックをあけて、種菌としてヨーグルトを投入すると、暖かい室内に置いた。
記念すべき自家製ヨーグルトの誕生
翌日、再び恐る恐る牛乳パックの中をのぞいてみた。よくわからないので、パックを傾けてみる。
粘り気があった。どうやらうまくいったようである。雑菌が気がかりだったので、ヨーグルトの臭いを嗅いでみると特に異臭もない。
自家製ヨーグルトの第二弾も無事成功。前回はミカン農家のおばちゃんが作ったものを放置しておいただけから、実質これが私にとっての初自家製ヨーグルトになるのかもしれない。
食べてみると少し酸味があるような気がしないでもないものの、自分で作ったものは味が2倍増しである。美味しかった。
世間ではどうやら数年前にカスピ海ヨーグルト作りがすでに流行っていたようであるが、時代の波に乗り遅れた私は、今ごろになってヨーグルト作りに熱がでている。
ミカン農家のおばちゃんから受け継いだとっておきの自家製ヨーグルト。今後も作り続けていきたいと思う。
参考WEBサイト
Text & Photo:sKenji