盛夏、一面に広がる緑の水田。日本の地域へ行くとどこでも目にすることができる風景。青々とした田んぼの上を風が吹き抜けて色が変わるのを見ているとなぜか安らぎを感じます。
実家の家の近くには水田が広がっていて、夏の夜になると何百、何千というカエルの大合唱が聞こえてきました。田んぼから聞こえてくるカエルの鳴き声は夏の風物詩のひとつでした。
2000年以上も昔から、日本人の生活とは切っても切れない水田。お米を作る以外にも大切な役割を果たしているようです。
米の生産以外に水田が持つ役割
水田には「ろ過器」の役割があると言われています。田んぼの土は2層構造になっていて、鋤床層(すきどこそう)と呼ばれる土を突き固めた層があり、その上に稲を植えるために掘り起こされた作土層(さくどそう)があります。この2つの土の層により、飲み水に適さない成分などがろ過されて、綺麗な水が作られるそうです。
さらに水田は「ダム」の機能も果たしていると言います。田んぼに貯められている水の量は日本全国で合計44億トン(※)あるとも言われています。これは日本全土に1cmの深さの水を張ったのと同じ量だそうで、日本にある治水ダムの貯水量よりも多いとのことです。大雨が降った際、水田があることにより雨水が時間をかけて河川に流れ込み、洪水防止に役立っているといいます。
(※)田んぼにある水の量の推定値はそのほかにも60億トンや80億トン以上という説もあります。
その他にも、水田はカエル、メダカ、ドジョウ、ザリガニ、トンボ、ゲンゴロウなど、様々な生物のすみかとして貴重な場所となっています。
減少が続く日本の水田
お米の生産以外にも私たちの生活に役立っている水田。その耕作が放棄されて年々少なくなってきています。水田は一度放棄されると数年で周りの草地と見分けがつかないほど荒れてしまうそうです。
人口の減少や食生活の変化などにより米の需要が減っているとはいえ、日本の原風景のひとつともいえる水田が、これ以上が減ってしまうことに寂しさを感じます。
参考WEBサイト
紹介:sKenji