4号機の状況が不明。使用済み燃料の移送実績は先週から変化なし。しかし「使用済燃料プールから共用プールへ燃料移動中」との記載。さらに電源設備点検でプール冷却も停止
9月29日(月曜日)に公開された「福島第一原子力発電所の状況について(日報)」。前日からの変化や変更点を中心に読み解きます。
4号機の燃料取り出し状況について更新されるも、作業実績は先週と変わらず
1号機~3号機
新規事項なし
◆1号機
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
※滞留水移送は停止中
◆2号機
1号機と同じ4項目に加え、
・2号機タービン建屋地下→集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ高濃度滞留水を移送中(平成26年9月27日午後2時41分~)
※滞留水移送は稼働中
◆3号機
1号機と同じ4項目に加え、
・3号機タービン建屋地下→集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ高濃度滞留水を移送中(平成26年9月24日午後1時33分~)
※滞留水移送は稼働中
4号機 ~電源装置点検のため、使用済み燃料プールの冷却を停止。停止予定は約39時間
・原子炉内に燃料なし(使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プールから共用プールへ燃料移動中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
※9月29日午前5時17分、使用済燃料プール代替冷却系について、当該系の循環冷却設備電源切替盤の点検を行うため、冷却を停止(停止時プール水温度:21.6℃)。
停止期間は約39時間を予定しており、冷却停止時のプール水温度上昇率評価値は0.263℃/hであることから、停止中のプール水温上昇は最大で約34℃と評価しており、運転上の制限値65℃に対して余裕があるため、使用済燃料プール水温管理上問題はない。
冷却停止中にも燃料の取り出しは行われるのだろうか?
29日に更新された「4号機の燃料取出し状況」では、1週間前と同じく「移送済み燃料1254体」「キャスクの輸送回数(通算)57回」で、移送は行われていないと読み取れるのだが。
5号機~6号機
新規事項なし
◆5号機
・冷温停止中
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
◆6号機
・冷温停止中(燃料は全て使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
共用プール・水処理設備および貯蔵設備
◆共用プール
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
・共用プール低電導度廃液受タンク水について、同タンクから集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ適宜移送を実施。
◆水処理設備および貯蔵設備の状況
・セシウム吸着装置停止中
・第二セシウム吸着装置(サリー)運転中
・淡水化装置 水バランスをみて断続運転中
・多核種除去設備(ALPS)ホット試験中
・増設多核種除去設備ホット試験中
地下水バイパス ~通算24回目の海洋への放出終了
※地下水バイパス揚水井No.1~12のサンプリングを継続実施中。
同日午後3時37分に排水を停止。排水停止状態に異常がないことを確認。なお、排水量は1,422m3。
注:同日は9月28日
H4,H6エリアタンク周辺観測孔(周辺排水路含む)の状況、タンクパトロール結果
◆最新のパトロール
9月28日のパトロールにおいて、新たな高線量当量率箇所(β線による70μm線量当量率)は確認されていない。堰床部に雨水が溜まった箇所については、雨水による遮へい効果により引き続き線量当量率は低い状態となっている。また、目視点検によりタンク全数に漏えい等がないこと(漏えい確認ができない堰内溜まり水内を除く)、汚染水タンク水位計による常時監視(警報監視)においても異常がないことを確認。
◆H4エリア
<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。
◆H6エリア
<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。
1~4号機タービン建屋東側
<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。
1~4号機サブドレン観測井
新規事項なし
地下貯水槽
<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。
以上、「福島第一原子力発電所の状況について(日報)」平成26年9月29日分の変更箇所を中心にピックアップしました。
構成●井上良太