2014年6月25日 今日の東電プレスリリース

地下水バイパスタンク、グループ1の分析結果公表。7回目の海洋排出間近か。トリチウム濃度は運用基準の約9分の1

6月25日(水曜日)に公開された「福島第一原子力発電所の状況について(日報)」。前日からの変化や変更点を中心に読み解きます。

地下水バイパス一次貯留タンク水の詳細分析結果

※1~4号機原子炉建屋等への地下水流入抑制対策として設置した地下水バイパス設備について、地下水バイパス一時貯留タンクグループ1の当社および第三者機関による分析結果[採取日6月15日]については同等の値であり、ともに運用目標値を満足していることを確認。

引用元:福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成26年6月25日

1号機,2号機

新規事項なし

◆1号機
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中

◆2号機
1号機と同じ4項目

3号機 〜使用済燃料プールの冷却を約10時間36分後に再開。冷却停止中の温度上昇は1℃未満〜

・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・3号機タービン建屋地下→集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ高濃度滞留水を移送中。(平成26年6月16日午後2時42分~)

加えて、使用済燃料プールの冷却停止について続報

※平成26年6月24日午前6時10分、使用済燃料プール代替冷却系について、凍土遮水壁の準備作業の一環として変圧器受電ケーブル移設を実施するため冷却を停止(停止時プール水温度:23.5℃)。(ここまで既報)

6月24日午後4時46分、作業が終了したことから、使用済燃料プール代替冷却系を起動。なお、運転状態について異常なし。また、使用済燃料プール水温度は冷却停止時の23.5℃から24.3℃まで上昇したが、運転上の制限値65℃に対して余裕があり、使用済燃料プール水温度の管理上問題ない。

引用元:福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成26年6月25日

4号機~6号機

新規事項なし

◆4号機
・原子炉内に燃料なし(使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プールから共用プールへ燃料移動中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中

◆5号機
・冷温停止中
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中

◆6号機
・冷温停止中(燃料は全て使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中

共用プール・水処理設備および貯蔵設備

新規事項なし

◆共用プール
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中

◆水処理設備および貯蔵設備の状況
・セシウム吸着装置停止中
・第二セシウム吸着装置(サリー)運転中
・淡水化装置は水バランスをみて断続運転中
・多核種除去設備(ALPS)ホット試験中

地下水バイパス揚水井 ~No.12揚水井戸のトリチウム濃度、上昇傾向が続く

<最新のサンプリング実績>
地下水バイバス揚水井No.12:6月23日採取分
・全ベータ :検出限界値未満(検出限界値:4.4 Bq/L)
・トリチウム:2,100 Bq/L
その他の揚水井(No.2,4,6,8,10:6月23日採取分)の測定結果については、前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。

また、地下水バイパス揚水井No.12の分析結果(6月19日採取分)については、第三者機関による分析においても同等の結果だった。なお、地下水バイパス揚水井No.12については運用目標値を超えているが、一時貯留タンク側の評価を行った結果、問題はなかった。

地下水バイバス揚水井No.12:6月19日採取分
<第三者機関の測定結果>
・全ベータ :検出限界値未満(検出限界値:2.5 Bq/L)
・トリチウム:2,000 Bq/L
<当社の測定結果>(お知らせ済み)
・全ベータ:検出限界値未満(検出限界値:4.1 Bq/L)
・トリチウム:1,800 Bq/L

引用元:福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成26年6月25日

No.12揚水井単体でのトリチウム濃度は、東京電力が定めた運用値を超えた状態で推移しているが、他の井戸からの水と混ぜている現状の運用方針について、変更等の発表はなく、No.12の揚水を停止するとの記載もない。

H4,H6エリアタンク周辺観測孔(周辺排水路含む)の状況、タンクパトロール結果

◆最新のパトロール

平成26年6月24日のパトロールにおいて新たな高線量当量率箇所(β線による70μm線量当量率)は確認されていない(一部実施できない場所を除く)。堰床部に雨水が溜まった箇所については、雨水による遮へい効果により引き続き線量当量率は低い状態となっている。また、目視点検によりタンク全数に漏えい等がないこと(漏えい確認ができない堰内溜まり水内を除く)、汚染水タンク水位計による常時監視(警報監視)においても異常がないことを確認。

引用元:福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成26年6月25日

◆H4エリア

<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。

引用元:福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成26年6月25日

◆H6エリア

<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。

引用元:福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成26年6月25日

1~4号機タービン建屋東側

<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。

引用元:福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成26年6月25日

1~4号機サブドレン観測井

新規事項なし

地下貯水槽


<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。

引用元:福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成26年6月25日

以上、「福島第一原子力発電所の状況について(日報)」平成26年6月25日分の変更箇所を中心にピックアップしました。
構成●井上良太