2014年6月18日 今日の東電プレスリリース

4号機燃料移送計画は一部変更、ALPSでは微細な腐食発見、地下水バイパスの汲み上げ井戸No.12ではトリチウムが過去最高値

6月18日(水曜日)に公開された「福島第一原子力発電所の状況について(日報)」。前日からの変化や変更点を中心に読み解きます。

4号機プールから取り出す新燃料180体を6号機へ

4号機使用済み燃料プールから取り出した燃料は、共用プールに移送して冷却しながら保管されてきたが、その計画が一部変更。

計画では共用プール内にすでにある使用済み燃料をドライキャスクと呼ばれる密閉保管容器に移し、空きのできた分で4号機からの使用済み燃料や未使用燃料を受け入れてきたが、キャスク製造が追いつかない可能性が出てきたことから計画変更。今後移送する燃料のうち未使用の新燃料180体は、共用プールではなく、1.3キロ離れた6号機の使用済み燃料プールで冷却保管する方向で計画を立て直しているという。

東京電力が、6月18日に定例会見と報道配布資料で発表した。

多核種処理設備(ALPS)C系処理運転の再開を延期

19日に予定していた多核種処理設備(ALPS)C系の処理運転再開を、22日に延期。3月から続く処理水の白濁への対処として、すべてのクロスフローフィルタの交換を行ったが、その過程で微小な腐食を発見。腐食を防止するためガスケット型「犠牲陽極」を装着するため。

ガスケット:配管等の継ぎ目などに挟み、漏れを防止する主に金属製のシール
犠牲陽極:本体の金属よりイオン化しやすい金属を接触させておくことで、選択的に腐食を進め、結果的に本体の腐食を低減する措置、また接触して設置する金属のこと。鋼鉄製の船の外板などにも設置されている。

※多核種除去設備C系については、白濁事象の対策として全てのクロスフローフィルタを改良型クロスフローフィルタへ交換し、6月19日に処理運転を再開する予定だったが、

改良型クロスフローフィルタの交換に合わせて実施していた腐食対策有効性確認において、吸着塔2Cのフランジ部2箇所に微小なすき間腐食を確認。今回確認されたすき間腐食は、吸着塔に充填された活性炭の影響によるものと考えられることから、

活性炭を充填している吸着塔1C、2Cの周辺フランジ部に追加腐食対策としてガスケット型犠牲陽極への交換をする。

このため、多核種除去設備(C)系については、6月22日に処理運転を再開する予定。なお、処理運転再開の実績については、別途お知らせする。

また、多核種除去設備(A)系、(B)系についてもガスケット型犠牲陽極への交換を計画。

引用元:福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成26年6月18日

5号機原子炉の残留熱を海水で冷やすポンプで油漏れ

※6月17日午後3時31分頃、屋外にある5号機残留熱除去系海水ポンプ*(A)のモータ下部軸封部より、油が漏えいしていることを当社社員が発見。

漏えいは、床面に約3m×約0.5m×深さ最大約2mmの範囲であることを確認。その後、当該ポンプを停止したことにより油の漏えいは停止。

同日午後3時46分に一般回線にて双葉消防本部へ連絡。残留熱除去系海水ポンプ(A)のモータ下部軸封部からの油の漏えいについては、双葉消防本部より「危険物の漏えい事象ではない」との判断を受けた。

また、当該ポンプ停止前に残留熱除去系海水ポンプ(C)を起動したことにより、原子炉の冷却は継続。

*原子炉の冷却水を冷やすための海水ポンプ

引用元:福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成26年6月18日

1号機~6号機

新規事項なし

◆1号機
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中

◆2号機
1号機と同じ4項目に加え、
・2号機タービン建屋地下→3号機タービン建屋地下へ高濃度滞留水を移送中(平成26年6月16日午後4時~)

◆3号機
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・3号機タービン建屋地下→集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ高濃度滞留水を移送中。(平成26年6月16日午後2時42分~)

◆4号機
・原子炉内に燃料なし(使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プールから共用プールへ燃料移動中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中

◆5号機
・冷温停止中
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中

◆6号機
・冷温停止中(燃料は全て使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中

共用プール・水処理設備および貯蔵設備の状況

新規事項なし

◆共用プール
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中

◆水処理設備および貯蔵設備の状況
・セシウム吸着装置停止中
・第二セシウム吸着装置(サリー)運転中
・淡水化装置は水バランスをみて断続運転中
・多核種除去設備(ALPS)ホット試験中

地下水バイパス揚水井の状況 ~No.12井戸でトリチウムが過去最高値の2,000ベクレル~

地下水バイバス揚水井No.12:6月16日採取分
・全ベータ:検出限界値未満(検出限界値:4.4 Bq/L)
・トリチウム:2,000 Bq/L
その他の揚水井(No.2,4,6,8,10:6月16日採取分)の測定結果については、前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。

引用元:福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成26年6月18日

また、地下水バイパス揚水井No.12の分析結果(6月12日採取分)については、第三者機関による分析においても同等の結果だった。なお、地下水バイパス揚水井No.12については運用目標値を超えているが、一時貯留タンク側の評価を行った結果、問題はなかった。
地下水バイバス揚水井No.12:6月12日採取分
・全ベータ:検出限界値未満(検出限界値:4.8 Bq/L)
・トリチウム:1,500 Bq/L(第三者機関の測定結果:1,600 Bq/L)

引用元:福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成26年6月18日

H4,H6エリアタンク周辺観測孔(周辺排水路含む)の状況、タンクパトロール結果

◆最新のパトロール

平成26年6月17日のパトロールにおいて新たな高線量当量率箇所(β線による70μm線量当量率)は確認されていない(一部実施できない場所を除く)。堰床部に雨水が溜まった箇所については、雨水による遮へい効果により引き続き線量当量率は低い状態となっている。また、目視点検によりタンク全数に漏えい等がないこと(漏えい確認ができない堰内溜まり水内を除く)、汚染水タンク水位計による常時監視(警報監視)においても異常がないことを確認。

引用元:福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成26年6月18日

◆H4エリア

<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。

引用元:福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成26年6月18日

◆H6エリア

<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。

引用元:福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成26年6月18日

1~4号機タービン建屋東側の状況

<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。

引用元:福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成26年6月18日

1~4号機サブドレン観測井の状況

新規事項なし

地下貯水槽の状況

<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。

引用元:福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成26年6月18日

以上、「福島第一原子力発電所の状況について(日報)」平成26年6月18日分の変更箇所を中心にピックアップしました。
構成●井上良太