4月5日 南リアス線が、そして4月6日 北リアス線が、それぞれ再開。
震災から3年。三陸鉄道が復旧し全線であの車両が走り始めました。
下の写真は4月5日(土曜日)、記念車両が大船渡市の盛駅に到着した時のもの。
盛駅は三陸鉄道南リアス線のターミナル駅。震災前にはここから南はJR東日本の「ドラゴンレール」大船渡線に接続していましたが、大船渡線は現在、気仙沼駅までBRTによる運行。鉄道とバスを乗り継ぐ不思議な形態の駅ホームになっています。
この日の盛駅周辺では、ラジオの公開中継などさまざまなイベントや、駅前でのつみれ汁の振る舞いがあったりで到着前から大賑わいだったそうです。
ところが肝心の全線復活第1号車は、途中駅に到着するたびに大歓迎を受けていたからか、再開第1号車両である「36-702号」の盛到着は予定時刻を大幅にオーバー。
それでも集まった人たちは、陸前赤崎方面から車両が近づいて来るのを待ちきれないように、小旗を盛んに振って、大歓迎で出迎えたとのこと。
振られていたのはこの小旗。右は三陸鉄道のシンボルフラッグですが、左は?
左の四色旗は中東の産油国クウェイト(大使館ホームページの表記に合わせてクウェイトと記します)の国旗です。クウェイトは震災の後、日本を支援するために500万バレルもの原油を提供してくれました。その売却で得られた約400億円の一部が、三陸鉄道再開に合わせて建造された5両の車両の購入に充てられたのです。
沿線の人たちの喜び、笑顔、勇気、そしてそればかりじゃない、日本中、世界中の人たちからの応援――。再開の日の三鉄沿線には、たくさんの想いが凝縮されていました。
車内にはひまわりの飾り付け。
下の写真は地元紙「岩手日報」の特集号と記念乗車券、そしてお餅。祝賀ムードが盛り上がります。
岩手新報は、個人向けに号外を発行する「IWATTE」というサービスを行っていて、そのコマーシャルビデオに2012年の北リアス線久慈駅・田野畑駅間の再開の模様が描かれています。
こんな一歩一歩があって、ようやく全線開通につながったんだと、感慨を覚えます。
IWATTE「幸せの、いちばんそばに。」三陸鉄道篇
たくさんの支援もあって全線で再開できた三陸鉄道。地元の重要な交通機関ではありますが、過疎地の路線で赤字環境にあるという厳しい現実は変わりまん。それでも、震災の前までも、震災の後も、さまざまな企画を打ち出して全国の三陸ファン、鉄道ファンのこころを掴んできたのが三陸鉄道というレイルウェイです。
北リアス線と南リアス線の間にあって、いまだに復旧が進まない山田線の沿岸区間を、三陸鉄道が委託運用するという計画もあるようです。そうなると、岩手県のリアス式海岸を1本で結ぶことも実現するかもしれません。
魅力的な自然と人々の囲まれて走り続ける三陸鉄道。
これからもずっと応援し続けます。
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文●井上良太
三陸鉄道南リアス線――。大船渡市と釜石市との間を再び走りだす列車への期待を込め、沿線の市長や会社・学校など約1,000人が踊った動画が完成!恋するフォーチュンクッキー 岩手県 三陸鉄道南リアス線Ver. / AKB48[公式]