浄土ヶ浜。東北で気になる観光名所のひとつです。
浄土ヶ浜は、岩手県宮古市にあり、三陸復興国立公園の一部です。1955年に陸中海岸国立公園に指定されていましたが、東日本大震災後に、三陸復興国立公園に変更されています。
三陸復興国立公園については、環境省のWEBサイトに下記のように記載されています。
三陸復興国立公園は、東日本大震災により被災した三陸地域の復興に貢献するために平成25年5月に創設された国立公園です。
南北の延長は約220km、北部は「海のアルプス」とも賞される豪壮な大断崖、南部は入り組んだ地形が優美なリアス海岸が続きます。海岸にはウミネコやオオミズナギドリなどの海鳥の繁殖地があり、野生生物を間近に観察することもできます。八戸・宮古・釜石・大船渡・気仙沼など日本有数の水揚げを誇る漁港を有しており、新鮮な海の幸を味わうことができるのも魅力です。また、防災教育を目的として全国から多くの人々が訪れています。
浄土ヶ浜の名前の由来ですが、
天和年間(1681年~1684)に宮古山常安寺七世の霊鏡竜湖(1727年没)が、
「さながら極楽浄土のごとし」と感嘆したことから名付けられた
とのことです。実際に行ったことはないのですが、写真を見ると、名前の由来に納得してしまいます。
以前から、透明度の高い海と奇岩が織りなす美しい浄土ヶ浜の写真をたびたび目にして、いつかは行ってみたいと思っていた三陸海岸屈指の名所のひとつです。
震災の影響
今は、震災前のような美しい景色を取り戻しているようですが、浄土ヶ浜及び宮古市も震災の津波によって、とても大きな被害を受けたようです。
宮古市の津波の高さは、8.5m以上もあり、津波遡上高と呼ばれる陸地を駆け登り到達した津波の高さは、40.5mもあったそうです。浄土ヶ浜にあるレストハウス、遊覧観光船施設、海岸歩道などの多くの施設が破損・流出したほか、地殻変動により地盤が沈下したようです。震災直後の写真を見ると、浜は大量のガレキで埋まり、極楽浄土にはほど遠い光景のようでした。
浄土ヶ浜を巡る遊覧船は3隻あったそうですが、そのうち2隻は津波で失われたそうです。残る1隻は、地震の直後に、船長の機転により、沖に避難して、難を逃れたそうです。
宮古市の被害も甚大で、同市のWebサイトで確認すると、平成24年11月6日時点の情報では、死者・行方不明者が、611名、住家等の被害は9,088棟、そのうち全壊は5,968棟とのことです。平成22年の国勢調査によると、宮古市の人口は59,442人、世帯数は22,504世帯だったようです。
浄土ヶ浜のみどころ
大きな被害を受けた浄土ヶ浜でしたが、震災の2、3か月後には、宮古市の観光関係者やボランティアの方により、浜に打ち上げられていたガレキは撤去され、美しい姿を取り戻したとのことです。
環境庁が認定している「日本快水浴場100選」にも選ばれた浄土ヶ浜は昨年の夏より、海水浴が復活しており、海岸歩道も今年7月20日に開通しているそうです。
浄土ヶ浜の遊覧船も、一隻だけ残った船で震災があった年の7月から運行を始めており、レストハウスも昨年よりオープンしているようです。
極楽浄土のような美しさを持つと言われる浜の写真を見ているだけで行きたくなりますが、さらに調べてみると浄土ヶ浜で、とても気になるスポットがありました。それは、
「青の洞窟」
写真で見ると、まるでイタリア・カプリ島にある、元祖青の洞窟に勝るとも劣らない神秘的な色をたたえた洞窟で、見た瞬間に行きたくなってしまいました。青の洞窟は、観光船乗り場のちょうど裏側にあり、入口が狭いため、小型の磯舟「さっぱ船」で見に行くそうです。
さすがにイタリアまで行くのは時間やお金がちょっと・・・
という方も、岩手県宮古市の青の洞窟ならば、可能性があるのでは?!
浄土ヶ浜から車で15分ほどの場所に、「宮古市魚菜市場」という、海と山の幸を販売している市場があるそうです。市場には新鮮な海産物、野菜、果物の他に食堂もあるそうです。
浄土ヶ浜や青の洞窟を見た後に「宮古市魚菜市場」立ち寄って、食事やお土産を買うのもいいですね。
浄土ヶ浜
写真:奥野真人
Text :sKenji