dodemoeです。
書きたい話題が浮かばないので、今回は趣向を変えて、適当に決めたお題に沿った話を書こうかと思います。
どうするかと言うと……、
スーパーの袋を2つ用意し、それぞれに「キーワード」を書いた紙きれを数十枚ずつ入れます。
そして、その2つの袋から1枚ずつ紙きれを取り出し、その「キーワード」に沿った話を書いてみます。
さて、どんな「キーワード」が出るんでしょうか……
……と言うことで、今回は「意味不明」だった「メール」の話をしてみます。
1
今から10年ほど前、当時高校1年生だった僕には女友達がほとんどいませんでした。と言うのも、通う学校は男子校。周囲に存在した女性らしい女性と言えば、母親と、物理、英語のオバちゃん先生くらいしかいませんでした。自分で選んだ学校ですが、それはもう残念すぎる環境です。
さて、そんな男子校生活、異性がいないかわりに男同士で……なんてことはありません(いや、あるのか?知らないけど)。だいたいの奴らが悶々とした気持ちを抱えつつ、その気持ちを部活動で発散する。という環境だったと思います。
とは言え、女子に憧れるのが男子校の生徒というもの。10年前当時も、高校生ともなれば携帯電話を持っていました。そして、僕の通っていた学校では「携帯のアドレス帳に女友達が何人いるか」がステータスであり、厄介なことに、それをどことなく競い合う風潮があったのです。
中でも、クラスのイケメンリア充みたいなヤツは、休み時間になるとこれ見よがしに携帯を取り出し、「●●からメール来てるわ」とドヤ顔でメールしたり、女の子の顔写真の写メを見せてきました。痛いヤツは、彼女でもない子を待ち受けにしていたほど。あの、女友達の数で男としての優劣が決まる風潮は、男子校ならではのものだったと思います。
2
僕はと言うと、アドレス帳には中学時代に通っていた塾の女友達が2~3人いる程度。その2~3人だって、交換したっきり連絡しないような仲です。
しかし、その2~3人の存在が貴重でした。何かにつけて女の子の話題になったとき、
「俺?一応女の子のアドレス入っていますけど、何か?」
みたいな顔はできたのです。決して誇れることではありませんが、クラスの中には女友達皆無と思しきヤツもいたので、僕がおちょくられたりすることはありませんでした。僕は他より少し運が良かっただけ。にもかかわらず、女性の連絡先が母親しかいないヤツを慰める立場にいました。慰めつつも、「お前は2~3人でも女の子のアドレスがあるから良いよな」と言われることを期待していたのです。
今こうして振り返ると、自分でもその器の小ささにびっくりです。
3
さて、そんな女っ気のない高校生活を送っていた僕ですが、夏のある日、意味不明なメールが届きました。
送り主:090-XXXX-XXXX
件名:彩です(^_^)v
本文:お疲れ~!
今日は楽しかったね!
また予定合わせてご飯行こうね!
(うろ覚えですが、こんな感じ)
……というもの。雰囲気的にどう考えても女性からのメールでした。
今の感覚で言えば、こんな迷惑メールっぽいメールを相手にする人はいないでしょう。しかし10年前の当時の感覚で言えば、そして無知で無垢だった高校生の僕の感覚で言えば、いわゆる迷惑メールとは違う雰囲気だったのです。送り主もランダムな記号のアドレスではなく、番号。これは単純に誤送信じゃないか?と僕は思いました。
そこで、僕もメールを送ります。
僕「すみません、宛先間違えていませんか?」
すると……
彩「あれ~?マミちゃんじゃない??」
どうやら、相手は僕をマミちゃんという人物と間違えているようです。ただ、迷惑メールでは無く、本当に間違いメールっぽい……と思った僕は、少しだけ警戒を解いて絵文字を使いつつ、様子を探りました。
僕「違いますよー(汗)自分男やし、人違いじゃないですか(苦笑)」
僕がこう返信すると、向こうも安心したのか?絵文字付きで返信をくれるばかりか、メールを停める気配もありません。
彩「ごめんね~、会社の友達と勘違いしちゃったみたい(汗)
やしって関西弁?あたし神戸住みなんだけど近いかも?すごーい!」
僕「いや、神戸じゃないけど神戸の近く?ですね」
彩「そうなんだ~!学生さん?」
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怪しいようで怪しくない、怪しくないようで怪しい。そんな彼女としばらくメールのやりとりが続きました。今でいう出会い系のような雰囲気もありませんし、変な話題もなく、世間話が淡々と続く感じです。そうして0時過ぎまでメールが続き、なんとなく就寝の雰囲気になりました。
彩「じゃあ、あたし寝るね~!付き合ってくれてありがとう(笑顔)
また、なんかあったらメールするね!」
……また?
またなにがあるんだ?
ツッコミドコロ満載の彩さんでしたが、そんな感じでいったんメールを終えました。ただ、女っ気のなかった僕にとって、こんなカタチでもメールをしたことが楽しく、意外と悪い気はしませんでした。
(中編へ続く)