ホストクラブとは男性従業員が女性客の隣に座って接待をする飲食店。主役はあくまでもお客様である女性です。ホストは女性を良い気分にさせて喜ばせるのがお仕事です。「イケメン!色恋トーク!枕営業!自分の持つ武器を駆使して女性を満足させてみろ!」という成果主義の特殊な世界。そんなファンタジーワールドに迷い込んだ僕のホスト体験記を告白します。
客を選べないホストの宿命
どんなにモテていても自分を指名するお客様がいたら喜んで酒の相手をするのがプロフェッショナルです。2部営業ナンバー1のアキトさんは月収50万を稼ぐカリスマホストです。月収50万は安いと思われるかもしれませんが、歌舞伎町でもない郊外の小さなホストクラブで50万稼ぐのは至難の業なんです。
業界10年目のベテランホスト、ヒロヤさんでも酷いときは月収2000円のときもあります。経験豊富なホストでも女に金を使い込んで墓穴を掘るのです。女性を店に連れ込んで金を取るのは奇跡に近い神業です。稼げるホストは人を選ばない、金さえあればどんな客でも受け入れる!それが鉄則です。
気合いの入ったゲイのお客様が来店
ある日、2部営業の閉店間際に1本の電話がありました。
ヒロヤ:「今からアキトくん指名の鉄也さんが来るからよろしく!」
アキト:「はい、わかりました!」
アキトくん指名の鉄也さん・・・?相手は男・・・?様々な妄想が脳内を駆け巡ります。
ヒロヤ:「気合いの入ったゲイだけど、金持ってるから30分で5万飲ませるぞー!」
気合いの入ったゲイ・・・?僕はニューハーフの綺麗なお姉さんを想像しました。ヒロヤさんはウコンの力をみんなに配って乾杯!ホスト全員で円陣を組んで気合いを入れました。しばらくして来店した鉄也さんは、格闘家のヒクソングレイシーを小型化したようなゴツい人で驚きました。坊主頭にアゴヒゲを生やしたワイルドな風貌で、まさしく気合いの入ったゲイそのものです。
チューする度に料金が上がる自動システム
テーブルに案内された鉄也さんは、席に着くなりアキトさんに熱烈チュー!完全なるディープキスに面を食らいました。あまりにも自然にチューに持ち込むので、これが普段通りなのかもしれません。
ヒロヤ:「はい!鉄也がアキトを奪いました!シャンパンコールでお祝いです!」
ヒロヤさんの号令と同時にシャンパンの栓が抜かれ、グラスに大量の酒が注がれます。
ヒロヤ:「アキトが飲む飲む!ぐいぐいぐぐいと~ぐいぐいぐぐいと~!」
アキトさんがシャンパンを飲み干すと、ヘルプのグラスにもシャンパンが注がれて酒を全て飲み干します。シャンパンコールが終わると、また新しいシャンパンがテーブルに出されます。そして鉄也さんはアキトさんに2回目のディープキス!
ヒロヤ:「はい!鉄也がアキトを奪いました!シャンパンコールでお祝いです!」
チューと同時にシャンパンが開けられて、2回目のシャンパンコールが始まります。
ヒロヤ:「鉄也が飲む飲む!鉄也飲む飲む!ぐいぐいぐぐいと~!」
今度は鉄也さんが一気飲みしてシャンパンコールに応えます。このパターンが繰り返される度にサービス料金が跳ね上がっていきました。おそらく、ヒロヤさんが即興で開発した料金システムだと思います。チューと引き換えに酒をどんどん開けていく、アキトさんの唇を犠牲にした究極の搾取法です。
どんな相手とチューしても様になるチュープロ
結局、30分で3本のシャンパンを開けて5万のノルマをクリアしたアキトさん。彼が凄いのはどんな相手とチューしても絵になるとこです。キャバ嬢だろうがゲイだろうが、アキトさんがチューするとカッコよく見えるのが不思議です。
『あいのり』でカップルがキスして帰国の瞬間くらいカッコよく映ります。そしてとにかくエロい!エロチューなんです!1度唇を重ねると10秒くらいチューしてます。あのチューで指名客はアキトさんの虜になっていくのでしょう。まさにキスのプロ。チュープロですね!