鹿妻駅も国道沿いのバス停です。到着時間は13:17。予定時間より1分早く着きました。
鹿妻駅のバス停を過ぎると、道は仙石線の線路沿いに矢本駅方面へと続きます。
そして矢本駅に到着。時刻は13:22。時刻表より3分早い到着でした。駅のロータリーの職員に聞いたところ、「休日で一般車が少なかったから、今日は快調だったね。いつもこうだというわけではないんだよ。平日の通勤時間帯にはどうしても遅れが出ることもあるからね」とのこと。
「いやぁ、矢本に着いたな~」と伸びをしたい気分。でもまだ旅は続きます。矢本から石巻への列車は13:35の発車予定です。バスが予定通りに走っていたとしたら、乗り継ぎ時間は10分ということになります。もしもバスが遅れてしまったら、次の列車は14:49まで待たなければなりません。
矢本駅のホームに入っている列車を見て「あれっ?」。電車だとばかり思っていたのに、ブオーンとエンジン音がしています。屋根にはパンタグラフもついていません。ディーゼルカーです。電化区間なのにどうしてディーゼル? 車掌さんに聞いてみると、地震で架線設備が壊れたままなので電車は走れないという意外な答えでした。震災からすでに688日が過ぎていました。
ホームからの石巻方面の景色。運行本数が減って、車両の待ち合わせがなくなったからか、雪の中、ホーム左側の線路だけが石巻へと続いています。
定刻通り13:35に矢本駅を発車したディーゼルカーが石巻の市街地へ向けて走ります。5区間15分の列車の旅です。
車止めのあるホームにディーゼルカーが入っていきます。仙石線の終着駅、石巻に到着です。
到着は定刻通り13:50分でした。石巻駅では改札口でサイボーグ009、003、001、そして仮面ライダーがお出迎え。
さすが漫画の町、石巻です。オブジェだけでなく、駅のホームの階段や駅舎の外壁など、いたるところに石ノ森章太郎のキャラクターが描かれています。
仙台駅の地下ホームを出発して、石巻駅まで1時間43分。長かったような、短かったような列車とバスの旅でした。
観光のために乗車するのであれば、さまざまな景色や乗り物が楽しめるメリットはありますが、日常の足として使うとなると、バスの遅れのリスクは小さくはありません。今回の時間帯でも、矢本駅での乗り継ぎが1列車遅れると、1時間以上も余計に時間がかかることになるのです。少々遠回りでも、石巻線で小牛田を経由して東北本線で仙台へ、というルートを選択する人が多いのもうなずけます。
これまで、津波被害を受けた区間の路線をどうするかが懸案だった仙石線ですが、河北新報の報道によると、2013年2月14日、陸前大塚から陸前小野の区間を内陸側に移設する計画が、東北運輸局から認可されたとのことです。JR東日本は2013年度早々に着工し、2015年中の全線復旧を目指すということです。
代行バスの運行ダイヤは下記をご参照ください。
2012年3月5日、JR東日本仙台支社が発表したニュースリリース「代行バスの区間および時刻変更について」
写真と文●井上良太