プチ贅沢ができる旅のスタイル

プチ贅沢ができる旅のスタイル

 いろいろ記事を眺めていると、気になるものを見つけました。NEWSポストセブン『塩麹他ヒット商品 来年残るもの、消えるものを専門家が予想』というもの。2012年に流行したものを取り上げ、来年どうなるか・・・という点を、トレンドウォッチャーと名乗る専門家・くどーみやこが予想しています。 残るもの「塩麹」、なるほど、僕も良く使う。消えるもの「街コン」、たしかに飽和状態だしな・・・。と、読んでいると「LCC」の文字。

LCCの航空会社は継続して使われると思いますが、安・近・短がずっと人気だった旅行も、のんびり旅行が支持されてきています。2013年は船旅や電車の旅にシフトしてきていくでしょう。料金の高かったクルージングの旅なども安く提供してくれる業者が参入してくるので、ちょっとのんびりしながらプチ贅沢ができる旅のスタイルが注目されそうです
(『塩麹他ヒット商品 来年残るもの、消えるものを専門家が予想』 2012年12月9日付 NEWSポストセブン)

とのこと。むむ、これは。

LCCの登場

 旅行者にはいろいろなタイプがあって、僕はお金のかけ方の強弱が激しいほう(と思っています)。 例えば、移動手段や宿は絶対安くケチります。都市間はバスが主流。格式高いホテルなんてもってのほか。寝れるなら素泊り宿かネットカフェで十分、高くてもユースホステルが限度です。移動や宿泊で贅沢をするなら、そこをケチって旅行の頻度を増やしたいのです。一方で、食べ物にはかなり執着します。飲食店に入れば、その店で一番高そうなご当地ものを食べますし、毎度旅行で持ち切れないほどのお土産を買ってしまいます。

 しかし、それは貧乏かつ時間を持て余していた学生時代の名残。食べ物にお金をかけるのはせめてもの贅沢です。手に職を持った今、限られた休みの中で楽しむにはどうしてもお金をかけて効率的に動かざるを得ません。 そこへさっそうと登場したのがLCCでした。破格の値段で飛行機に乗れるわけですから、使わない手はありません。

 2012年にはピーチアビエーション、ジェットスター、エアアジアとLCCが3社就航したことで話題を集めました。注目は既存大手航空会社には無かったコストパフォーマンス。3社とも滑り出しに限れば順調と報じられており、ひとまず落ち着きそうな予感です。それまで飛行機に滅多に乗らなかった僕でさえ、今後は積極的に利用したいと思っているので、潜在需要もある程度掘り起こせているのではないでしょうか。

のんびり旅行が支持されている?

 と、「LCCイイネ!」と思っていたら、記事では「のんびり旅行が支持されてきています。2013年は船旅や電車の旅にシフトしてきていくでしょう。」とも。 船旅や電車の旅ですか。たしかにLCC登場以前では船旅や電車の旅は“安さ”の代表的存在。島へよく行く僕も積極的に利用していました。船は遅いものの安いですし、電車だって青春18きっぷの時期は、実質2300円でJRの鈍行は乗り放題なわけです。時間はあるがお金は無い、そんな当時はありがたい存在でした。

 ところがどちらも致命的なのがスピードの遅さです。船も電車も輸送力こそありますが、速さでは飛行機や新幹線には到底かないません。 くどーみやこ氏はさらに「料金の高かったクルージングの旅なども安く提供してくれる業者が参入してくるので、ちょっとのんびりしながらプチ贅沢ができる旅のスタイルが注目されそうです」と続けています。

 なるほど。たしかに最近はクルージングなどの「豪華客船」と呼ばれるものまで、ローコスト化していると報じられています。「ローコストクルーズ」「ローコストフェリー」「ローコストシップ」などと言われ、まだネーミングも定着していない様子ですが、“豪華客船”、“ローコスト”と一見矛盾したような現象が起こりつつあります。 これはこれで面白そうです。僕はトレンドウォッチャーではないので、流行るかどうかまではわかりません。ただ、どうしても旅の移動時は特に楽しみが無いもの。クルーズや観光列車のように、移動中も何かしら楽しめるのであれば、速さが売りの飛行機や新幹線とは違った魅力があるでしょうと期待しちゃいます。

旅行の選択肢がさらに増えた

 話が広がってしまいました。色々と予想されていますが、結局のところ、“トレンドウォッチャー”という肩書の方が予想しているだけの話なので、「ふーん、なるほどね」という感じです。(記事中では述べられてませんが、予想の根拠はあると思います。)

 しかし、総じて言えるのは、LCCや「ローコストクルーズ(これもLCC)」の登場によって、旅行の選択肢がさらに増えたということです。

 移動にお金をかけるも良し、食べ物にお金をかけるも良し、宿泊施設にお金をかけるも良し。記事中でくどーみやこ氏が言う「プチ贅沢」が何を指しているのかはわかりませんが、どこを安く抑えて、どこにお金をかけるか、その選択肢が増えるのは嬉しいこと。そういう意味で、来年以降はもっと楽しい旅行が期待できそうですね!

 サービスを提供する企業は大変でしょうけど・・・。