2012年11月1日から18日までタイ王国でFIFAフットサルワールドカップが開催されています。全世界から24ヵ国のナショナルチームが参加し、優勝に向けて熾烈な争いを繰り広げています。日本はJリーグから三浦知良を召集し、ペルーから森岡薫を帰化させて大幅に戦力を強化しました。今回はフットサル日本代表として活躍する星翔太選手のプレーの魅力に迫ります!
【星翔太】 ほし・しょうた
国籍:日本
生年月日:1985年11月17日(26歳) 出身地:東京都
身長:176cm 体重:71kg
在籍チーム:バルドラール浦安フットボールサラ
ポジション:ピヴォ背番号:9
ポストプレーを得意とするピヴォらしい選手
ピヴォと呼ばれるポジションでプレーする星翔太。サッカーではセンターフォワードのポジションに相当します。フットサルのフィールドプレーヤーは4人と人数が限られている為、サッカーのように前線に複数の選手を配置することができません。ピッチの最前線に立つピヴォはディフェンスから中盤の組み立て、フィニッシュまで要求されるので、高い戦術眼と運動量が必要です。
星はボールコントロールに優れており、ペナルティエリアで安定したポストプレーをこなせる選手です。フットサルでは『ピヴォ当て』と呼ばれる戦術を多用します。前線に構えるピヴォにボールを一度当て、ワンツーからゴール前に侵入してシュートを打つ攻撃パターンです。星は『ピヴォ当て』のターゲットになるのが得意の選手です。DFの激しいチェックを受けても体勢を崩すことなくボールキープし、中盤からワンツーで飛び出してくる味方の足元にピタリとパスを合せる技術を持ちます。
日本代表には同ポジションに森岡薫の存在がありますが、森岡はトップに張り付いてポストプレーに徹するタイプではなく、サイドに流れて自らドリブルを仕掛ける選手です。日本にはタイプの違う2人のピヴォがいるので、戦況によって攻撃パターンを自在に変えることができます。
典型的な背番号9の正統派ストライカー
クラブチームでもナショナルチームでも背番号9を背負う星翔太。サッカーではチームのエースストライカーが付けることが多い番号です。トップに張りついてターゲットマンになり、体を張ったポストプレーでチャンスメークし、常にシュートを意識した動き出しは9番タイプの正統派ストライカーです。
予選リーグのポルトガル戦では1-5という劣勢のなか、ゴール前で相手の横パスをインターセプトすると、GKの動きを冷静に見切って股間を抜く技ありシュートで2点目を奪いました。ゴール前の落ち着きとシュート精度の高さを証明したプレーです。
献身的な守備でチームを支える
フットサルは全員でボールを追い回す『ハイプレス』という守備戦術を用います。最前線で攻撃の軸となるピヴォでさえ、ディフェンスではフィールド全体をカバーする運動量を求められます。高い持久力を備えた星は前線から激しいチェックを献身的にこなし、マークした相手を自陣ゴール前まで追いかけてスライディングタックルを仕掛けるなど、体を張った守備でチームプレーに徹する選手です。
総括
今回のワールドカップでは4試合で2ゴールの活躍を見せ、日本を史上初のベスト16に導く原動力となりました。年齢的には2020年のワールドカップまで代表でプレーできる可能性があります。チームの攻撃の核として、これからの日本代表を背負う存在になることを期待します!