ロンドンオリンピックで銀メダルに輝いた『なでしこジャパン』。U-20女子ワールドカップで銅メダルを獲得した『ヤングなでしこ』。女子サッカー界が大きな注目を集めている今、更に一つ下の世代に『リトルなでしこ』と呼ばれる17歳以下の日本代表の存在があります。今回はU-17女子ワールドカップで活躍した攻撃的ミッドフィルダーの杉田妃和選手のプレーの魅力に迫ります。
【杉田 妃和】 すぎた・ひな
生年月日:1997年1月31日
身長・体重:160cm・47kg
在籍チーム:藤枝順心高等学校
ポジション:MF
両足の強烈なミドルシュートでゴールを脅かす
U-17ワールドカップでは主にトップ下を務めた杉田妃和ですが、左右のサイドハーフからボランチまで中盤のポジションならどこでもプレーできるユーティリティプレーヤーです。パス、ドリブル、シュート、全てのプレーを平均以上でこなせる能力を持ちます。特にシュート力は素晴らしいものがあり、右利きでありながら左右両足で強烈なミドルシュートを放ちます。
予選リーグのメキシコ戦ではトップ下で先発出場し、後半22分に右サイドから切れ込んだサイドバックの清水梨紗のクロスボールを右足でダイレクトシュートを決めました。自身では「サイドからのドリブル突破とスルーパスが得意」というコメントを残しており、本人はサイドアタッカーとしての起用を希望していたのかもしれません。しかし、吉田監督は一貫してトップ下で起用していたことから、中央からのミドルシュートを期待していたように思えます。
判断能力に優れた戦術眼の高いプレーヤー
オフザボールの動きに優れたプレーヤーで、味方選手に対して絶妙の距離感を保ちながら攻撃をサポートします。トップ下でありながら前方に飛び出して得点を奪うプレーよりも、攻守のバランスを取りながら中盤の繋ぎ役になれる選手です。DFのマークを外してフリーになる動きが上手く、ダイレクトプレーを駆使してテンポよくゲームを組み立てます。背後から来るロングパスに対してもファーストタッチが柔らかく、素早くターンしながら前方にボールを置いてプレーできる高いトラップ精度を持ちます。ボールを保持してから次のプレーに移るまでの判断スピードが速く、相手DFの一瞬の隙を突くスルーパスとパワー溢れるミドルシュートで決定的なシーンを演出します。
総括
一発のスルーパスとミドルシュートでプレッシャーのかかる局面を打開できるプレーヤーです。どのポジションを任せてもそつなくこなせる器用さが強み。U-17では成宮や長谷川などのスター選手にスタメンの座を奪われて目立った活躍が見られなかったものの、突出した攻撃センスとパワフルなシュートを武器にして大きく育って欲しい選手です。