U-20女子ワールドカップで銅メダルを獲得して全国区の人気となった『ヤングなでしこ』。2015年のワールドカップに向けて、この世代のプレーヤーが『なでしこジャパン』の新戦力になることが期待されています。3年後を見据えた上で、国際大会で活躍できる選手は誰でしょうか?今回はフォワード編として、注目の選手をピックアップしたいと思います!
世界レベルのアタッキング能力を持つ横山久美、大野忍を超えられるか?
U-17ワールドカップで見せた5人抜きドリブルで世界に鮮烈な印象を与えた横山久美ですが、そのイメージは伊達じゃないという力を今大会でも見せてくれました。4-5-1というチームのシステム上、左サイドハーフでの出場が多かった横山ですが、アタッキングサードから中央にカットインするドリブルは凄まじい破壊力があります。
ドリブル突破
たった1人でDF2~3人を引き連れてペナルティエリアに侵入するドリブルは驚異的です。ボールを持ち過ぎてDFに囲まれるシーンも目立ちましたが、周りを使うプレーを覚えれば無敵の突破力を誇る世界最高クラスのアタッカーに成長できると思います。A代表の大野忍と比較されることがありますが、縦にシンプルに突破してアシストを決める大野と比べると、横山はよりエゴイストなドリブラーです。
緩急を使った一瞬のスピードでDFを置き去りにするのが大野だとしたら、横山は足元に吸い付くような柔らかいボールタッチから細かいターンを繰り返してDFを抜き去ります。そしてゴールが見えたら即シュート!という選択肢を持ちます。試合終盤に相手の足が止まったとき、横山を投入するのは有効なオプションだと思います。
得点感覚
ゴールへの執着心は大野以上のものがあり、ペナルティエリア外から強烈なミドルシュートをゴールに叩き込みます。スーパーサブとして考えた場合、同じドリブラーには岩淵真奈の存在がありますが、彼女は中盤の選手でどちからかと言えばチャンスメーカー。横山はゴールに近い位置で得点を奪えるストライカーです。 4-4-2というシステムを採用するなでしこジャパンはフォワードを2枚起用するので、横山が大野からスタメンを奪回してフォワードの一角を担うチャンスは十分にあります。
総合評価
パワー、スピード、シュート力、どれを取っても一級品の能力を持つ横山久美。A代表に入って経験を重ねれば、ゴール前の判断力やコンビネーションの精度は磨かれると思います。いい意味でのエゴを捨てなければ、大野忍を超えるストライカーに化ける可能性があると思います。