集落全体が、素朴で美しい
沖縄本島の西側に浮かぶ粟国島、久米島、慶良間列島(渡嘉敷島など)。この3つの島々を三角形で結んだとき、ちょうど真ん中に来るのが渡名喜村・渡名喜島です。 沖縄県でもっとも人口の少ない村で、名の知れた名所もそれほど多くはありません。しかし、その素のままの飾らない景観が美しく、2000年(平成12年)には島の集落全体が「重要伝統的建造物群保存地区」に選定されています。
集落はフクギの木(村木)に囲まれており、一見素朴なのですが、夜になるとフットライトが照らされ、とても幻想的!渡名喜島でしか味わえないこの雰囲気はちょっと乙な味わいです。 島での遊びはダイビングやホエールウォッチングが主流。どちらも素の沖縄の自然を楽しめるとあって人気です。
渡名喜島の見どころ
景色を楽しむ
集落
何といっても島最大の見どころは一風変わったこの集落。一見沖縄県内の他地域でも見られるような民家群ですが、実は少し様子が違うことに気づくはずです。どの民家も天井が低く、形状も独特。これは毎年のようにやってくる台風被害を少しでも軽減しようと、地面を掘り下げて天井を低くしているのです。島自体は水はけの良い白砂の土壌であるため、浸水も稀だとか。また集落の周囲はフクギの木が立ち並び、風よけにもなっていたそう。
こうすることで、浸水を避け、風を避け、悪天候の中でも落ち着いて暮らせるようにしていたとか。先人の知恵ってヤツですね!ぱっと見て珍しい民家群ですが、こういった事情を踏まえると、「色々考えられているんだなぁ。」と、しみじみしてしまいます。県内では竹富島に次いで、国の「重要伝統的建造物群保存地区」に選定されています。歴史ある景観を、いつまでも残していってほしいものです。
上の手展望台 (場所)
集落から500mほど歩いた場所にある展望台です。沖縄の離島の良いところは、全体的に島の面積が小さいために、集落を少し離れるだけで海と集落が一望できる場所に行けること!実際、登るにもさほど苦労しないそう。この手軽さが嬉しい限りです。
里遺跡 (場所)
上の手展望台からほど近い高台の遺跡。14~15世紀ごろの遺跡も発掘されたそうで、島の歴史を今に伝える大切な場所となっています。また渡名喜島としては唯一の信仰の場所でもあり、「里殿」「ヌル※殿内」の拝殿があります。こちらも景色が良さげ。昔から島人は景色のいい場所を選んでいたんでしょうか。※ ヌル・・・神行事をつかさどった琉球王府の地方女神官のこと
フクギ群 (場所)
集落の真ん中あたり、旧渡名喜小中学校跡地にある9本のフクギ群。正確な樹齢や、植樹の経緯は不明な点もありますが、今では島を代表する光景のひとつです。樹齢は200年を越えると推測されており、長きに渡って島が活発であることを伝えてくれます。見どころは何と言っても夜の並木道。フットライトが照らされ、足下がぼんやりと明るい幻想的な夜が楽しめます。派手さはありませんが、こういうちょっとした演出がなんとも小粋!友達でも恋人でも、親しい人と一緒に歩きたくなる場所だと思いませんか!?
上門家 (場所)
渡名喜村初代村長を務めた上原正助氏の旧家。今となっては味わい深い昔の民家という見た目ですが、さすがに村長を務めたとだけあってか、当時としては結構裕福な建物だそう。サンゴ石灰岩を切り出した石垣のほか、本瓦葺の母屋に倉、石造りの豚小屋などがその当時を物語っています。今も昔もやはり良い家は目立つんですね。
東海岸海水浴場(あがり浜) (場所)
島を横断する村道の東端にある、島を代表するビーチです。特徴はキメの粗い砂。サングラス、ビーチチェア、トロピカルジュースよりも、海パン、魚獲り網、スイカ割りの方が似合いそう、という表現でイメージできるでしょうか。白砂でサラサラのビーチとはまた違う、飾らない素朴さが魅力のビーチなのです。
ヌーチュヌーガ御嶽 (場所)
島の南側、小高い丘陵地にある渡名喜村指定の史跡です。ここは集落から遠く、周辺も特に何かがあるわけではありません。名も無き景色が延々と続きますが、西側は白砂のビーチが、南側は荒々しい岩とコバルトブルーの海が、山の方向には鮮やかな木々の緑がそれぞれ広がり、のんびりドライブすると景色の移ろいを楽しめます。
渡名喜島の情報あれこれ
【名 称】渡名喜島(となきじま)
【所在地】
(地図)
【面 積】3.46㎢
【周 囲】
16.1km
遊 び
海水浴、ダイビング、シュノーケリング、ホエールウォッチング、潮干狩り体験、追い込み漁体験、釣り、散策(遺跡、集落、遊歩道)、植物観察
食べる
もちきび、島みそ、キビ味噌、島にんじん、マンゴー
郷土料理
キビ味噌
変わりモノ
天上の低い民家群、アマンジャキ(海岸の崖下に石を積み上げて築いた通路)
お土産に
もちきび、島みそ、キビ味噌、マンゴー、ちんすこう、もちきびクッキー、らっきょうの甘酢漬、キュウリのピクルス漬、島にんじんの醤油漬、
う た
渡名喜村歌、渡名喜音頭、入砂節、渡名喜ジントー節
渡名喜島へのアクセス
船を利用する
那覇港(泊港)~(1時間45分)~渡名喜島~(1時間20分)~久米島・兼城港那覇港(泊港)までは【空路】、【フェリー】、【バス】
久米商船(公式HP、時刻表)
(島プロフ一覧)