どんな島
鳥羽市の島々の中ではもっとも人が多いのがこの答志島です。三重県・鳥羽港より12分~29分。集落も大きく分けて3つあり、答志、和具、桃取のそれぞれに港を有しています。港付近こそ建物が密集していますが、島は小高く、深い緑にも覆われ、リゾートとは違う様相。どちらかというと、大規模な庭園を思わせるような濃い緑、池のようにも思えるほど穏やかな青い海が印象的です。 歴史的にも古くから存在感を有しており、万葉集に詠まれたこともあれば、戦国の時代には九鬼水軍を率いた九鬼嘉隆が、関ヶ原の戦いの後に身を隠した島としても知られています。
島は年間を通じて食を楽しむグルメな観光客が集まります。特に鳥羽湾より水揚げされる貝類や、答志島名産のちりめんじゃこ、ワカメ類などは絶品で、食事だけのために島を訪れる人もいるほど。特に夏場は海水浴客も加わるため、なかなかに賑います。
見どころ
景色を楽しむ
答志白浜海水浴場
答志港から北へ徒歩10分程度。漁港を横目にトンネルを抜けて進むと、広々とした浜が広がります。住宅地からはやや離れている点、島内では和具サンシャインビーチに人が集まる点から、どちらかというと人気は少なめですが、そのぶん、静かでのんびりとした時間を過ごせます。広々としているため、開放的な気分になれてある意味ぜいたくかも?
岩屋山古墳
山頂約80mにある円墳で、横穴式石室がほぼ完全な形で残存。鳥羽市の文化財に指定されています。天井には大きな6枚岩があります。
美多羅志神社
五男三女の子授けの神として祀られる神社。妊娠中に夫婦でアワビのお供えをすると、目の綺麗な子供が生まれると言われています。海の神様である竜神様に祈祷するという、いかにも島っぽい神社でしたが、とある写真をきっかけに一躍有名になった神社でもあります。かねてより竜神様を祀っていた神社、その神社に育った椎の木をとある角度から見ると・・・。
潮音寺
関ヶ原の戦いで敗れてしまった武将・九鬼嘉隆が身を隠したと言われる寺です。関ヶ原の戦いでは、息子の九鬼守隆が東軍、自身は西軍につき、敵対しあう選択をしました。これはどちらが勝利しても九鬼家の名前を残すためだったそうです。織田信長や豊臣秀吉の下で活躍し、海賊大名の異名を持った嘉隆でしたが、結局、この関ヶ原の戦いでは敗れてしまい、答志島に逃げこみました。
首塚、胴塚
答志島に逃げ込んだ九鬼嘉隆は、九鬼家の行く末を案じた家臣・豊田五郎右衛門に促され、自害を選択しました。一方東軍について勝利した息子の守隆は、東軍の指揮官であった徳川家康に嘆願し、父である嘉隆の除名の許可を得ていましたが、一歩遅く、父は自害していたのです。嘉隆は豊田によって斬首され、首実検(打ち取った首を確認する)のため、家康の元へ送られました。のちにその事実を知った守隆は激怒し、自害を促した豊田を斬首。父の首と胴体をそれぞれ答志島の別の場所に葬ったと言います。それが首塚、胴塚です。
和具サンシャインビーチ
和具港の横にある、人工の浜。砂浜が美しく、暑い日は賑わいます。横の桟橋でぼーっと釣りをしてみるのも良いかも知れません。答志島温泉 鳥羽市の島では唯一の温泉で、地元の人にも親しまれています。ナトリウム・カルシウム・塩化物冷鉱泉で、婦人病や神経痛、関節痛に効くそうです。送迎バスもあるようです。※15:30~20:30、水曜木曜定休、和具港から徒歩5分。
答志島スカイライン
答志島を縦断する県道。答志地区から南西へ延び、和具地区を経て桃取地区まで続きます。晴れた日は空と海の青が映え、海に浮かぶ島々の美しい風景が一望できます。春には桜並木に姿を変えることも。観光に訪れた際は歩いてみるのも良いかと思われます。
桃取港
島の中では比較的ひと気の少ない桃取地区の港。釣り客に人気で大型の魚を狙うこともできます。夏場はクロダイ、アジ、メジナ、マゴチなど、冬場はカレイ、アイナメ、メバル、カサゴあたりが釣れるようです。
文化に親しむ
寝屋子
答志地区に受け継がれる、無形民俗文化財。これは島の15歳以上の男子が、同じ家の下に集まって共同生活を送る制度。家を貸して世話をする人は寝屋親という。男子らはこの生活を送ることで、義兄弟のような結束を育み、島というコミュニティの中での共同意識の一翼を担ってきた。現在では答志地区以外では見られなくなったものの、100年以上も前から続いている制度だそうです。
食を味わう
ロンク食堂
答志地区、港近くにある島民御用達の食堂。木造の渋い造りもなかなか味わい深いですが、何よりも島の食材をふんだんに使ったその料理が美味。海の幸を中心に、牡蠣や小女子の佃煮、アナゴの干物に、カツオの刺身など!島のぜいたく目白押し。島めぐりの際、わざわざ答志島に訪れてロンク食堂で食べて帰る・・・なんて人もいるほどだとか。鳥羽の島へ行くなら昼食はここで決まり?※ 営業日:通年(不定休)、提供時間:11:00~23:00、住所:鳥羽市答志町288、電話番号:0599-37-2167、ホームページ:なし
じゃころっけバーガー (場所:やま七)
島のB級グルメ。鳥羽市各地で企画されている「とばーがー」企画における、答志島の渾身の一品です。答志島産のちりめんじゃこを使った「ちりめんじゃコロッケ」。これは東海テレビの「ぴーかんテレビ」内における、『コロッケ選手権』のグランプリを受賞したこだわりのコロッケだったりするのです。そのコロッケをパン・・・ではなく、ライスバーガーにはさむという、なんともオカズなB級バーガー。答志地区の旅館・やま七で購入可能です。※ 営業日:―、提供時間:10:00~16:00、住所:鳥羽市答志町958、電話番号:0599-37-2034、ホームページ:http://www.yama7.net/burger.htm
島のいろいろ
【名 称】答志島(とうしじま)
【所在地】
三重県鳥羽市(地図)
【面 積】6.98㎢
【周 囲】
26.3km
遊 び
海の幸食べ歩き、海水浴、釣り、温泉、散策食べる伊勢エビ、アワビ、小女子、チリメン、黒のり、かき
郷土料理
じゃころっけバーガー、煮味噌、めひび汁、ニシ汁、アラメ巻、ナマス、ワカメしゃぶ、磯魚の刺身、ワカメ茎佃煮、いわし団子、磯もの、しらすの酢味噌変わりモノ寝屋子制度