【ロンドン五輪】 福島千里・・・100m走、史上初のファイナリストに向けて

いよいよ、ロンドンオリンピックの開催日が近づいてきましたね。夏季オリンピックとしては第30回目となる記念の大会です。各国の代表選手がどのような活躍を見せるのか、想像するだけでも楽しいですね!今大会で注目度の高い選手を紹介するこの企画。今回は日本代表として、女子短距離走100m、200mで五輪出場を決めた福島千里選手をクローズアップしてみたいと思います。

【福島千里】所属:北海道ハイテクAC

身長:165cm体重:52kg

生年月日:1988年6月27日(23歳)自己ベストタイム

100m、11秒21(2010年)200m、22秒89(2010年)

福島選手は、2012年6月9日に大阪市の長居陸上競技場で開催された第96回日本選手権大会の女子100mで優勝し、2大会連続の五輪出場を決めました。記録は11秒45と今大会では五輪参加標準記録Aに届きませんでしたが、この1年の間にこの記録を既にクリアしていた為、五輪出場が決定しました。

福島選手といえば、2008年北京オリンピックで陸上女子100mの代表としては、1952年ヘルシンキオリンピックの吉川綾子選手以来56年ぶりの出場を果たしたことが大きな話題になりました。結果は11秒74で1次予選敗退でしたが、日本陸上競技連盟が福島選手の潜在能力と将来性を高く評価していたことが伺えます。以来、日本の女子短距離走の世界では無敵と呼ばれるまでに成長した福島選手。彼女の強さの秘密はどこにあるのでしょうか。

アメンボ走法

強さの秘密はアメンボ走法と言われる独自のステップにあると言われています。アメンボ走法とは、まるでアメンボのように体の上下動が少なく、すいすいと前に進む走り方です。目線が上下にぶれず、前に進む推進力が格段に強いのです。福島選手いわく「みんなは上り坂をダダダッとダッシュ。それよりも下り坂をコロコロと転がる方が速い」という独特なコメントを残しています。

どんな意味なのか分かりにくいですね(笑)具体的には頭を動かさず、下り坂を下るようにスムーズに足を動かすということらしいです。これは彼女にしかできない独特の走法で、子供頃に実家の農家の近くの下り坂を走っていたからではないかと分析されています。

究極のトレーニング

常に進化をみせる福島選手の強さの秘密は、練習に対する貪欲さにあります。「レッドコード」というリハビリ器具を使って、逆さづりになりながら腹筋を強化するなど、ユニークなトレーニングを取り入れていることで知られています。

ストレッチが苦手なことが原因で、ふくらはぎを痛めてレースを棄権することがあった福島選手。そこで取り入れたのが「TPT-STARTER」という器具を使った新ストレッチ法。筋肉の痛みの原因となるポイントを円柱状の器具を転がしながら刺激し、体の筋膜を伸ばすことで運動機能を活性化させることができます。2011年6月末には追い風参考ながらも、11秒16の幻の日本新記録をマーク。そもそもはケガ防止を目的に取り入れた新ストレッチでしたが、結果的には記録を伸ばすことに繋がっています。

アホの子

インタビューが苦手だという福島選手。レース後のコメントでは「あー、うーんと、あのー、嬉しかったです・・・」とか、「ふーん、ふーん、えーと、今日は、うーんと、よくなかったと思います・・・」など、独特の言い回しや表現が話題となり、ネット上では『アホの子』という不名誉?なあだ名を付けられています。

あの可愛らしい笑顔があるから許される!と言われていますが、コメントの一つをとっても天才にしか分からない表現法だと言われており、走り方も含めて本人にしか理解できない神的な領域があるのではないかというのが大半の意見です。短距離走は努力が大切と言われますが、努力は誰でもしているもの。福島選手の真の強さは天性の素質であり才能ではないでしょうか。  

総括

ロンドンオリンピックでは、自己ベストの11秒21を上回ることが期待される福島千里選手。年齢的にもまだ若く、ロンドン後にも3大会は出場が狙えると言われています。いつかは夢の10秒台を叩き出して欲しいと願いながら、この大会でどこまでの成績が残せるのか、期待は膨らむばかりです!