元祖スターヒーロー!如来と菩薩の違い

スーパースター!如来と菩薩の違い

日本人にとって古くから観光スポットでもあるお寺。そこには必ずスターがいますね。そう。「仏像」です。

超有名どころは大仏さま、弥勒菩薩、「あみだくじ」の阿弥陀如来、「文殊の知恵」の文殊菩薩といったところでしょう。みんなが手を合わせに来るこの「如来」「菩薩」クラスともなるとそれはもう「スーパースター」と言っていいのですが、「如来と菩薩の違い」って知ってますか?(専門家の方から見ればいろいろ「違うぞ」という点があるかもしれませんが、あくまでも「簡単な見分け方」として、です。ご了承ください)

エリート度

◆如来
悟りを開いた超エリートで、いつも高いところから私たちを見守っています。お釈迦さまはもちろん如来(釈迦如来)です。ほかに阿弥陀如来、薬師如来、毘盧舎那仏、大日如来といったそうそうたるメンバーです。ちなみに鎌倉の大仏さまは阿弥陀如来、奈良の大仏さまは毘盧遮那仏です。

◆菩薩
「本当は悟りを開ける如来候補生」なのですが、あえて如来とはならずにわたしたちの身近にいてくれる、と言われています。お地蔵さんがいい例ですね。そう、お地蔵さんは菩薩の中では例外的に地味な出で立ち(後述)ですが、実は「地蔵菩薩」というエリート。雪の日には傘をかぶせてあげてください。また、観音さまも「観音菩薩」という菩薩です。ほかには弥勒菩薩、普賢菩薩。文殊菩薩、日光菩薩、月光菩薩など。

どちらも大スターぞろいですね。全員そろって映画でも撮ってほしいです。円谷プロで。

髪型

◆如来
基本的に飾りは着けません。よく「パンチパーマ」と言われるあの髪は「螺髪(らほつ)」と言って、決して「ロットの細いパーマ」ではなく、「長い毛を巻貝状にねじねじしたもの」です。頭のてっぺんが盛り上がっていますが、あれは髪型ではなく「頭自体が盛り上がっている」ものです。

◆菩薩
おしゃれです。髪を結ったり、飾りを身に着けていることが多いですね。如来の頭は髪を結わなくても頭のかたち自体が盛り上がっているので、菩薩にしてみれば「わたしもちょっと背伸びして『盛って』みようかな」みたいな感じでしょう。

地蔵菩薩だけは髪がなく、普通の僧侶の格好をしています。

ファッション・アクセ

◆如来
基本的には布一枚だけをまとったシンプルなスタイル。近くの漁師町で、夏になるとじいさんばあさんがよれよれの下着のようなもの1枚だけをまとっているのをたまに見かけます。あのひとたちも悟りを開いているからです。

また、薬師如来が「薬壷」を持っている以外、如来は手には何も持たず、「印」を結んでいます。

◆菩薩
すごくおしゃれなので、さまざまな飾りを身に着けたり、物を持っています。

観音菩薩の中には十一面観音や千手観音などのように顔や手をたくさん持つものがあります。これは「もっとおしゃれしたい!顔も手も足りない!」という願望がエスカレートしたものです(違います)。

共通点:ほくろじゃないのよ眉間は

「ありがたさ」の一つの象徴のようにも思える眉間の「ほくろ」のようなものは、実は「白い毛」です。如来と菩薩だけにあるこの「白毫(びゃくごう)」は右巻きに丸まった長い毛で、伸ばすと約4.5メートルもあるそうです!(へんなの!)

まとめ・・・とまあ、素人なりにまとめたのが以上です。修学旅行で訪れたお寺はすごく退屈なものに思えましたが、近ごろではこの程度の知識があるだけでかなりお寺巡りが楽しくなりました。何百年も私たちを見守ってきてくれた仏様はやっぱりいい顔してます。巨大なガンダムや精巧なフィギュアもいいですが、仏像のカッコよさ、美しさにも注目してみてください。