被災地と世界がつながることで見えて来る「復活」
「被災地の中高生をアメリカでのサマーキャンプに!」というニュースをご紹介しましたが、海外からの「トモダチ作戦」は、現在もさまざまなカタチで継続されています。 震災から1年を経て、大きな問題になっているのが、子供たちが学ぶ環境の問題。ちょうどいま現在、筆者の友人もイギリスの教育学研究者の現地調査に同行して、被災地の小学校や中学校、教育委員会などを回っています。4月21日~22日には「こども環境学会」の主催で、「復興再生 こどもの参画」をテーマにした大会が仙台で開催されます。
[ 参考ページ ] 「こども環境学会」仙台大会
被災地の子供たちが現在おかれている状況に海外から熱い視線が寄せられています。世界中に広がっているこども達に向けての「トモダチ作戦」その一部を紹介します。
山木屋太鼓 in ワシントンD.C.
12歳~20歳のメンバーを中心とする和太鼓チーム「山木屋太鼓」。全国大会で優勝するほどの腕前の和太鼓チームでしたが、福島県川俣町山木屋地区は、東京電力福島第一原発事故で計画的避難区域に指定され、自宅へ帰れない状況になってしまいます。そんな状況の中でも週に2回の練習を続けてきた山木屋太鼓が、この4月ワシントンD.C.の桜まつりに招待され、日米友好の桜の下で演奏を行いました。 この演奏ツアーを招待したのは、米交流を進めるNPO「米日カウンシル」による交流プログラム「TOMODACHI」。トモダチ作戦は、震災から1年を経た現在も続けられているのです。
山木屋太鼓 in ケネディセンター
ポトマック川の畔にある総合文化施設「ケネディセンター」での公演の様子は、「The John F. Kennedy Center」のホームページで動画が見られます。
迫力ある太鼓の演奏ももちろん圧巻ですが、演奏に先立って挨拶するワシントン日米協会会長ジョン・マロットさんのメッセージも胸を打つものがありますよ。
アメリカでのリーダー研修やホームステイなど多彩なプログラム
交流プログラム「TOMODACHI」には、日米カウンシルのほか、日本政府や日米の民間企業も協力しています。
ソフトバンクの協力で開催されるプログラムは、被災地の高校生300人カリフォルニア州立大学バークリー校に派遣し、リーダーシップと地域貢献について学ぶ3週間の研修です。日本コカ・コーラは60人の高校生が米国各地で3週間ホームステイするプログラムに協力しています。
その他、東京アメリカンセンターと慶応大学が主催したビジネスプラン競技会で受賞した、愛知学院大学の学生による東北地方に新たな仕事を生み出すビジネスプランの現実化も「TOMODACHI」は支援しています。
オーストラリアから日本への教育支援も
日本との関係が深いオーストラリアからも、被災した子供たちの教育に向けての支援が行われます。それが「豪州首相日本対象教育支援プログラム」。
東日本大震災で、学業や研究の継続に支障をきたした人たちや被災地域の学生でオーストラリアでの新たな学習研究を望む方々を対象に、オーストラリアでの学習・研究のための資金を提供する、返済義務のない給費奨学金です。
被災地の人たちには、辛く苦しい経験をしたがゆえに、強い心を育んでこられた方がたくさんいます。そんな若い人たちが、海外で多彩な経験を積み、グローバルな視野と「つながっていく力」を身につけて帰国することで、被災地は復活に向けて大きな力を得ることになるでしょう。
海外からのトモダチ作戦、日本国内でもトモダチ作戦について、引き続き情報を掲載していきます。