食育を目的として始めた、貸し農園による家庭菜園。
寒さが一段と増してきて、畑での作業がつらい時期になってきましたが、春以降の収穫に向けて準備します。
現在栽培しているタマネギ、ニンニクは「越冬性(えっとうせい)」と言われ、冬が始まる前にある程度のところまで成長させて、冬の寒さに野菜が耐えられる状態にすることが重要です。
タマネギは葉が細すぎると枯れてしまう可能性があります。逆に寒さに強いニンニクも葉や茎が小さいと冬に光合成しづらくなり、春の成長に使われる養分を溜めづらくなってしまいます。
いずれにしても12月中旬までにどの程度の大きさまで育ってくれるのか気になっています。
成長が止まる冬の時期は何もしないということではなく、肥料を施したり、夏と比べて頻度は減りますが、水やりも欠かせません。霜や雨によって土が乾きづらいこの時期は適度に行っていきます。
タマネギ、ニンニクは冬に見た目の変化はないものの、成長が止まることはありません。
一方で冬が本格化する前に植え付けて、12月~2月頃までは休眠状態に入り、気温が上がってきてから再び成長が始める野菜もあります。
“休眠”という言葉の通り、一時的に生育が止めて眠った状態。葉が徐々に枯れてしまうのですが、特に問題はないようです。
冬に休眠状態に入る野菜
今回、冬に休眠する野菜をいくつか育て始めました。
一つめはニラ。
ニラは一度植えてしまえば、収穫や株分けを繰り返すことで何度も栽培が可能。スペースさえあれば、どんどん大きくなる株を分けて別の場所に移植させて無限に広がっていくのですが、貸し農園の場合は限られた範囲で栽培していきたいと思います。
株分けは休眠状態のタイミングが望ましいとされていますが、植えたばかりですので株が大きくなるまではしばらく放置します。
そして2つめがイチゴです。
やり方次第ではイチゴ(果物のイメージですが分類的には野菜)も1つの株から増殖が可能。毎シーズン新しい苗をつくり続けることができます。
今回植えるのは「四季なり性」イチゴ。1年中ではないですが、春~初夏と秋にも収穫できるので比較的長い期間楽しめます。
一方、静岡ではおなじみの章姫(あきひめ)や紅ほっぺといった品種は「一季なり性」。こちらは春から初夏にかけて1年に1度収穫を楽しめるものです。
スーパーに売られている一季なり性のイチゴは甘くてほんのり酸味があって噛めばジューシーで香りも豊か。我が畑でもおいしいイチゴが育ってくれるといいのですが…。
一般的には一季なり性よりも味が劣るとは言われていますが、品種や育て方によっては決して劣らないということで期待しています。
選んだ品種は「よつぼし」。由来は“四つ星級の美味しさ”とのことで、端的に言えば、かたち、味、香りといった全体のバランスがいいイチゴ。
本来イチゴは毎年4月あたりから旬を迎えます。冬から春にかけて出回る甘くて大きなイチゴは保温が効いたビニールハウスだからこそできるもので、畑で育てる場合は春の開花に向けて養分を蓄えておく重要な時期だということがわかりました。
今後はイチゴの状態にあわせて、必要な手入れを行いたいと思います。