体験から学ぶ Part23 ~メンマ作りから始める竹林整備 その3~

竹林整備のイベントも今回で最後のレポートになります。

第1回でタケノコ掘り、第2回で竹の間伐と採れたてタケノコのご飯作りをやってきました。今回は、竹ひごを使った伝統工芸の体験講座です。この日のために、焼津から竹細工職人さんが足を運んでくれました。

こちらの職人さんはちょうど自分と同年代の方でしたが、別府竹細工で有名な大分県別府市で本格的に修行を積まれた経歴をお持ちの方でした。

今は地元に戻ってきて活動されているそうです。

竹ひご作り体験

竹にも色々な種類がありますが、今回の体験で使用した竹は「マダケ」という種類の竹です。マダケは、弾力と強度があり日本の竹細工に最も使われる竹だそうです。

一番上の写真は、今回の竹ひご作り体験で使うマダケを長男がちょうど良いサイズに切っているところになります。

上の写真は今回の体験で使用する竹ナイフで、左の写真は真横から見たところ、右の写真が、真上から見たところになります。

通常は竹細工用の金属製の鉈(なた)を使いますが、怪我がないようにと、竹細工職人さんが竹を加工して作ってくれました。これなら子供でも安心して使用できます。

こちらの竹を、竹ナイフで8本に切って(割って?)いきます。

良く見ると、あらかじめ職人さんが切りやすいように下側に切れ込みを入れた親切設計となっております。

こんな感じで切れ込みに刃を入れると、ほとんど力を入れなくても簡単に竹が真っ二つに割れます。かなりの爽快感です。

ただし、刃がまっすぐに入っていなかったり、力が偏ってしまうと、まっすぐに竹を割ることができません。コツとしては、刃の角度を微調整しながら慎重に丁寧にやることです。

勢いで適当に割ってしまってはいけません。割りばしで失敗するのと似ています。

こちらが8等分したところ。割り箸みたいに綺麗に割ることができました!
(ここから更に4等分しましたが、作業に集中しすぎて写真を撮り忘れました・・・)

と自画自賛していたら、職人さんが切った竹ひごが回ってきました。

「細っ!」

やはり職人さんの技術はすごいです!

竹は究極のエコ素材

日本文化はもともとは竹と密接な関係にありました。竹はとても柔軟性に優れ、どんなに細くしても折れにくく、ひと昔前は、ほうき、ざる、箸、傘、柄杓、炭、筆、定規、おもちゃ、日本の生活は当たり前のように竹で作られた物が根付いていました。

現代ではプラスチック製品が普及し、竹はほとんど使われなくなってしまいました。プラスチック製品が安く手軽に使えるようになった一方で、使い捨てが当たり前になりエコではありません。その点、竹は壊れて使えなくなったら土に還せるのでとても地球に優しいです。

少し昔に戻ってもう少し竹を素材として使うようにすれば、少し不便にはなるかもしれませんが、竹林整備もできて、減災にも繋がって、環境にも優しく、社会がうまく循環するように思います。