夏休み終盤のある日、ヨメさんから一通のメールが来ました。
「パパのいびきで子供もわたしも夜中に起きてしまいます。前は肩をポンポン叩いたり転がして姿勢を変えたりすれば止まったけど、いまは子供が真ん中で寝てるからそれができません。これ買って試してください」
ふだん大阪弁のヨメさんから標準語で来るメールほど怖いものはありません。背筋をピンと伸ばしてヨメさんが貼ったリンクを開き、すぐ注文しました。これです。
対いびき、敗北の歴史
わたしがいびき対策グッズを買ったのは今回が初めてではありません。鼻孔を広げるテープ、口を閉じるテープ、鼻輪のような小さなプラグ…いろいろ試しましたが、わたしにはまったく効きませんでした。
かれこれ10年近く使っているのが首のあたりが高くなっていて気道を確保する硬いまくら。これはある程度効果があるらしい(寝てるわたしには自覚がない)ですが、ヨメさん曰く「たくさんお酒を飲んだ日はダメ」だそうです。
最近だとシリコンの管を鼻からノドの奥まで通して気道を確保するというこれ
にも興味があるのですが、医療機器であるため購入には医師の指示書が必要。さらに使い捨てなので、わが家としてはコスト的に無理です。
問題はあんたの姿勢やで
以前ヨメさんが実践していたように、いびきを止める一つの方法は「ちょっとした刺激を与えること」。ヨメさんが提案しているこの機械は「いびきの音を検知すると、電気を流して適度な刺激を与える。それにより無意識のうちに姿勢を変えさせる」というものなのです。
で、で、電気??それに値段もそれほど高くないところが微妙、と思ってしまうのが勝手な消費者心理ですが、ヨメさんは「クチコミがそこそこイケてんねん」と乗り気です。待つこと数日。期待の星が到着しました。
さっそく電池を入れて、肌に触れる部分に電気を通すジェルシート(繰り返し使うことができます。予備4枚も同梱)を貼ってと。
よし、装着!
電気の強さは「7段階」。説明書に「最初は『7』でのご使用はおやめください」とあります。電気をいきなり最強パワーにしてマンガみたいにガイコツが透けるのも嫌なので、とりあえず真ん中よりちょっと弱めの「4」に目盛りを合わせます。
そして「TEST」ボタンを押してみると…
ビリビリビリビリ!!ちょっと突き刺すような痺れが来ます。うーん、「4」だとちょっと痛い…起きちゃう気がする。なので初日は「3」で寝てみることにしました。
おやすみなさい。
まさかの結果
そして翌朝…寝ている間に電気が走った記憶はありませんし、正直なところ期待はしていませんでした。それでも一応
「そういえばどうだった?いびき」
と聞いたところ
「ああ!効いてるわ!かき始めはいつもと同じで『ンゴゴゴオ!』ってなったけど、そのあといびきが小さくなって、あんまり続けへん」
なんとまさかの「効果あり」証言。え?効いてんのこれ!
押すよね~♪
その後も同じような状態が続きました。最近はもっぱら「目盛りは2」で、寝ているわたしには電気が流れている感覚がまったくありませんが「いびきが小さくなる・長く続かない」効果はあるようで、ヨメさんもけっこう満足しているみたいです。お酒をたくさん飲んだ日も大丈夫だそうです。
ただ、いつも「2」のはずの目盛りが寝ているうちに動いてしまっているのか、刺すような強い刺激に突然襲われて「イテテテテテテテテ!」と飛び起きることがたま~にあります。その時は瞬間的に「誰かに襲われてるミニ夢」を見ます。けっこう怖い。
さらに困ったのが、明け方に早起きした子供が「TEST」ボタンのカチカチする感触を面白がって何回も押すこと。この時、さきほど書いたように目盛りが上がってたりすると、軽く拷問です。
あの日に帰りたい
それでも、その後ヨメさんからいびきに関する苦情はありません。効き目や相性には個人差があると思いますし、他にもいろんなタイプのものが出ているようですが、いまのところわたしにはこれが合っているようなので、続けてみようと思います。
若い頃、酔っぱらって友達の家で雑魚寝ということがしょっちゅうありました。その時は自分のいびきで迷惑をかけているなんてこれっぽっちも思っていませんでしたが、きっとうるさかったんだろうなあ…。
あの時代にこのいびき防止機を持っていって、もう一度あのような飲み方をしてみたいです。そういうことじゃないですね(^_^;)。
※商品説明文の一番上「イビキ患者の喉の筋肉の収縮を促進し云々」と書いてあるものは、たぶん別の商品の説明文です。