2年前、私の母『トミちゃん(当時67歳)』がちょっと大変な目にあいました。
ある日『右目の下のあたりが白くなって、何だかおかしい』と感じた母は、念のため自宅近くの眼科を受診。
すると、医師からは「ものもらいでしょう」との診断がされました。
麦粒腫(ものもらい)
まぶたの一部が腫れて赤くなり、最初はかゆく、しだいに痛みが強くなります。悪化するとまぶたの腫れが強くなり、膿点が現れます。
数日しても症状が改善せず、むしろ白かったところが黒っぽくなって、パカパカ開いたりする感じになってきたそう。(母の説明だとあまりよく分からないのですが・・・。)
心配になった母が父に症状を伝えたところ、
「その状況はとてもまずいから、すぐに矢田眼科に行こう」
と母を施設の整った眼科に連れていきました。
父は今までに黄斑円孔(おうはんえんこう)や網膜剥離(もうまくはくり)などの目の病気を患って、何度も手術をしたエキスパート。
そのため、その見え方が大変危険な状況だと感じ、すぐに対応しなければいけないと、とても焦ったようです。
セカンドオピニオンの眼科では、
「網膜剥離です。すぐに手術が必要な状況です。」
と伝えられ、翌日緊急手術をしました。
網膜剥離とは、眼球の内側にある網膜という膜が剥がれて、視力が低下する病気です。
網膜とは、目の中に入ってきた光を刺激として受け取り、脳への視神経に伝達する組織で、カメラでいうとフィルムのはたらきをしています。
網膜の剥がれは痛みを伴わないため気付きにくいのですが、前兆として飛蚊症があらわれることがあります。また、網膜の中心部である黄斑部分まで剥がれた場合、急激に視力が低下し、失明に至る恐れもあります。
母は目の異変に気づいてから治療までに時間がかかったため、手術以外の選択肢はありませんでした。
手術は本当に大変で、眼内に特殊なガスを注入します。
そのガスの圧を利用して、はがれた網膜を元に戻すそうです。
手術後は、このガスが抜けるまでうつぶせになって生活します。(だいたい1か月ほどでしょうか。)
しかし、初期症状で治療した場合は、手術せずにレーザーで剥離をとめることも可能だったそうです。
目の異常に敏感になろう
網膜剥離の初期症状としては、下記図の4つがあるそうです。
母の意味不明な説明がどれにあたるのか分からないのですが、いつもと見え方が違うと感じたらすぐに病院に行くことが大切です。
網膜剥離は、目の外観から診察しただけでは判断することができません。
眼底鏡という機械を使い、瞳孔から光を入れて眼底検査を行います。
そのため、ある程度設備がそろっていないと今回の母のように異常が分からないようです。
目の異常を感じたら
幸い母は視力も0.7ほどまで回復し、元通りの見え方とまでは言えないまでも何とか失明することは回避できました。
しかし残念ながらベストな行動ができたというわけではありません。
もしいつもと違う見え方だと感じたら、下記行動をお勧めします。
1.眼底検査が可能で、手術をやっているような病院を受診
2.忙しくても、すぐに受診
3.最初の診断に納得できなければ、すぐにセカンドオピニオン
素早さがカギです。
もたもたしていると、どんどん剥離が進んでしまいます。
そして、年に1回くらい眼の検診をするといいかもしれません。