餅つき大会の反省会を通じて考えた地域の課題

先日、住んでいるマンション内で餅つき大会が開催されました。

他のお祭り同様に、毎年実施している大切なイベント。

その年の役員総出で、もち米をお釜で蒸す係、餅つき係、餅の味付け係など分担して数十人でわいわい取り組みます。

味は今年もきなこ、あんこ、大根おろしなど5種類を用意!

住民の皆さまへできたての餅を配りながら全ての作業が並行して行われる為、チームワークが大切で、餅の在庫を切らさないように、かつ在庫が偏りすぎないように作り続けるのは非常に大変でしたが、みんなで楽しく取り組めました(すんごい寒かったけど)。

また、餅つきはお餅をもらいにきた子供たちにも手伝ってもらいます。滅多にできることではありませんので、子供たちも嬉々として取り組みます。我が家の子供たちも何度もその列に並んでいました。

この臼と杵でお餅つきです。みんなで交代で行います。
釜とせいろでもち米を蒸します。
餅を返すテクニックが非常に重要とのことです。

餅つき大会の反省会にて

お餅つき大会の後、みんなでささやかな打ち上げを兼ねて反省会を開催しました。

そこでは準備の問題点や味付けの反省などいくつかの課題が挙げられたのですが、その他に下記のような意見がありました。

1.もち米の蒸し加減は経験がいるため、そこは特定の人に毎年やってもらっているがそろそろ跡継ぎが必要。

2.ただ、世代交代は行いつつも衛生上の問題を発生させないためには、ある程度経験のある人は毎度いた方がいい。(いてもらいたい)

聞くところによると、衛生上の観点から他のお祭よりも注意を払う必要があるため、この近所の町内会では餅つきのイベントを継続しているところが非常に少なくなってきているとのことです。

確かに、今回のイベントを振り返ってみると、前日から臼と杵を熱湯で殺菌したり、お釜やお米をむす時に使う布の消毒などを行うといった準備はやはりいくらマニュアルを残していても、経験者がいないとなんとなく不安だと思います。
(今回も結局毎年中心になってくれる方にかなり助けられました・・・)

跡継ぎ問題がなかなか進まない背景は?

この餅つきイベントの後継者問題ですが、自分は役員制度の根本的な改革が必要ではないかと思います。

基本的に私の住むマンションの役員は輪番制で、約10年に一度の周期でまわってきます。

任期は一年なのですが、いざやってみると結構大変なのです。イベント開催日の近くになると週末はかなり忙しくなります。おまけにみんな久しぶりの役員、もしくは初めてやります、といった人たちのみとなるため、かなり手探り状態になります。そのため、なにをやるにも時間がかかるのです。

なんとか1年の任期が終わると、そこで次の人に交代になるのですが、次の人もよくわからずスタートするためやっぱり苦労します。(引継ぎ書もありますが、実際にやってみないとイメージがわかないところが結構あるのです)

そのサイクルが続いていく中、「これではいけない」と立ち上がる人達が一定数いて、その人達は任期後も積極的にイベントに顔を出してみんなのフォローをするのですが、そういった人たちがその後マンション内のイベントの達人になっていきます。

そしてその達人たちはコミュニティで欠かせない存在になり、みんなから愛されるとてもありがたい存在になるのですが、その分負担も大きいのです。

その姿を見ていると、この人がいてくれて本当に良かった、と思うと同時に「このポジションになったら大変だぞ・・・とも思ってしまうのです。

なによりも「楽しいコミュニティづくり」が解決の鍵

よくよく考えてみると、「一度あのポジションまでいってしまったら最後、もう抜けられない」と警戒しなければいけない状況こそが問題なのではと感じます。

そうならないためには、特定の人が無理して頑張るのではなく常に何らかの形でみんなでイベントに関わっていく姿が必要なのではないでしょうか。

本来地域のイベントは楽しいもののはずです。「今年一年は役員だから我慢してがんばらないと」と考えている時点で楽しめていないのです。

誰もやらないから自分が、ということではなく、みんなが前のめりになってイベントに参加して、「早く来年のお祭り来ないかな」と思える環境づくりができたら最高だと思います。

それには、日ごろから隣近所とコミュニケーションをとりあいながら、そこでの生活自体をオープンに楽しむことが重要だと思います。

それがやがて「みんなが自発的に参加する街づくり」につながっていき、活気あふれるコミュニティになっていくとも思うのです。

そんなことを考えた餅つきイベントでした。