【復興支援ツアー2017レポート】アクティブ復興ツアー by orangeoor18

元はデパートとして使われていたピンクの建物が印象的な石巻市役所

松島の大観荘を出発。2日目は語り部ガイドの方と一緒に石巻の市内を歩く予定でしたが、あいにくの天気。。。

ガイドさんからは広範囲にまちを見て回れるとのことで、移動手段を車に切り替えて市内散策へと出発しました。

まずは沿岸部へ向かいました。

津波の影響により構内が一時は壊滅状態になりながらも、震災のわずか半年後に稼働された日本製紙石巻工場。遠くから見るとわかりづらいのですが、近くまで行くと金属部分の所々にある錆びから、津波の爪痕を感じられました。

日和大橋を通り、次は石巻魚市場へ。2年前に改築が完了したこの施設の全長は876mもあり、今まで見たことのないほどの長さに驚きました。海に面してきれいに一直線に続く外観は大迫力です。

施設内も見学させていただき、建物の構造にも驚きがありました。災害時に対応している太陽光発電設備、長さ約12mの機器が設置された放射能汚染検査システム、水揚げが行われる棟の鳥やほこりをシャットアウトできる閉鎖型の仕組みなど最新の技術を採り入れた設備。漁港というよりは何かの研究所のような施設でした。

2013年に撮影した旧北上川

もともと歩く予定のコースに含まれていた門脇地区を一周し、日和山へ向かいました。日和山頂上から石巻のまちを一望できます。海と日和山を挟むこの地区には今後大規模な祈念公園がつくられる予定のため、その敷地外に災害公営住宅がいくつか建てられています。収入にあわせて1~10万円ほどで住むことでき、建物の設備や防災対策は申し分ないのですが、ガイドさんのお話によると現時点でも満室に達していないケースがあるとのこと。仮設住宅に居心地の良さを感じて入居を希望しない方がいたり、これまで住んでいた家の被災具合などの居住条件があることが主な理由なのだそうです。

前回訪れたときには海側の階段を使いましたが、今回はあの日に門脇小学校の生徒などが日和山へ避難してくる際に使った坂道を下ってみました。この山を登るためにはいくつかルートがあるのですが、歩いて登るには大人でもたいへんな場所もあり、また雨や雪などで地面が湿っているとすべりやすく危険だと思いました。

日和山を下ったあとは石巻駅周辺を散策しました。新築の家やビルもあれば、被災していても補助金の対象にならず一部がそのままになっていたり、古くから残っている建物もありました。

いしのまき元気市場、情報交流館を訪問した後、石巻ニューゼにも行かせていただきました。館内は1階が震災後に手書きで情報を発信し続けた壁新聞などが展示された博物館、2階はバーになっています。

館内の方とお話をさせていただき、震災のこと、展示品のことを説明してくれました。最後に言われていた「苦しいこともたくさんあったけど、命さえあれば・・・こうやってまた笑顔で仕事をできる」という言葉に重みがあり、あらためて防災について考えることができました。

また、地元のサッカーチーム・コバルトーレ女川ファンの交流の場にもなっている当館。訪れた数日後にチームは決勝ラウンドを制し、見事JFL昇格を果たしました。まちの希望として来年は旋風も巻き起こせるよう応援しています!

隣町の女川へ移動し、駅前のシーパルピア女川ハマテラスにあるGOZAINNさんで少し遅めのランチ。大ぶりのカキは食べ応えがありました。

女川駅に併設されている入浴施設、ゆぽっぽにもお邪魔しました。奥は電車の券売機があり、そのまま改札へと繋がっています。
アクセス抜群で、多くに地元の方に愛されている当施設。お風呂の温度は少し熱めで自分好みでした。

そしてこの日の最後に訪れたのが大川小学校。
同行していた妻は教育関係の仕事をしており、訪れてからはこの小学校で起きたこと、自分たちがこれからしていくべきことについて話す機会が増えました。

悲しさ、苦しさと同時に複雑な気持ちにもなりました。あの日、子供たちはどんなことを考えていたのか?もし先生の立場だったら自分は何をしただろうか?
考えれば考えるほど、わからなくなってしまいますが、一番大事なのはこの悲劇を繰り返してはいけないということだと思います。

この光景を心に刻み、自分ができることをしていこうと思いました。

3日目(気仙沼)

3日目は気仙沼からスタートです。サンマリン気仙沼観洋で宿泊をし、震災当時の様子をスタッフの方から伺うことができました。

ホテル自体は高台にあるのですが通常送迎バスは海のすぐ傍の駐車場に停められています。地震発生後、高台に上げたことで津波から免れました。

立地上、ここは一時避難場所として使われたそうです。当時は数組のお客様がいて、揺れが少し落ち着いた後、その方たちと一緒にスタッフも指定避難所の市民会館へ移動したのですが、館内には入りきらず廊下で寝ることに。
「配られたたった2枚の新聞紙でも寒さが和らいだことを良く覚えている。」とおっしゃっていました。

宿からは気仙沼漁港が近く、予定通り朝から見学ができました。
活気のある朝市のせり、迫力満点な水揚げの様子が印象的でした。

併設されている海の市では一通り1階のお店を見た後、2階に上がると建設中の気仙沼大島大橋のジオラマを発見。昼食までは少し時間があったので、実際に見てみようと足を運びました。

橋へ行くには現時点だと海沿いの細い道を使うのですが、今後は整備された道路が完成し、大島へのアクセスが便利になります。

橋の長さが228m、最大高さが約30m。現在は通行できませんが、きれいなアーチを見れただけでも満足です。気仙沼と大島をつなぐこの橋は人々の交流機会を増やし、復興のシンボルとして期待されています。2019年に開通されるそうです。