【決勝戦】甲子園の切符を手にしたのは常葉菊川!~第98回全国高等学校野球選手権静岡大会

優勝常葉菊川!3年ぶり5度目の甲子園出場!!

袋井   000 000 000 | 0
常葉菊川 402 200 32X | 12 
本塁打: 栗原(菊)

栗原健、2試合連続の高校通算48号!

常葉菊川1回裏の攻撃。1番の栗原健くんはプロも注目する逸材。袋井の稲垣くんが投げた初球をライトスタンドに放り込みました!

2試合連続、今大会3本目のホームランは高校通算48本目でした。袋井のピッチャー稲垣くんは80キロ台のスローカーブを武器に今大会あらゆる強豪校の打者を抑えてきました。このスローカーブを初球に投げたのは、常葉菊川の強力打線の核である栗原くんと菊川打線に「こんなすごいスローカーブがあるんだ」というのを見せつけるつもりだったと思います。投げたボールはかなり落差があるスローカーブでした。

しかし、栗原くん。このボールを引きつけ、さらに引きつけ、そしてフルスイング。『こんなすごいスローカーブがあるんだぜ』から、『菊川にはこんなすごいバッターがいるんだぜ』にかわった瞬間でした。

それにしても常葉菊川の打撃は強烈でした。7戦で73点!しかも8本塁打!打線はまちがいなく静岡県No.1の破壊力でした。

袋井高校が今大会をおもしろくした

一方の袋井高校もここまでよく戦いました。袋井の選手はここまで一度も『甲子園』を口にすることがなかったと言います。これはとても珍しいことです。高校野球において高い目標を掲げることはとても大事なことです。強豪校でありながら甲子園の経験がないチームは『甲子園出場』を目標にします。甲子園出場経験がある常連校はさらに上の目標の『甲子園優勝』を目標に掲げたりします。目標を高くおいて、ようやく手に入れることができるのが『甲子園』なのです。

今年の袋井高校の快進撃で、自分たちも頑張ればチャンスがあるんじゃないかと思ったチームや高校球児もたくさんいるのではないでしょうか。

常葉菊川打撃成績

7試合の成績は212打数87安打16犠打19盗塁3失策8本塁打、チーム打率は.410です。ここ数年、甲子園に出場したチームの地区大会の数字と比べてみても、この常葉菊川の数字はかなりのレベルです。チーム打率の.410はベスト3に入るくらい、7試合で8本の本塁打は1試合あたりの本塁打としては全国トップかもしれません。

甲子園までの軌跡

[1回戦]  10-0 磐田北 ※6回コールド
[2回戦]   8-4 掛川工
[3回戦]  12-2 浜松修学舎 ※5回コールド
[4回戦]  14-0 浜松西 ※5回コールド
[準々決勝] 5-2 東海大静岡翔洋
[準決勝] 12-0 常葉橘
[決勝]  12-0 袋井

大会が終わって

結果だけみれば、常葉菊川の圧勝という形で終わった静岡県大会でしたが、今年の大会は昨年の静高のような『絶対王者』の存在はなく、どこのチームにも甲子園のチャンスがあった大会だったことはまちがいありません。

優勝した常葉菊川は昨年秋に新チームができてから何度か試合をみました。秋にみたときは正直なところここまで強くなるとは思いませんでした。そう思った理由は野球の実力ではなく、試合前、試合中、試合後のちょっとした態度がそう感じさせました。常葉菊川は好きなチームですが、当時の選手たちの態度をみているととても応援したいという気持ちにはなれませんでした。

しかし、この決勝戦は見ちがえるようでした。選手たちの野球に取り組む気持ちが以前とは大きく変わった気がしました。とくに今大会大活躍だった栗原健くん。優勝して校歌を歌い終わったあと、他の選手が一目散にアルプススタンドの応援席に走っていこうとする中、ひとり審判に深々と頭を下げていたのは印象的でした。

今の常葉菊川は本気で応援したくなるチームです。甲子園でも優勝目指して頑張ってほしいですね。

■高校野球
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