熊本地震の被災地は湧き水が豊富な地域なのだから、給水車を頼らなくても大丈夫なのではないか、という乱暴な話を聞くことがある。井戸があっても水が枯れたり、濁ったりで使えない状況が少なくないという。有名な水前寺成趣園(水前寺公園)の池の水まで枯れるほどだから、熊本地震の被災地では水の問題は深刻だ。
[熊本大地震]周辺地域からの水支援
九州自動車道を福岡方面から熊本へ向かい、通行止め直前のICである植木ICから先は国道が大渋滞しているという情報だったので、ひとつ手前の菊水ICで高速を下りた。下りてすぐのところにある道の駅「菊水ロマン館」の入口には、こんな情報が貼り出されていた。
段ボール箱にポリ袋を入れ、その中に水をため、水がたまったら袋をしばって箱の蓋を閉じる。ポリ袋に入れただけだと運びにくいが、箱に入った形になると持ち運びやすくなる。ただし、あまり大きな箱だと相当重たくなるので要注意。
道の駅菊水ロマン館には給水場も設けられていた。
パネルに貼り出されたやり方で水を取りに来ている人もいた。
熊本市などでは自衛隊の給水車のほか、民間の給水車も出て各地で水の供給を行っている。給水所の数は徐々に減少しているが、市内の広い範囲で水道が復旧したとされる熊本市でさえ、4月27日(水曜日)時点で熊本市の緊急給水所は33カ所ある。
水道の配管が損傷しているため、水圧が低かったり、マンションなど高層の建物への水の供給ができなかったり、あるいは水に濁りが混入した状態が続いたりしているからだという。
電気の復旧が早かったこともあって、一部の避難所ではウォーターサーバーが設置されているところもある。しかし避難している人のすべてが安全な水の供給を受けているわけではない。たとえ緊急性は低くなってきたとしても、水は命を支えるものだから軽視することはできない。
道の駅「菊水ロマン館」の給水場
道の駅「菊水ロマン館」は九州道菊水インター下車2km、江田船山古墳のすぐ近く