2016年4月14日 今日の東電プレスリリース

4月14日(木曜日)に公開された「福島第一原子力発電所の状況について(日報)」。前日からの変化や変更点から、事故原発がおかれている状況を考えます。

「日報」に登場する主な施設(Google Mapに加筆)

※ 情報を追加して更新します

セシウム吸着装置関連施設で原因不明の汚染水漏洩の続報:水溜まりは建屋外部から浸入した雨水等が原因と発表

※4月12日午後5時30分頃、焼却工作建屋1階の床面に、約10m×10m×1cm程度の水溜まりがあることを、当社社員が発見した。建屋内全体が堰構造となっており、溜まり水は、建屋外へ流出せず建屋内に留まっており、流入がないことを確認している。
当該の溜まり水の分析結果は以下のとおり。
 全ベータ :800Bq/L
 セシウム134 :120Bq/L
 セシウム137 :540Bq/L
水溜まりを確認したエリアにはセシウム吸着装置で処理した水を移送している配管を敷設しているが、当該処理装置の処理水と溜まり水の放射能濃度の比率から、当該配管の水ではないと判断。
なお、至近のセシウム吸着装置の出口水の分析結果は以下のとおり。
(4月3日採取)
 ストロンチウム90:7,200Bq/L
 セシウム134  :検出限界未満(検出限界値:110Bq/L)
 セシウム137  :230Bq/L
(既出)

水溜まりの原因を調査するため、セシウム吸着装置で処理された水を送水している配管が格納されている鋼製トラフを開放し、配管からの漏えいの有無を調査したところ、配管からの漏えいがないことを確認。また、焼却工作建屋の床をサーベイした結果、表面汚染密度が10^1~10^2Bq/cm2であることを確認。
以上のことから、水溜まりが発生した原因は、雨水等が建屋外部から浸入したものと推定。

引用元:福島第一原子力発電所の状況について(日報)|福島原子力事故に関する更新|東京電力ホールディングス株式会社 2016年4月14日

降り込んだ雨が、そのまま汚染水になるという厳しい環境ということ。改めて雨水による水溜りの汚染度を記しておく。

全ベータ :800Bq/L
セシウム134 :120Bq/L
セシウム137 :540Bq/L

これが雨水なのだというのである。

1~6号機

◎日報に新規事項の記載なし

◆1号機
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
・1号機ディーゼル発電機(B)室、1号機所内ボイラー室の滞留水を1号機タービン建屋地下へ断続的に移送実施中
・1号機原子炉建屋地下から集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ高濃度滞留水を移送中

◆2号機
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
・増設廃棄物地下貯蔵設備建屋の廃樹脂貯蔵タンクエリア、廃スラッジ貯蔵タンクエリアの滞留水を、2号機廃棄物処理建屋へ断続的に移送実施中
・2号機タービン建屋地下から集中廃棄物処理施設へ高濃度滞留水を断続的に移送実施中

◆3号機
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
・増設廃棄物地下貯蔵設備建屋の廃樹脂貯蔵タンクエリア、廃スラッジ貯蔵タンクエリアの滞留水を、3号機廃棄物処理建屋へ断続的に移送実施中
・FSTR建屋から3号機廃棄物処理建屋の滞留水移送については断続的に移送実施中
・3号機タービン建屋地下から集中廃棄物処理施設へ高濃度滞留水を断続的に移送実施中

◆4号機
・原子炉内に燃料なし
・2014年12月22日、使用済燃料プールに保管されていた全ての燃料の移動作業が終了

◆5号機
・冷温停止中(燃料は全て使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中

◆6号機
・冷温停止中(燃料は全て使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
・6号機使用済燃料プール冷却系の除熱系統である6号機補機冷却海水系について、ストレーナ他点検のため、4月11日午前10時31分に、6号機使用済燃料プール冷却系を停止し、午前10時49分に残留熱除去系(A)系の非常時熱負荷モードを起動し、使用済燃料プール冷却を開始。6号機補機冷却海水系については、午前11時22分に停止。(停止予定期間4月11日から4月22日)
なお、切り替え前のプール水温度は21.8℃、切り替え後のプール水温度は22.0℃であり、運転上の制限値(65℃)以下となっている。

共用プール・水処理設備および貯蔵設備

◎日報に新規事項の記載なし

◆共用プール
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
・共用プール低電導度廃液受タンク水について、同タンクから集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ適宜移送を実施

◆水処理設備および貯蔵設備の状況
・セシウム吸着装置運転中
・第二セシウム吸着装置(サリー)運転中
・RO淡水化装置運転中
・多核種除去設備(ALPS)停止中
・増設多核種除去設備停止中
・高性能多核種除去設備停止中
・モバイル型ストロンチウム除去装置停止中
・第二モバイル型ストロンチウム除去装置停止中

サブドレン・地下水ドレン 一時貯水タンクBから海洋排水を実施。排出量は729トン

※サブドレン他水処理施設について、一時貯水タンクBの分析結果[採取日4月6日]について、運用目標値を満足していることを確認。4月13日午前9時54分より港湾内への排水を開始。なお、排水状況については、同日午前10時4分に漏えい等の異常がないことを確認。(既出)

その後、午後2時56分に排水を停止。排水停止状態に異常がないことを確認。排水量は729m3。

引用元:福島第一原子力発電所の状況について(日報)|福島原子力事故に関する更新|東京電力ホールディングス株式会社 2016年4月14日

サブドレン・地下水ドレン 一時貯水タンクCから海洋排水を開始

※サブドレン他水処理施設について、一時貯水タンクCの分析結果[採取日4月7日]について、運用目標値を満足していることを確認。(既出)

4月14日午前10時6分より港湾内への排水を開始。なお、排水状況については、同日午前10時15分に漏えい等の異常がないことを確認。

引用元:福島第一原子力発電所の状況について(日報)|福島原子力事故に関する更新|東京電力ホールディングス株式会社 2016年4月14日

サブドレン・地下水ドレン 一時貯水タンクDからの排水準備が進む

※サブドレン他水処理施設について、一時貯水タンクDの分析結果[採取日4月9日]について、運用目標値を満足していることを確認。

引用元:福島第一原子力発電所の状況について(日報)|福島原子力事故に関する更新|東京電力ホールディングス株式会社 2016年4月14日

※ 一時貯水タンクは浄化後のサブドレン・地下水ドレン水を海洋排出前に一時貯水するもので「サンプルタンク」とも呼ばれる。

サブドレン・地下水ドレン 集水タンクの分析結果(4月7日採取分)

※ 集水タンクはサブドレン・地下水ドレンから汲み上げた水を浄化施設に送る前に貯えておくタンクのこと。

○サブドレン・地下水ドレン集水タンク<トリチウム>
4月07日採取分: 820Bq/L
4月05日採取分: 960Bq/L
4月04日採取分: 880Bq/L
4月03日採取分:1,000Bq/L
4月02日採取分:11,00Bq/L
4月01日採取分:1,100Bq/L
3月30日採取分:1,000Bq/L
3月29日採取分: 920Bq/L
※東京電力の運用目標は「1,500Bq/L」

地下水バイパス

◎日報に新規事項の記載なし

H4,H6エリアタンク周辺観測孔(周辺排水路含む)の状況、タンクパトロール結果

◆最新のパトロール

4月13日のタンクエリアパトロールや汚染水タンク水位計による常時監視において、漏えい等の異常がないことを確認。

引用元:福島第一原子力発電所の状況について(日報)|福島原子力事故に関する更新|東京電力ホールディングス株式会社 2016年4月14日

◆H4エリア

◎日報に新規事項の記載なし

○H4エリア周辺地下水E-1<全ベータ>
4月12日採取分:11,000Bq/L
4月11日採取分: 8,700Bq/L
4月10日採取分: 6,700Bq/L
4月09日採取分: 7,700Bq/L
4月08日採取分: 6,200Bq/L
4月07日採取分: 7,400Bq/L
4月06日採取分: 6,000Bq/L
4月05日採取分: 6,900Bq/L
4月04日採取分: 8,900Bq/L
4月03日採取分: 8,100Bq/L
4月02日採取分:11,000Bq/L
4月01日採取分:12,000Bq/L
3月31日採取分: 8,900Bq/L
3月30日採取分:14,000Bq/L
これまでの最高値:710,000Bq/L(2013.11.10)