住宅地は高台へ。商業ゾーンは平坦地【宮古市田老】

田老は海の町。家々は防浪堤に守られるように海辺の平地に立ち並んでいた。しかし現在建設が進む新しい町は、山林を切り開いた山の中。

杉の木立の向こうに見える宅地が田老の新しい町になるというは、ちょっと意外な感じがしないでもない。でもそれは、津波によって繰り返し大きな被害を受けてきた街だから致し方ないことなのかもしれない。

国道45号線を北から南に向けて走って行くと、田老の町並みが見渡せるビュースポットがある。

そして同じ場所にはこんな看板が。

だから新しい町は、かつての町からはかなり高い場所につくられる。

新しい町の真ん中には、こんな大階段も。

離れた場所から見るとこんな感じだ。この大階段が新しい町のひとつのシンボルになることは間違いないだろう。

新しい町から田老の海の方を見ると、震災遺構として残されることになった「たろう観光ホテル」を見下ろす感じになる。

町の人が語ってくれた言葉を思い出す。「自分たちには油断があったことは否定できないと思う。防浪堤がある。防災の町として万全の備えをしてきたという思いもあった」

新しい町に暮らす人たちは朝に夕に、震災遺構を「戒め」として見ることになるのだろうか。

(内容を追加して更新します)