2016年2月17日 今日の東電プレスリリース

2月17日(水曜日)に公開された「福島第一原子力発電所の状況について(日報)」。前日からの変化や変更点から、事故原発がおかれている状況を考えます。

「日報」に登場する主な施設(Google Mapに加筆)

※ 情報を追加して更新します

1号機 使用済燃料プールの冷却を再開。冷却系の弁点検作業を終了

・1号機使用済燃料プール(以下、「SFP」という。)代替冷却系については、当該系統の弁点検のため、2月5日午後2時37分停止(2月17日午後6時までの約292時間停止予定)。冷却停止時のSFP水温度は、11.1℃であり、冷却停止時間におけるSFP水温度上昇率は0.055℃/hで、停止中のSFP水温度上昇は最大で約16.1℃と評価されることから、運転上の制限値60℃に対して余裕があり、SFP水温度の管理上問題ない。(既出)

同作業が終了したことから、2月16日午後2時49分にSFP代替冷却系を起動。午後3時2分運転状態に異常なしを確認。午後3時55分のSFP水温度は18.5℃(停止時11.1℃)、運転上の制限値(60℃)に対して余裕があり、SFP水温度の管理上問題ない。

引用元:福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成28年2月17日

※ 使用済み燃料プール冷却が停止していたのは11日間で、その間の水温上昇は7.4℃だったことになる。

その他の項目に新規事項の記載なし

・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム停止中
・使用済燃料プール循環冷却系停止中
・1号機ディーゼル発電機(B)室、1号機所内ボイラー室の滞留水を1号機タービン建屋地下へ断続的に移送実施中

2~6号機

◎日報に新規事項の記載なし

◆2号機
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
・増設廃棄物地下貯蔵設備建屋の廃樹脂貯蔵タンクエリア、廃スラッジ貯蔵タンクエリアの滞留水を、2号機廃棄物処理建屋へ断続的に移送実施中
・2号機タービン建屋地下から集中廃棄物処理施設へ高濃度滞留水を断続的に移送実施中

◆3号機
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
・増設廃棄物地下貯蔵設備建屋の廃樹脂貯蔵タンクエリア、廃スラッジ貯蔵タンクエリアの滞留水を、3号機廃棄物処理建屋へ断続的に移送実施中
・FSTR建屋から3号機廃棄物処理建屋の滞留水移送については断続的に移送実施中
・3号機タービン建屋地下から集中廃棄物処理施設へ高濃度滞留水を断続的に移送実施中

◆4号機
・原子炉内に燃料なし
・2014年12月22日、使用済燃料プールに保管されていた全ての燃料の移動作業が終了

◆5号機
・冷温停止中(燃料は全て使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中

◆6号機
・冷温停止中(燃料は全て使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中

共用プール

◎日報に新規事項の記載なし

・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
・共用プール低電導度廃液受タンク水について、同タンクから集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ適宜移送を実施。

水処理設備および貯蔵設備の状況 セシウム吸着装置・第二セシウム吸着装置を「運転」

・セシウム吸着装置運転中
・第二セシウム吸着装置(サリー)運転中

引用元:福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成28年2月17日

その他の項目に新規事項の記載なし

・RO淡水化装置運転中
・多核種除去設備(ALPS)運転中
・増設多核種除去設備停止中
・高性能多核種除去設備ホット試験中
・モバイル型ストロンチウム除去装置停止中
・第二モバイル型ストロンチウム除去装置停止中

サブドレン・地下水ドレン 一時貯水タンクFから海洋排水を開始

※サブドレン他水処理施設について、一時貯水タンクFの分析結果[採取日2月9日]については、運用目標値を満足していることを確認。(既出)

2月17日午前9時58分より海洋への排水を開始。なお、排水状況については、午前10時7分に漏えい等の異常がないことを確認。

引用元:福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成28年2月17日

サブドレン・地下水ドレン 一時貯水タンクGからの排水準備が進む

※サブドレン他水処理施設について、一時貯水タンクGの分析結果[採取日2月10日]については、運用目標値を満足していることを確認。

引用元:福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成28年2月17日

※ 一時貯水タンクは浄化後のサブドレン・地下水ドレン水を海洋排出前に一時貯水するもので「サンプルタンク」とも呼ばれる。

サブドレン・地下水ドレン 集水タンクの分析結果(2月7日採取分)

※ 集水タンクはサブドレン・地下水ドレンから汲み上げた水を浄化施設に送る前に貯えておくタンクのこと。

地下水バイパス 通算103回目の海洋排水を終了。排出量は1,445トン

※ 地下水バイパス一時貯留タンクグループ1の分析結果[採取日2月3日]については、運用目標値を満足していることを確認。2月16日午前10時10分より海洋への排水を開始。なお、排水状況については、午前10時39分に漏えい等の異常がないことを確認。(既出)

その後、午後4時2分に排水を停止。排水停止状態に異常がないことを確認。排水量は1,445m3。

引用元:福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成28年2月17日

地下水バイパス 揚水井の分析結果(2月11日サンプル採取)揚水井No.10のトリチウム濃度は第三者機関の分析で3,100ベクレル

地下水バイパス 揚水井の分析結果(2月15日サンプル採取)揚水井No.10のトリチウム濃度は依然として高いレベル

H4,H6エリアタンク周辺観測孔(周辺排水路含む)の状況、タンクパトロール結果

◆最新のパトロール

2月16日のタンクエリアパトロールや汚染水タンク水位計による常時監視において、漏えい等の異常がないことを確認。

引用元:福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成28年2月17日

南放水口・排水路 原発構内の高台、タンクエリアへ排水路が流入する「B排水路ふれあい交差点近傍」で16日採取したサンプルの測定値が上昇