アルゼンチンの首都・ブエノスアイレスは南米屈指の巨大都市であると同時に文化、芸術の街でもあります。街には世界三大劇場のひとつ、コロン劇場やヨーロッパを思わせるレトロな建物も残り「南米のパリ」とも称されています。
そのブエノスアイレスに世界最大のイグアスの滝を見た後、再び戻ってきました。
スペイン語でブエノスは「良い」、アイレスは「空気」を意味しています。一説によると船乗りが望む「順風」に由来するとも言われていますが、私にとっては、「良い」という単語を「自由」という意味に解釈した方がしっくりときます。
この南米のパリには、どこか自由な雰囲気が漂っていた思い出があるのです。何がそのように思わせたのか、はっきりとはわかりません。しかし、今思い返すと路上で見かけた大道芸人のパフォーマンスや若い男女のペアがタンゴを踊っていたことなどがそう感じさせていたのではないかと思うのです。
そんな自由な空気が漂う街には、イグアスの滝に行く前と後に数日滞在し、忘れられない思い出が残っています。
まずは食事です。巨大都市ブエノスアイレスには他の南米の街と比べると多くのレストランがあります。宿泊していた宿の近くにも食べ放題の韓国料理屋があるというので、同じ宿に泊まっていた旅行者数人と一緒に食べに行ったのです。
知り合ってから1、2日ほどしか経っていなかったのですが、みな人見知りをしないオープンな性格で、まるで数年前からの友人のようです。気兼ねすることなく旅行の話をしながら美味しいお肉やキムチなど、いろんな品をこれでもかというほど食べたのです。まさに至福のひとときでした。
なかでも忘れらないのが生牡蠣です。それまで、幼い頃の記憶から牡蠣に苦手意識を持っていたのですが、このときに食べたものはそのような先入観をとっぱらってくれました。
また、アルゼンチンといえばお肉とワインもはずせません。いったい何がそうさせるのか不明なものの、アルゼンチンの牛肉は不思議なくらいに美味しいのです。近所のスーパーで肉を買ってくると、宿に備え付けられているキッチンで焼いてよく食べていました。ワインも手頃な値段で飲みやすく、ついついグラスが空いてしまいます。
ブエノスは食事だけではなくタンゴも印象的でした。訪れて初めて知ったのですが、実はブエノスアイレスはタンゴ発祥の地とされているのです。街にはタンゴを見せるお店が集まった地区があり、同じ宿に泊まっていた旅行者と一緒に見に行きました。ショーは食事をしながら鑑賞します。小さな店だったために踊り手との距離がとても近く、情熱的なアルゼンチンタンゴの熱気が伝わってきました。
そのほかにも「海外で初めての散髪をした」などの思い出が残るブエノスアイレスですが、約5ヶ月間旅行した南米大陸における最後の地でもありました。
この街から次の大陸・アフリカへと飛ぶことにしたのです。現地の旅行代理店で南アフリカのケープタウン行きの格安チケットを取ると、様々な思い出が残る南米を後にしたのでした。
<「【世界一周の旅・アフリカ編 Vol.18】アフリカ大陸上陸!そして、喜望峰へ☆」 に続く>