1月28日(木曜日)に公開された「福島第一原子力発電所の状況について(日報)」。前日からの変化や変更点から、事故原発がおかれている状況を考えます。
※ 情報を追加して更新します
1月18日に発生した「協力企業作業員が左手薬指を挟み負傷・緊急搬送」の続報。診断は左環指不全切断
※1月18日午前11時30分頃、福島第一原子力発電所構内の2号機建屋西側付近で、協力企業作業員が土嚢運搬作業を行っていたところ、土嚢とガードレールの間に左手薬指を挟み負傷。その後、入退域管理棟救急医療室にて医師の診察を受けたところ、緊急搬送の必要があると診断されたことから、同日午後0時34分に救急車を要請。(既出)
その後、搬送先の病院で診察を受けた結果、「左環指不全切断」(3ヶ月間の通院加療を要す見込み)と診断された。
※ 左環指不全切断とは左手薬指がほぼ切断されたものの、皮膚などで辛うじてつながっている状態。顕微鏡下の手術で再接着できるケースもあるが、血行が再建されない場合もあるらしい。
1号機
◎日報に新規事項の記載なし
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
・1号機ディーゼル発電機(B)室、1号機所内ボイラー室の滞留水を1号機タービン建屋地下へ断続的に移送実施中
2号機 使用済み燃料プールの冷却を27日午後3時42分再開
・使用済燃料プール(以下、「SFP」という。)代替冷却系は、当該系統の電源切替盤点検を行うため、1月27日午前5時51分に冷却を停止。冷却停止時のSFP水温度は28.2℃。(既出)
当該作業が終了したことから、午後3時42分にSFP代替冷却系を起動。起動状態については、異常のないことを確認。
起動後のSFP水温度は28.7℃で、運転上の制限値(65℃)に対して余裕があり、SFP水温度の管理上問題ない。
その他の項目に新規事項の記載なし
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系停止中
・増設廃棄物地下貯蔵設備建屋の廃樹脂貯蔵タンクエリア、廃スラッジ貯蔵タンクエリアの滞留水を、2号機廃棄物処理建屋へ断続的に移送実施中
・2号機タービン建屋地下→集中廃棄物処理施設へ高濃度滞留水を断続的に移送実施中
3~6号機
◎日報に新規事項の記載なし
◆3号機
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
・増設廃棄物地下貯蔵設備建屋の廃樹脂貯蔵タンクエリア、廃スラッジ貯蔵タンクエリアの滞留水を、3号機廃棄物処理建屋へ断続的に移送実施中
・FSTR建屋から3号機廃棄物処理建屋の滞留水移送については断続的に移送実施中
・3号機タービン建屋地下→集中廃棄物処理施設へ高濃度滞留水を断続的に移送実施中
◆4号機
・原子炉内に燃料なし
・2014年12月22日、使用済燃料プールに保管されていた全ての燃料の移動作業が終了
◆5号機
・冷温停止中(燃料は全て使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
◆6号機
・冷温停止中(燃料は全て使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
共用プール・水処理設備および貯蔵設備
◎日報に新規事項の記載なし
◆共用プール
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
・共用プール低電導度廃液受タンク水について、同タンクから集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ適宜移送を実施。
◆水処理設備および貯蔵設備の状況
・セシウム吸着装置停止中
・第二セシウム吸着装置(サリー)運転中
・RO淡水化装置運転中
・多核種除去設備(ALPS)運転中
・増設多核種除去設備運転中
・高性能多核種除去設備ホット試験中
・モバイル型ストロンチウム除去装置停止中
・第二モバイル型ストロンチウム除去装置停止中
サブドレン・地下水ドレン 一時貯水タンクFから海洋排水を実施。排出量は922トン
※サブドレン他水処理施設について、一時貯水タンクFの分析結果[採取日 1月19日]については、運用目標値を満足していることを確認。1月27日午前10時7分より海洋への排水を開始。なお、排水状況については、午前10時24分に漏えい等の異常がないことを確認。(既出)
その後、午後4時33分に排水を停止。排水停止状態に異常がないことを確認。排水量は922m3。
サブドレン・地下水ドレン 一時貯水タンクGからの排水準備が進む
※サブドレン他水処理施設について、一時貯水タンクGの分析結果[採取日 1月21日]については、運用目標値を満足していることを確認。
サブドレン・地下水ドレン 集水タンクの分析結果(1月19日採取分)
地下水バイパス 通算100回目の海洋排水を終了。排出量は1,827トン
※地下水バイパス一時貯留タンクグループ1の分析結果[採取日 1月16日]については、運用目標値を満足していることを確認。1月27日午前11時20分より海洋への排水を開始。なお、排水状況については、同日午前11時45分に漏えい等の異常がないことを確認。(既出)
その後、午後6時41分に排水を停止。排水停止状態に異常がないことを確認。排水量は1,827m3。
H4,H6エリアタンク周辺観測孔(周辺排水路含む)の状況、タンクパトロール結果
◆最新のパトロール
1月27日のタンクエリアパトロールや汚染水タンク水位計による常時監視において、漏えい等の異常がないことを確認。
◆H4エリア
<最新のサンプリング実績>
今回の分析結果については、前回と比較して有意な変動は確認されていない。
H4エリア周辺地下水【E-1】全ベータ濃度(単位:Bq/L)
採取日 1/19 1/20 1/21 1/22 1/23 1/24 1/25 1/26
E-1 8,800 7,200 7,800 8,100 7,200 6,700 7,100 11,000
浪江雨量(mm)0.5 0.0 0.0 0.0 2.5 1.0 0.0 0.0
◆H6エリア
<最新のサンプリング実績>
今回の分析結果については、前回と比較して有意な変動は確認されていない。
H6エリア周辺地下水【G-1】トリチウム濃度(単位:Bq/L)
採取日 1/19 1/20 1/21 1/22 1/23 1/24 1/25 1/26
G-1 180 150 130 200 140 130 150 160
浪江雨量(mm) 0.5 0.0 0.0 0.0 2.5 1.0 0.0 0.0
H6エリア周辺地下水【G-2】トリチウム濃度(単位:Bq/L)
採取日 1/19 1/20 1/21 1/22 1/23 1/24 1/25 1/26
G-2 2,700 2,100 2,500 3,200 1,200 290 240 290
浪江雨量(mm) 0.5 0.0 0.0 0.0 2.5 1.0 0.0 0.0
H6エリア周辺地下水【G-3】トリチウム濃度(単位:Bq/L)
採取日 1/19 1/20 1/21 1/22 1/23 1/24 1/25 1/26
G-3 940 880 860 840 840 720 730 870
浪江雨量(mm) 0.5 0.0 0.0 0.0 2.5 1.0 0.0 0.0