1月11日(土曜日)に公開された「福島第一原子力発電所の状況について(日報)」をもとに事故原発がおかれている状況を考えます。
*2015年末に作成。2014年作成の他のページとは若干フォームが異なります。
※ 情報を追加して更新します
多核種除去設備(ALPS)B系の高性能容器(HIC)交換用クレーンに不具合。4台の走行モータのうち1台に異常
※平成26年1月7日、多核種除去設備(ALPS)B系の高性能容器(HIC)の交換作業を実施中、当該作業用クレーンに走行不具合が発生したため、原因調査を実施していた。その後、1月9日に当該クレーンの走行モータ4台の内、1台に異常を確認。当該クレーンについては、異常が確認されたモータを含む2台を除外した状態で走行できることを確認したことから、今後、循環待機運転中のA・C系については、HICの交換作業を行った後、処理運転に移行する。なお、異常を確認した走行モータについては、今後、取り替えなどの処置を行う予定。
その後、C系のHIC交換作業が終了したことから1月10日午後3時37分に、A系のHIC交換作業が終了したことから同日午後8時13分に、それぞれ循環待機運転から処理運転に移行。なお、処理運転後の状態に異常がないことを確認。
B系においてHIC交換を含むフィルタ洗浄が終了したことから、1月11日午後2時36分に処理運転を開始。また同時刻において、C系を処理運転から循環待機運転に移行。なお、B系の運転状態に異常がないことを確認。
無人重機〔ASTACO-SoRa(アスタコ・ソラ)〕から油が漏洩の続報。原因は油圧ホース継手部の緩み
※平成26年1月9日午後2時5分頃、3号機原子炉建屋1階北西エリアにおいて、ガレキ撤去作業にて使用している遠隔操作の無人重機〔ASTACO-SoRa(アスタコ・ソラ)〕より作動油が漏えいしていることを協力企業作業員が発見。当該重機を停止したことにより、漏えいは停止している。なお、漏えい量は、約10cm×約10cm×約1mmの範囲(2箇所)であり、同日午後2時25分に双葉消防本部へ連絡。(既出)
その後、漏えい状況および原因を調査を実施したところ、当該重機の右手アーム回転用油圧ホース継手部からの漏えいであることを確認。1月10日、漏えい箇所の分解を実施した結果、継手部の緩みを確認。漏えいに至った原因は、作業によるアーム動作により、油圧ホースも追従する構造となっており、アームの繰り返し動作により継手部に負荷がかかり、徐々に継手部が緩んできたと推定。対策として、当該継手部の清掃、締付け、および類似継手部の締付け確認を行うとともに、当該重機の使用する際の始業前点検においては、継手部の緩みがないことを確認する。なお、漏えいした作動油については、別の小型重機で油吸着マットを使用して拭き取りを完了。
1~6号機
◎日報に新規事項の記載なし
◆1号機
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
◆2号機
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
◆3号機
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
・3号機タービン建屋→集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ高濃度滞留水を移送中(平成25年12月17日午後4時~)
◆4号機
・原子炉内に燃料なし(使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プールから共用プールへ燃料移動中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
◆5号機
・冷温停止中
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
◆6号機
・冷温停止中(燃料は全て使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
共用プール・水処理設備および貯蔵設備
◎日報に新規事項の記載なし
◆共用プール
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
◆水処理設備および貯蔵設備の状況
・セシウム吸着装置停止中
・第二セシウム吸着装置(サリー)運転中
・淡水化装置は水バランスをみて断続運転中
・多核種除去設備(ALPS)ホット試験中
H4エリアタンク
<最新のパトロール結果>
平成26年1月10日のパトロールにおいて、新たな高線量当量率箇所(β+γ線(70μm線量当量率))は確認されていない。また、堰床部に雨水が溜まった箇所については、雨水による遮へい効果により引き続き線量当量率は低い状態となっている。また、目視点検によりタンク全数に漏えい等がないこと(漏えい確認ができない堰内溜まり水内を除く)、汚染水タンク水位計による常時監視(警報監視)においても異常がないことを確認。
<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。
1~4号機タービン建屋東側
<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。
地下貯水槽
<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。
福島第一原発から約10kmに位置する気象庁のアメダス「浪江」の気象データ】
1月11日の降水量合計は0.0mm 気温は最高 5.8℃、最低 -8.2℃ 日照時間 6.5
最大風速 4.3 西 最大瞬間風速 10.0 西南西
1月10日の降水量合計は0.0mm 気温は最高 2.0℃、最低 -8.4℃ 日照時間 3.6
最大風速 4.6 北西 最大瞬間風速 8.8 北西
1月9日の降水量合計は7.5mm 1時間最大雨量は5.0mm 10分間最大雨量は1.0mm
気温は最高 14.1℃、最低 -1.9℃ 日照時間 1.1
最大風速 6.0 北西 最大瞬間風速 12.4 西北西
●最大風速とは10分間の風速の平均値である平均風速のうち、その日最大のもの。瞬間最大風速は、文字通り瞬間ごとの風速の最大値。
●●10分間の平均風速が10メートルを超える場合には、クレーン作業など屋内作業を停止しなければならない場合がある。