復興飲食店街「夜明け市場」のカオスな魅力

日本の夜明け、福島の夜明けを「いわき」から

福島県いわき市のJRいわき駅から歩いて3分もかからないところに「夜明け市場」があります。夜明け市場は東日本大震災で営業が続けられなくなった地元の飲食店や、震災を機にUターンやIターンしてきた飲食店の後押しをするために、地元の若者たちが中心となって立ち上げたプロジェクトの名称。そのままズバリ、復興飲食店街の名前でもあります。

震災前(そして震災後もしばらく)ここは、渋~くさびれた昭和なムードがあふれる、白銀小路という飲み屋街でした。10人入ったら一杯になるような小さな飲み屋が立ち並び、それぞれの店舗にはちょっと怪しげな二階部屋があったりするような、そんな場所。

震災がきっかけとなってこの場所は劇的な変貌を遂げるのですが、その物語はぜひ夜明け市場の公式サイトで御覧ください。

明けない夜はない

リノベートされて以前とはまったく別の雰囲気の横丁になった夜明け市場ですが、レトロな雰囲気はなぜかそのまま。そして、お店のオーナーさんやカウンターで隣り合わせたお客さんと仲良くなれる雰囲気も、不思議と昭和の良さを引き継いでいる感じです。こないだも、1軒のお店に入っただけで、東京から来た人、大阪から来た人、横浜からの人、青森からの人、もちろん地元の人たちとも飲み友達になってしまった。

お互いに「何やってる人なの?」からはじまって、いわきの美味しいものの話、お酒の話、お店のこだわりメニューのこと、そして震災のこと。また話は戻って、それぞれの地元のこと、美味しい食べ物のこと、お酒のこと、そして震災のこと。

ぐるぐる回るおしゃべりのテーマとともに、関わりがちょっとずつ深まっていく。facebook交換をしてもしなくても、いつかまたこのお店で会えたらいいね、って感じに自然になっていく。そんな風な感じなのが、夜明け市場のいいところだと思います。きっと、お店の狭さがいいんだろうなぁ。

白銀小路の昔の看板も残っています。

ここ「夜明け市場」は東北を応援したい気持ちが日本中から集まって、混ざり合って化学変化が起きる場所。

これからのシーズン、夜明け市場のぬくもりがより一層際立つことでしょう。いわきに行ったらぜひどうぞ。

復興飲食店街「夜明け市場」