11月1日(金曜日)に公開された「福島第一原子力発電所の状況について(日報)」。前日からの変化や変更点から、事故原発がおかれている状況を考えます。
※ 情報を追加して更新します
2号機タービン建屋内で漏洩検知器発報。ポリエチレン配管から高濃度滞留水が漏洩の続報。漏洩水の分析結果を日報に記載
水溜まりが確認された箇所の現場調査を実施し、水溜まり箇所の上部には、4本の滞留水移送配管が敷設されていた。そのうち3本の配管に巻きつけていた塩化ビニール製シート※内に水が溜まっていることを確認した。水溜まりのあった床面および塩化ビニール製シート3箇所の水のサンプリング結果は以下の通り。
セシウム-134 セシウム-137 全ベータ (単位:Bq/L)
床面 2.5×10^6 1.1×10^7 3.2×10^7
配管A 4.0×10^6 1.8×10^7 5.5×10^7
配管B 2.2×10^6 9.5×10^6 5.1×10^7
配管C 3.2×10^6 1.4×10^7 4.0×10^7
※塩化ビニール製シート
配管からの漏えいを速やかに検知するため、漏えいした水を漏えい検知器に導く目的で、あらかじめ設置したもの。当該シートは4本の配管全てに設置している。
【注目点】放射能分析結果を整数表記する。
セシウム-134 セシウム-137 全ベータ (単位:Bq/L)
床面 2,500,000 11,000,000 32,000,000
配管A 4,000,000 18,000,000 55,000,000
配管B 2,200,000 9,500,000 51,000,000
配管C 3,200,000 14,000,000 40,000,000
千万〜百万オーダーの極めて高濃度の汚染水だとわかる
3号機使用済み燃料プールの使用済燃料プール水の放射能分析結果(11月5日採取分)
※3号機使用済燃料プールにおける燃料交換機の操作卓等の落下事象について、11月5日採取した使用済燃料プール水の放射能分析結果は以下の通り。
・セシウム-134 1.1×10^5Bq/L
・セシウム-137 4.9×10^5Bq/L
・コバルト-60 6.7×10^2Bq/L
前回と比較して有意な変動はなく、燃料破損の兆候は確認されていない。
【注目点】放射能分析結果を整数表記する
・セシウム-134 110,000Bq/L
・セシウム-137 490,000Bq/L
・コバルト-60 670Bq/L
1~6号機
◎日報に新規事項の記載なし
◆1号機
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
・1号機ディーゼル発電機(B)室の滞留水を1号機タービン建屋地下へ断続的に移送実施中
◆2号機
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
・増設廃棄物地下貯蔵設備建屋の廃樹脂貯蔵タンクエリア、廃スラッジ貯蔵タンクエリアの滞留水を、2号機廃棄物処理建屋へ断続的に移送実施中
・2号機タービン建屋地下→集中廃棄物処理施設へ高濃度滞留水を断続的に移送実施中
◆3号機
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
・増設廃棄物地下貯蔵設備建屋の廃樹脂貯蔵タンクエリア、廃スラッジ貯蔵タンクエリアの滞留水を、3号機廃棄物処理建屋へ断続的に移送実施中
・FSTR建屋から3号機廃棄物処理建屋の滞留水移送については断続的に実施中
・3号機タービン建屋地下→集中廃棄物処理施設へ高濃度滞留水を断続的に移送実施中
◆4号機
・原子炉内に燃料なし
・2014年12月22日、使用済燃料プールに保管されていた全ての燃料の移動作業が終了。
◆5号機
・冷温停止中(燃料は全て使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
◆6号機
・冷温停止中(燃料は全て使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
共用プール・水処理設備および貯蔵設備
◎日報に新規事項の記載なし
◆共用プール
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
・共用プール低電導度廃液受タンク水について、同タンクから集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ適宜移送を実施。
◆水処理設備および貯蔵設備の状況
・セシウム吸着装置停止中
・第二セシウム吸着装置(サリー)停止中
・RO淡水化装置RO-2は停止、RO-3は運転中
・多核種除去設備(ALPS)停止中
・増設多核種除去設備ホット試験中
・高性能多核種除去設備ホット試験中
・モバイル型ストロンチウム除去装置停止中
・第二モバイル型ストロンチウム除去装置停止中
サブドレン・地下水ドレン 一時貯水タンクEから海洋排水を停止。排出量は557トン
※サブドレン他水処理施設について、一時貯水タンクEの当社および第三者機関による分析結果[採取日10月28日]については同等の値であり、運用目標値を満足していることを確認したことから、(既出)
11月6日午前10時21分より海洋への排水を開始。なお、排水状況については、午前10時44分に漏えい等の異常がないことを確認。その後、午後2時11分に排水を停止。排水停止状態に異常がないことを確認。排水量は557m3。
サブドレン・地下水ドレン 一時貯水タンクFからの排水準備が進む
※サブドレン他水処理施設について、一時貯水タンクFの当社および第三者機関による分析結果[採取日10月27日]については同等の値であり、運用目標値を満足していることを確認。
サブドレン・地下水ドレン集水タンクの分析結果(10月25日採取分)
地下水バイパス 排水に関するサンプリング結果(11月4日採取分)
◎日報に新規事項の記載なし
H4,H6エリアタンク周辺観測孔(周辺排水路含む)の状況、タンクパトロール結果
◆最新のパトロール
11月5日のタンクエリアパトロールや汚染水タンク水位計による常時監視において、漏えい等の異常がないことを確認。
◆H4エリア
<最新のサンプリング実績>
今回の分析結果については、前回と比較して有意な変動は確認されていない。
H4エリア周辺地下水【E-1】全ベータ濃度(単位:Bq/L)
採取日 10/28 10/29 10/30 10/31 11/1 11/2 11/3 11/4
E-1 3,000 3,100 2,300 2,800 2,300 3,100 1,900 2,800
浪江雨量(mm) 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 18.5 0.0 0.0
◆H6エリア
<最新のサンプリング実績>
今回の分析結果については、前回と比較して有意な変動は確認されていない。