今年の夏は例年以上にサメ目撃を伝えるニュースが多かったように思いますが、先週木曜日にも苫小牧民報がサメについて気になるニュースを報じていました。
8月に入り、苫小牧沖でサメによる漁具被害が相次いでいる。苫小牧漁業協同組合(吉田政芳組合長)では19日時点で、カレイ漁に使う刺し網や毛ガニ漁の籠などが壊される被害が5件続発。9月1日に秋サケの定置網漁の解禁を控え、漁業者は被害の拡大を心配している。
(中略)
漁業者たちは「沖合では船の周りを10匹ほどのサメが泳ぎ回ることもあり、水揚げ作業にも恐怖が付きまとう」と口をそろえる。
刺し網については魚を狙って絡まった後、食いちぎったとみられるが12日には海底から引き上げたカニ籠に体長2メートルを超えるヨシキリザメが頭を突っ込んでおり、関係者を驚かせた。
(中略)
気象庁によると、8月に入って北海道周辺の海面水温は広い範囲で平年より2~3度高い状態が続いており、苫小牧沖にも、熱帯・温帯海域に生息するヨシキリザメなどが暖流に乗って北上してきたとみられる。
東海大学海洋学部海洋生物学科でサメの生態などを研究する田中彰教授は「普段は暖かい海域に生息するサメが南からの暖流に乗って北方の海域に現れた可能性は十分にある」としながら、漁具被害について「魚を狙って網を襲うことはあっても、海底のカニ籠を狙うのは珍しい」と話す。
一番気になるのは引用の最後の一文、「魚を狙って網を襲うことはあっても、海底のカニ籠を狙うのは珍しい」という箇所です。
通常、日本でサメが人を襲うことはごくまれのことです。しかし、災害と同じように必ずしも想定外のことが起こらないとは限りません。
少し前にはこれまで目にすることがなかったダイオウイカが相次いで浅い海で目撃されていました。これらは一過性のものかもしれませんが海に変化が起きており、過去の事例とは異なることも起こりうるかもしれません。
必要以上に恐れる必要はないかもしれませんが、サメの興味を引くようなことを極力減らすなど、リスクを軽減をして海でのレジャーを楽しんだ方がいいのではないでしょうか。
もうすぐ夏も終わり、陸地はこれから徐々に涼しくなってきますが、海水温はまだしばらく高い状態が続きます。マリンスポーツなど、海で遊ぶ方は用心をするに越したことはないかと思います。
紹介:sKenji