原子炉建屋付近の地下水に新たな移送ライン

あらかじめサブドレンと地下水ドレンを区分して処理したのでは、地下水ドレン水の海洋放出がNGになる確率が高い。混ぜて薄めて排出する方法をとった方が、タンクに貯めずに海に捨てる水が増やせるという計算があるのではないか。

推論2

この理由は本当によくわからない。RO濃縮水処理設備とは、人工透析や水濾過に使われる逆浸透膜で、塩分や放射性物質濃度の高い汚染水を分離する設備。処理後にアウトプットされるのは、汚染が濃縮された「RO濃縮塩水」と、真水に近い水(しかし三重水素トリチウムは取り除かれない上、放射性核種も若干残る)という2種類の「水」。

RO濃縮水処理設備の上流側に移送して、他の汚染水と同様に処理プロセスに掛けるというのなら納得できる。しかし移送先は処理設備の下流側。しかも「RO濃縮水処理水中継タンク」というタンクに蓄えられるとされている。

RO濃縮水処理水とは何のか。水処理をした後の水なのか、それとも高濃度のRO濃縮塩水のことなのか。いずれにしろ、一時的に貯留されたタンクからは、汚染水貯留タンクに送られることになっているから、まさかそのまま海に放出されることはないはずだ。しかし、この「水」がどのように扱われるかについては、注視する必要がある。

※ 東京電力は汚染水処理のタイムスケジュールが逼迫する中、2015年になった頃から「ストロンチウム処理水」という新たな言葉を使うようになった。この「水」は実質的には、元々「セシウム吸着装置→RO濃縮設備→多核種除去設備」などの段階を踏んで行われてきた汚染水処理の前段だけを終えた程度の、処理途中の汚染水だった。そのような言葉の置き換えによるカモフラージュにも注意する必要があるだろう。

まさかとは思うが……

昨年から実施されている地下水バイパスにも当初反対の声が大きかった。安全性を強調して地下水バイパスを開始した直後、揚水井から高い濃度のトリチウムが検出された際には、他の水とブレンドするという方法で海洋放出を止めなかった。

サブドレン水の海洋放出計画の根拠は、地下水バイパスと同様の地下水であり、さらに厳格な処理や検査を行うとされたことだ。すでに海側の地下水ドレンからの「水」がブレンドされる方針になっている。ブレンド後、基準をクリアすれば海洋排出を止める理由は希薄になってしまうだろう。

この地下水ドレン水の塩分や汚染度が高まった時には、RO濃縮水処理水に混ぜるためのラインが新規に設置される。ここでブレンドされた水も、「元はサブドレンや地下水ドレンと同じ地下水だ」という言葉の組み換えが行われない保証はない。

基準値以下に薄めて海に流すしかない――。規制委員会までもが口にしたそのような運用をなし崩し的に進めていく「絵」がすでに描かれている可能性もある。

サブドレン計画に強硬に反対してきた福島県の漁協は先月、条件付きでサブドレン浄化水の海洋放出を容認した。しかし、注視が欠かせないのはこれからだ。