かさ上げ工事が急ピッチで進められ、土地がどんどん高くなっていく南三陸町志津川地区。写真の片隅に写るのが何だかわかりますか?
かさ上げされた土地の向こうに見えているのは南三陸町の防災庁舎。高台にある志津川幼稚園から撮影したので、上から見下ろす角度になっていますが、かさ上げされた土地から水平に見ると、ほとんど庁舎の上の塔しか見えないほど。
津波によって破壊された町では、津波被害を防ぐために人工の土地がどんどん造成されています。かさ上げはかつての町を土の中に埋めてしまうこと。防災のための町づくりが災害の記憶を薄れさせかねない状況があるのです。
しかし、南三陸町の防災庁舎は、かさ上げされた土地の中に埋もれるようになりながらも、よりいっそうの存在感を示しているように感じられるのです。
かさ上げ工事途中のいまだから見られる光景です。