一部では人間の体温を超える気温が記録された8月5日の岩手県。ぎんぎらぎんの日差しを避けて入った陸前高田・八木澤商店で出会ったソフトクリームに仰天した。
驚いた時に「目を疑う」「耳を疑う」ということはあるが、「舌を疑う」なんて言葉は聞いたことがない。しかし、まさにその舌を疑わざるを得ない、エクセレントな出会いを体験してしまったのだ。八木澤商店は江戸時代は文化4年に醸造業を始めた200余年の歴史を誇る老舗。かつては酒造業も行って来たが現在は醤油や味噌の名店として知られている。そんな八木澤商店一本松店で出会ったソフトは、
しょうゆソフトクリーム!
よくある御当地もののソフトクリームだと思っていた。ほんのり醤油の香りがする「程度の」と甘く見てかかって返り討ちにあったような気分。
濃厚に凝縮されたソフトクリームの乳成分の味わいが舌をノックアウトするのだ。そして続けて醤油の香りとコクが品良く、そして爽やかに(!)、しかもほんわりとやさしく広がっていく。
ぺろぺろのんびり食べてなどいられなかった。ガツガツ。ソフトが溶ける間もなく完食した。猛暑の陸前高田でだ。
これは話題性重視の御当地名物なんて範疇の食べ物ではない。
ナニが何でも、とにかく皆さんに食して頂きたい。
絶品です。おすすめです。是非是非です。
八木澤商店一本松店は、奇跡の一本松への通り沿い。すぐ近くには巨大なベルトコンベアーが新しい町づくりのためにフル稼働している。
八木澤商店にはたくさんの物語があるのだが、今日はこれだけ覚えて頂きたい。八木澤商店のソフトクリーム「しょうゆ」は、アイスクリーム界で世界最高峰の一品だと。そして、おそらくその背景には、震災に負けることなく新たな伝統づくりにチャレンジする八木澤商店の魂があるのだと。