2015年8月2日 今日の東電プレスリリース

8月2日(日曜日)に公開された「福島第一原子力発電所の状況について(日報)」。前日からの変化や変更点から、事故原発がおかれている現状を考えます。

「日報」に登場する主な施設(Google Mapに加筆)

3号機燃料プール内に落下した燃料交換機(FHM)の撤去作業について初めて日報で報告される

・8月2日、燃料交換機(FHM)本体を撤去するにあたり、FHM本体に油を内包している付属機器があるため、万が一当該作業時に残存している油が漏れ、3号機の使用済燃料プール(SFP)代替冷却系へ混入するのを防止する目的で、SFP代替冷却系を午前5時53分に停止。停止状態に異常なし。停止時のSFP水温度は、28.2℃。その後、FHM本体の撤去作業が終了したことから、同日午後2時21分にSFP代替冷却系を起動。午後2時28分、起動状態に異常のないことを確認。起動後のSFP水温度は28.5℃であり、停止前とほぼ変化なし。

・使用済燃料プール内からの燃料交換機撤去は、8月2日午前11時55分に吊上げ作業を開始し、午後1時18分に吊降ろし作業が終了。当該作業期間中において、ダストモニタおよびモニタリングポストのダスト濃度等に有意な変動なし。

引用元:福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成27年8月2日

※注 予定では7月末までに実施するとされていた重大な作業。かなり危険度が高いと見込まれ、FHM撤去作業中は周辺での作業を停止するという情報もあった。

モニタリングポストで警報が発生したが、すぐに通常値に戻ったことから「ノイズが発生したものと考えている」

※8月1日午前10時56分頃、モニタリングポスト(MP)2のダストモニタにて「警報(警報設定値:1.0×10-5Bq/cm3)」が発生。警報発生時、すぐに指示値は通常値に復帰したことから、ダストモニタの検出器付近に塵などが付着し、ノイズが発生したものと考えている。なお、1号機カバー解体作業および周辺での作業は本時間帯には行っておらず、近接するMPのダストモニタ(MP1・MP3)に変動はない。

引用元:福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成27年8月2日

※ 情報を追加して更新します

協力会社作業員が帰宅途中に体調不調を訴え病院搬送されその後死亡。原発作業との関連は確認中

※8月1日午後2時47分頃、協力企業より、「作業員が福島第一原子力発電所での作業を終え、帰宅のため事務所に立ち寄った際に体調不良を訴えた。その後、いわき市立総合磐城共立病院へ、救急車にて搬送され、搬送先の病院にて、同日午後0時59分に死亡が確認された。」と連絡があった。作業との因果関係については確認中。

引用元:福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成27年8月2日

1〜2号機

新規事項なし

◆1号機
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
・1号機ディーゼル発電機(B)室の滞留水を1号機タービン建屋地下へ断続的に移送実施中

※ タービン建屋地下滞留水の移送は停止中

◆2号機
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
・増設廃棄物地下貯蔵設備建屋の廃樹脂貯蔵タンクエリア、廃スラッジ貯蔵タンクエリアの滞留水を、2号機廃棄物処理建屋へ断続的に移送実施中
・2号機使用済燃料プール(以下、SFP)代替冷却系について、当該系統の空気作動弁用コンプレッサの交換に伴う準備作業(コンプレッサユニットおよび防護柵のアンカー打設作業)を行うため、7月28日午前6時2分に停止したが、作業が終了したため、7月30日午前10時46分に起動。7月30日午後1時現在、SFP水温度は33.7℃(停止時29.4℃)で、運転上の制限値65℃に対して余裕があることから、SFP水温度の管理上は問題ない。
・2号機タービン建屋地下→集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ高濃度滞留水を移送中(2015年7月30日午後6時59分~)

※ タービン建屋地下滞留水の移送は実施中

3号機 〜FHM撤去作業の他は新規事項なし

・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系停止中
・増設廃棄物地下貯蔵設備建屋の廃樹脂貯蔵タンクエリア、廃スラッジ貯蔵タンクエリアの滞留水を、3号機廃棄物処理建屋へ断続的に移送実施中
・FSTR建屋から3号機廃棄物処理建屋の滞留水移送については断続的に実施中。
・3号機タービン建屋地下→集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ高濃度滞留水を移送中(2015年8月1日午後2時15分~)

※ タービン建屋地下滞留水の移送は実施中

4~6号機

新規事項なし

◆4号機
・原子炉内に燃料なし
・2014年12月22日、使用済燃料プールに保管されていた全ての燃料の移動作業が終了。

◆5号機
・冷温停止中(燃料は全て使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中

◆6号機
・冷温停止中(燃料は全て使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中

共用プール・水処理設備および貯蔵設備

新規事項なし

◆共用プール
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
・共用プール低電導度廃液受タンク水について、同タンクから集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ適宜移送を実施。

◆水処理設備および貯蔵設備の状況
・セシウム吸着装置停止中
・第二セシウム吸着装置(サリー)運転中
・淡水化装置 水バランスをみて断続運転中
・多核種除去設備(ALPS)停止中
・増設多核種除去設備ホット試験中
・高性能多核種除去設備ホット試験中
・モバイル型ストロンチウム除去装置停止中
・第二モバイル型ストロンチウム除去装置停止中
・RO濃縮水処理設備停止中

地下水バイパス 〜通算75回目の海洋への排水が終了。排水した地下水バイパス水は1,747トン

8月1日午前10時4分より海洋への排水を開始。同日午前10時8分に漏えい等の異常がないことを確認。(既出)

同日午後5時5分排水を停止し、異常がないことを確認。排水量は、1,747m3。

引用元:福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成27年8月2日

H4,H6エリアタンク周辺観測孔(周辺排水路含む)の状況、タンクパトロール結果

◆最新のパトロール

8月1日のパトロールにおいて、タンクからの漏えいの兆候を早期に発見する目的で70μm線量当量率の測定を行っているが、酷暑のため70μm線量当量率の測定を実施せず。堰床部に雨水が溜まった箇所については、雨水による遮へい効果により引き続き線量当量率は低い状態となっている。
なお、目視点検によりタンク全数に漏えい等がないこと(漏えい確認ができない堰内溜まり水内を除く)、汚染水タンク水位計による常時監視(警報監視)において異常がないことを確認。

引用元:福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成27年8月2日

◆H4エリア

<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。

引用元:福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成27年8月2日

◆H6エリア

<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。

引用元:福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成27年8月2日

1~4号機タービン建屋東側

<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。

引用元:福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成27年8月2日