2015年6月29日 今日の東電プレスリリース

6月29日(月曜日)に公開された「福島第一原子力発電所の状況について(日報)」。前日からの変化や変更点から、事故原発がおかれている現状を考えます。

「日報」に登場する主な施設(Google Mapに加筆)

※ 情報を追加して更新します

1号機 ~タービン建屋の高濃度滞留水移送を停止

・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
加えて、
・1号機ディーゼル発電機(B)室の滞留水を、1号機タービン建屋地下へ断続的に移送実施中

・1号機タービン建屋地下→1号機廃棄物処理建屋へ高濃度滞留水を移送実施(2015年6月28日午前11時43分~午後5時45分

引用元:福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成27年6月29日

※ タービン建屋地下滞留水の移送は停止中

2号機~4号機

新規事項なし

◆2号機
1号機の冒頭4項目に加え、
・増設廃棄物地下貯蔵設備建屋の廃樹脂貯蔵タンクエリア、廃スラッジ貯蔵タンクエリアの滞留水を、2号機廃棄物処理建屋へ断続的に移送実施中
・2号機タービン建屋地下→集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ高濃度滞留水を移送中(2015年6月28日午前11時17分~)

※ タービン建屋地下滞留水の移送は稼働中

◆3号機
1号機の冒頭3項目に加え、
・使用済燃料プール循環冷却系停止中
・増設廃棄物地下貯蔵設備建屋の廃樹脂貯蔵タンクエリア、廃スラッジ貯蔵タンクエリアの滞留水を、3号機廃棄物処理建屋へ断続的に移送実施中
・3号機タービン建屋地下→集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ高濃度滞留水を移送中(2015年6月28日午前11時22分~)

※ タービン建屋地下滞留水の移送は稼働中

◆4号機
・原子炉内に燃料なし
・2014年12月22日、使用済燃料プールに保管されていた全ての燃料の移動作業が終了。

5号機 ~使用済み燃料プール冷却浄化系を停止し、原子炉側の非常時熱負荷運転での冷却を開始

・冷温停止中(燃料は全て使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中

※5号機補機冷却海水系について、ストレーナおよび弁点検のため、6月29日~7月10日にかけて停止。

停止期間においては、使用済燃料プール冷却浄化系(FPC系)が使用できなくなるが、残留熱除去系(RHR系)による非常時熱負荷運転(使用済燃料プール冷却)により、使用済燃料プール冷却を行う。

これに伴い、6月29日午前10時19分にFPC系を停止し、同日午前11時4分にRHR系による非常時熱負荷運転を開始。RHR系の運転状態に異常はなく、使用済燃料プール水温度もFPC系停止時の温度(23.4℃)から変化なし。

引用元:福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成27年6月29日

6号機

新規事項なし

・冷温停止中(燃料は全て使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プール冷却浄化系運転

共用プール・水処理設備および貯蔵設備

新規事項なし

◆共用プール
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
・共用プール低電導度廃液受タンク水について、同タンクから集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ適宜移送を実施。

◆水処理設備および貯蔵設備の状況
・セシウム吸着装置停止中
・第二セシウム吸着装置(サリー)運転中
・淡水化装置 水バランスをみて断続運転中
・多核種除去設備(ALPS)停止中
・増設多核種除去設備ホット試験中
・高性能多核種除去設備ホット試験中
・モバイル型ストロンチウム除去装置停止中
・第二モバイル型ストロンチウム除去装置停止中
・RO濃縮水処理設備停止中

地下水バイパス ~通算71回目となる海洋排出の準備が進む

※地下水バイパス一時貯留タンクグループ3の当社および第三者機関による分析結果[採取日6月19日]については同等の値であり、ともに運用目標値を満足していることを確認。

引用元:福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成27年6月29日

H4,H6エリアタンク周辺観測孔(周辺排水路含む)の状況、タンクパトロール結果

◆最新のパトロール

6月28日のパトロールにおいて、タンクからの漏えいの兆候を早期に発見する目的で70μm線量当量率の測定を行っているが、新たな高線量当量率箇所(β線による70μm線量当量率)は確認されなかった。堰床部に雨水が溜まった箇所については、雨水による遮へい効果により引き続き線量当量率は低い状態となっている。また、目視点検によりタンク全数に漏えい等がないこと(漏えい確認ができない堰内溜まり水内を除く)、汚染水タンク水位計による常時監視(警報監視)においても異常がないことを確認。

引用元:福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成27年6月29日

◆H4エリア

<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。

引用元:福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成27年6月29日

◆H6エリア

H6エリア ~周辺地下水G-2のトリチウム濃度が1,100ベクレルに上昇

<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。

引用元:福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成27年6月29日

<周辺地下水G-2のトリチウム濃度>
6月13日 150Bq/L
6月14日 悪天候により採取中止
6月15日 悪天候により採取中止
6月16日 悪天候により採取中止
6月17日 260Bq/L
6月18日 250Bq/L
6月19日 220Bq/L
6月20日 悪天候により採取中止
6月21日 1,300Bq/L
6月22日 290Bq/L
6月23日 悪天候により採取中止
6月24日 1,800Bq/L
6月25日 340Bq/L
6月26日 170Bq/L
6月27日 1,100Bq/L

※ 東京電力の資料に注記されてはいないが、6月27日は31.0mmというかなり降水を記録している。(福島第一原発から約10kmにある気象庁「浪江」のアメダス)

1~4号機タービン建屋東側 ~地下水観測孔No.3でトリチウム濃度が過去最高値

<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。

引用元:福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成27年6月29日

<過去最高値>地下水観測孔No.3
トリチウム(H-3):8,400Bq/L(2015年6月24日)
 これまでの最高値:8,100Bq/L(2015年6月3日)

※地下水観測孔No.2-2は、濁度高のためγ測定(セシウム等)は実施せず。全βは参考値としてろ過後に測定。→ろ過後の全ベータは「470Bq/L」と高い値
※ 港湾口は悪天候により採取中止

地下貯水槽

新規事項なし

1~3号機放水路

新規事項なし