2月10日(火曜日)に公開された「福島第一原子力発電所の状況について(日報)」。前日からの変化や変更点から、事故原発がおかれている現状を考えます。
※ 追加発表されたデータを反映して更新しました。
モバイル型ストロンチウム除去装置B系が連続運転を開始
※モバイル型ストロンチウム除去装置B系については、これまで国の検査において通水試験等を実施していたが、設備や機能に異常がないことが確認されたことから、2月10日午前10時47分に連続運転を開始。運転後の状況については、同日午前10時52分に漏えい等の異常がないことを確認。なお、当該装置は、必要に応じフィルタ・吸着塔などの交換や吸着材の補給作業のため、一時的な運転停止を行いながら、処理を継続していく。
・本日(2月10日)午前10時47分、モバイル型ストロンチウム除去装置(B系統)での処理を開始。
・今後、H5北エリアの8基(8,000m^3)のRO濃縮水を処理する予定。
1号機~6号機
新規事項なし
◆1号機
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
※滞留水移送は停止中
◆2号機
1号機と同じ4項目に加え、
・2号機タービン建屋地下→3号機タービン建屋地下へ高濃度滞留水を移送中(平成27年2月9日午前11時51分~)
※滞留水移送は稼働中
◆3号機
1号機と同じ4項目に加え、
・3号機タービン建屋地下→集中廃棄物処理施設(プロセス主建屋)へ高濃度滞留水を移送中(平成27年2月9日午前10時41分~)
※滞留水移送は稼働中
◆4号機
・原子炉内に燃料なし
・平成26年12月22日、使用済燃料プールに保管されていた全ての燃料の移動作業が終了。
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
◆5号機
・冷温停止中
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
◆6号機
・冷温停止中(燃料は全て使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
共用プール・水処理設備および貯蔵設備
新規事項なし
◆共用プール
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
・共用プール低電導度廃液受タンク水について、同タンクから集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ適宜移送を実施。
◆水処理設備および貯蔵設備の状況
・セシウム吸着装置運転中
・第二セシウム吸着装置(サリー)停止中
・淡水化装置 水バランスをみて断続運転中
・多核種除去設備(ALPS)ホット試験中
・増設多核種除去設備ホット試験中
・高性能多核種除去設備ホット試験中
・モバイル型ストロンチウム除去装置運転中
・RO濃縮水処理設備運転中
地下水バイパス ~通算48回目となる海洋排出を開始
※地下水バイパス一時貯留タンクグループ2の当社および第三者機関による分析結果[採取日1月30日]については同等の値であり、ともに運用目標値を満足していることを確認。(既出)
平成27年2月10日午前10時9分、海洋への排水を開始。同日午前10時14分に漏えい等の異常がないことを確認。
H4,H6エリアタンク周辺観測孔(周辺排水路含む)の状況、タンクパトロール結果
◆最新のパトロール
平成27年2月9日のパトロールにおいて、タンクからの漏えいの兆候を早期に発見する目的で70μm線量当量率の測定を行っているが、凍結の影響により一部実施できない箇所を除き、新たな高線量当量率箇所(β線による70μm線量当量率)は確認されなかった。堰床部に雨水が溜まった箇所については、雨水による遮へい効果により引き続き線量当量率は低い状態となっている。また、目視点検によりタンク全数に漏えい等がないこと(漏えい確認ができない堰内溜まり水内を除く)、汚染水タンク水位計による常時監視(警報監視)においても異常がないことを確認。
◆H4エリア
<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。
◆H6エリア
<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。
1~4号機タービン建屋東側
<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。なお、地下水観測孔No.2-7(2月6日採取)のセシウム134およびセシウム137の値上昇については、今回の測定結果において、それぞれ低下していることを確認。
※ 公開された「福島第一港湾内、放水口付近、護岸の詳細分析結果(護岸地下水サンプリング箇所)」で地下水観測孔No.2-7のセシウム-134、セシウム-137の測定値の低下が認められるのは、2月9日公開のデータ。
1~4号機サブドレン観測井
新規事項なし
※「福島第一原子力発電所周辺の放射性物質の分析結果」のページでの該当するデータ公開も行われていない。
地下貯水槽
<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。
2月9日分のデータでは、地下貯水槽ドレン孔水での最高値は「iの北東側」で140Bq/L、「iiiの南西側」は82Bq/Lに低下。地下貯水槽漏洩検知孔水では「iの北東側」で59,000Bq/L。「iiの北東側」は8,100Bq/L。「iiiの北東側」で3,600Bq/L。「iiiの南西側」で11,000Bq/L。(ともに全ベータの値)