2月4日(水曜日)に公開された「福島第一原子力発電所の状況について(日報)」。前日からの変化や変更点から、事故原発がおかれている現状を考えます。
※ 一部データを追加して更新しました。(2015年2月5日)
1号機~6号機
新規事項なし
◆1号機
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
※滞留水移送は停止中
◆2号機
1号機と同じ4項目に加え、
・2号機タービン建屋地下→集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ高濃度滞留水を移送中(平成26年12月22日午前9時58分~)
※滞留水移送は稼働中
◆3号機
1号機と同じ4項目に加え、
・3号機タービン建屋地下→集中廃棄物処理施設(プロセス主建屋)へ高濃度滞留水を移送中。(平成27年2月1日午前9時56分~)
※滞留水移送は稼働中
◆4号機
・原子炉内に燃料なし
・平成26年12月22日、使用済燃料プールに保管されていた全ての燃料の移動作業が終了。
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
◆5号機
・冷温停止中
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
◆6号機
・冷温停止中(燃料は全て使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
共用プール・水処理設備および貯蔵設備
新規事項なし
◆共用プール
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
・共用プール低電導度廃液受タンク水について、同タンクから集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ適宜移送を実施。
◆水処理設備および貯蔵設備の状況
・セシウム吸着装置運転中
・第二セシウム吸着装置(サリー)運転中
・淡水化装置 水バランスをみて断続運転中
・多核種除去設備(ALPS)ホット試験中
・増設多核種除去設備ホット試験中
・高性能多核種除去設備ホット試験中
・モバイル型ストロンチウム除去装置運転中
・RO濃縮水処理設備運転中
地下水バイパス ~通算47回目となる海洋排出を開始
※地下水バイパス一時貯留タンクグループ3の当社および第三者機関による分析結果[採取日1月24日]については同等の値であり、ともに運用目標値を満足していることから、(既出)
平成27年2月4日午前10時4分、海洋への排水を開始。同日午前10時11分に漏えい等の異常がないことを確認。
地下水バイパス ~揚水井の分析結果(2月2日採取)
H4,H6エリアタンク周辺観測孔(周辺排水路含む)の状況、タンクパトロール結果 ~前日高い濃度を記録したH4エリア「E-1」の全ベータは8,400Bq/Lに低下
◆最新のパトロール
平成27年2月3日のパトロールにおいて、タンクからの漏えいの兆候を早期に発見する目的で70μm線量当量率の測定を行っているが、降雪の影響によりパトロールを中止した箇所を除き、新たな高線量当量率箇所(β線による70μm線量当量率)は確認されなかった。堰床部に雨水が溜まった箇所については、雨水による遮へい効果により引き続き線量当量率は低い状態となっている。また、目視点検によりタンク全数に漏えい等がないこと(降雪の影響によりパトロールを中止した箇所および漏えい確認ができない堰内溜まり水内を除く)、汚染水タンク水位計による常時監視(警報監視)においても異常がないことを確認。
◆H4エリア
<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。
H4エリア「E-1」観測点の2月2日採取分の全ベータは8,400Bq/L。
(2月1日採取分:42,000Bq/L、1月30日採取分:2,200 Bq/L)
◆H6エリア
<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。
1~4号機タービン建屋東側
<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。
1~4号機サブドレン観測井
新規事項なし
※「福島第一原子力発電所周辺の放射性物質の分析結果」のページでの該当するデータ公開も行われていない。
地下貯水槽
<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。
1号機放水路 ~極めて高濃度の汚染を示す1号機放水路立坑の測定結果(2月2日採取分)
<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。
◆(1月22日採取)→ (1月27日)→ (1月29日)→ 最新(2月2日)
<1号機放水路立坑水(上流側)>
セシウム134: 3,100 Bq/L → 3,100 Bq/L → 3,100 Bq/L → 3,300 Bq/L
セシウム137:11,000 Bq/L → 11,000 Bq/L → 10,000 Bq/L → 11,000 Bq/L
全ベータ: 14,000 Bq/L → 14,000 Bq/L → 14,000 Bq/L → 15,000 Bq/L
トリチウム: 630 Bq/L → 600 Bq/L → 580 Bq/L → 670 Bq/L
<1号機放水路立坑水(下流側)>
セシウム134:470 Bq/L → 520 Bq/L → 450 Bq/L → 520 Bq/L
セシウム137:1,500 Bq/L → 1,700 Bq/L → 1,700 Bq/L → 1,700 Bq/L
全ベータ: 3,400 Bq/L → 3,300 Bq/L → 3,500 Bq/L → 3,400 Bq/L
トリチウム: 1,500 Bq/L → 1,500 Bq/L → 1,400 Bq/L → 1,500 Bq/L
関連データ(東京電力以外のサイト)
以上、「福島第一原子力発電所の状況について(日報)」平成27年2月4日分の変更箇所を中心にピックアップしました。
構成●井上良太
2月3日分のデータでは、地下貯水槽ドレン孔水での最高値は「iの北東側」で200Bq/Lに上昇(前日値は140Bq/L)、「iiiの南西側」で150Bq/L。地下貯水槽漏洩検知孔水では「iの北東側」で72,000Bq/Lに上昇(前日の測定値は67,000Bq/L)。「iiの北東側」は6,900Bq/L。「iiiの北東側」で4,200Bq/L。「iiiの南西側」で13,000Bq/L。(ともに全ベータの値)