先月29日、日本在住の外国の方との国際交流を促進するNPO法人が企画した「東京の紅葉ツアー」に参加してきました。
訪れた場所は「明治神宮外苑」、「新宿御苑」、「小石川後楽園」です。前回は「明治神宮外苑のイチョウ並木」について書きました。今日は「小石川後楽園」をご紹介します。
小石川後楽園について
小石川後楽園は江戸時代初期に造られた日本庭園です。「公益財団法人 東京都公園協会」のWEBサイトには次のように書かれています。
江戸時代初期、寛永6年(1629年)に水戸徳川家の祖である頼房が、江戸の中屋敷(後に上屋敷となる。)の庭として造ったもので、二代藩主の光圀の代に完成した庭園です。光圀は作庭に際し、明の儒学者である朱舜水の意見をとり入れ、中国の教え「(士はまさに)天下の憂いに先だって憂い、天下の楽しみに後れて楽しむ」から「後楽園」と名づけられました。
庭園は池を中心にした「回遊式築山泉水庭園」になっており、随所に中国の名所の名前をつけた景観を配し、中国趣味豊かなものになっています。また、当園の特徴として各地の景勝を模した湖・山・川・田園などの景観が巧みに表現されています。
「回遊式築山泉水庭園」とは日本庭園の形式のひとつです。園内には「池」や「築山(つきやま)」と呼ばれる人工的に作られた小山などが配置されており、それらを歩いて見て回る形式の日本庭園のことです。江戸時代の大名屋敷などで多く造られたそうです。
小石川後楽園は国指定の「特別史跡」、及び「特別名勝」となっています。両方に指定されている場所は、京都の金閣寺や広島の厳島など、全国的で9カ所しかないとのことです。
ちなみに庭園を完成させた2代水戸藩主・光圀公は、時代劇で有名な「水戸黄門」として知られています(※実際は、時代劇で描かれているように全国を旅して回ったわけではないようです)。時代劇で馴染深い歴史上の人が造り上げたと知って見て回ると、庭園がより身近に感じられるかもしれません♪
【写真館】小石川後楽園の庭園
最寄の地下鉄駅から小石川後楽園へ歩いて向かっている時、本当にこのような街中に立派な庭園があるのだろうかと訝しんでいました。
しかし、小石川後楽園に到着していざ園内に入ってみると、いい意味で裏切られました。庭園の中心には広々とした池があり、周囲は都心とは思えない緑豊かな林に囲まれています。起伏に富んだ深山の雰囲気を漂わせる場所もあり、まるで都心の中のオアシスのような癒しの空間です。私が訪れた時は紅葉が最盛期を迎えており、一段と庭園の魅力が増していました。
六義園の代わりに、東京ドームの樹木のライトアップ
「東京の紅葉ツアー」の当初のスケジュールでは、小石川後楽園を見た後に1時間の休憩をはさんで、ライトアップされた「六義園」へ移動する予定でした。休憩は、参加者数が100名以上いたために各自取り、再び集合することになっていました。そのため私は一緒に参加した友人のほか、紅葉ツアーで知り合ったメンバー15人くらいで飲みながら時間を潰していました。
しかし、どうやらスケジュールが変更になっていたようです。他の参加者は小石川後楽園を見た後、そのまま六義園に移動したとのことで、結局、私たちは六義園には行かずに再び飲んでいました。
ライトアップされた六義園は見ることができませんでしたが、代わりに東京ドームの脇に植えられている、紅葉した樹木のライトアップが綺麗だったので写真におさめてきました。
小石川後楽園は東京ドームのすぐ隣にあり、庭園内からドームの屋根や高層ビルが見えるような都会のど真ん中にあります。そのような場所にあるにも関わらず、心が安らぐ小石川後楽園。もう一度来てみたいと思う名園です。
<「都心のど真ん中にも『紅葉スポット』があったんだ! ~Vol.3 新宿御苑~」 へ続く>
小石川後楽園
参考WEBサイト
Text & Photo:sKenji