2014年11月12日 今日の東電プレスリリース

H4,H6エリアタンク周辺観測孔(周辺排水路含む)の状況、タンクパトロール結果

◆最新のパトロール

11月11日のパトロールにおいて、新たな高線量当量率箇所(β線による70μm線量当量率)は確認されていない。堰床部に雨水が溜まった箇所については、雨水による遮へい効果により引き続き線量当量率は低い状態となっている。また、目視点検によりタンク全数に漏えい等がないこと(漏えい確認ができない堰内溜まり水内を除く)、汚染水タンク水位計による常時監視(警報監視)においても異常がないことを確認。

引用元:福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成26年11月12日

◆H4エリア

<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。

引用元:福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成26年11月12日

◆H6エリア

<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。

引用元:福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成26年11月12日

1~4号機タービン建屋東側 ~原子炉内で作られたマンガン54の値が海から20数メートルのウェルポイントで過去最高値を記録

※11月10日に採取した1,2号機ウェルポイント汲み上げ水について、マンガン54および全ベータの分析値が、前回値と比較して高い値で検出され、過去最高値となっている。当該汲み上げ水については、測定値の変動が大きい傾向にあることから、再度サンプリングを行い、異常のないことを監視していく。

<今回(11月10日)採取分>
 ・マンガン54:54 Bq/L〔前回分析値(11月3日採取):5.0 Bq/L)〕
 ・全ベータ :210万 Bq/L〔前回分析値(11月3日採取):23万 Bq/L〕
<参考:過去最高値>
 ・マンガン54:8.5 Bq/L(平成26年4月28日採取分)
 ・全ベータ :190万 Bq/L(平成25年9月23日採取分)

引用元:福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成26年11月12日

マンガン54は、鉄が中性子で照射されて生じる人工的につくられる放射性物質。軽水炉では配管や配管内の水に含まれる鉄から作られる。東京電力の古い資料(平成19年5月の「第48回「柏崎刈羽原子力発電所の透明性を確保する地域の会」の説明資料)には、下記のように説明されていた。

マンガン 54、コバルト 58、コバルト 60
いずれも人工放射性物質(核種)であり、原子炉水中の不純物(鉄、ニッケル等の金属材料)の中性子照射による放射化生成物。マンガン 54 の半減期は約 312 日、コバルト 58の半減期は約 71 日、コバルト 60 の半減期は約 5.3 年。
今回検出された放射性物質の核種および半減期を考慮すると発電所に起因するものと推定される。

引用元:柏崎刈羽原子力発電所敷地内における環境試料(松葉)からの極微量な人工放射性物質の検出に 伴う追加調査結果について|東京電力 平成19年5月10日

核分裂で発生する中性子の照射によって生成される放射性核種なので、元々は原子炉内部内部にあったものと考えるほかない。そんなマンガン54が、何らかの経路で地下水にしみ出しているということだ。

210万ベクレルもの全ベータが計測されていることとも心配だ。かつて原子炉内部にあった核種が建屋地下に溜まり、それが護岸近くの地下水に流れ込んでいることは間違いなく、計測値の上昇傾向が続くようであれば、タービン建屋東側の地下水に対して、大量に汲み上げて処理するなど抜本的な対策が必要になる。

そうでなければ、事故原発の汚染をコントロールしていることにはならない。

<最新のサンプリング実績>
その他の分析結果については、前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。

引用元:福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成26年11月12日

※リンクを追加しました。

1~4号機サブドレン観測井

新規事項なし

※「福島第一原子力発電所周辺の放射性物質の分析結果」のページでの該当するデータ公開も行われていない。

地下貯水槽

<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。

引用元:福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成26年11月12日

関連データ(東京電力以外のサイト)

以上、「福島第一原子力発電所の状況について(日報)」平成26年11月12日分の変更箇所を中心にピックアップしました。
構成●井上良太