2014年10月11日 今日の東電プレスリリース

多核種除去設備(ALPS)B系で9月26日に発覚した不具合で装置の検査結果を発表

10月11日(土曜日)に公開された「福島第一原子力発電所の状況について(日報)」。前日からの変化や変更点を中心に読み解きます。

300tクレーンからの油漏れは「危険物の漏えい事象」

10月10日に発見された300tクレーンからの油漏れについて、双葉消防本部へ連絡。消防本部は「危険物の漏えい事象」と判断。

同日午後3時56分に双葉消防本部より「危険物の漏えい事象である」との判断をいただいた。

※同日とは10月10日

引用元:福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成26年10月11日

多核種除去設備(ALPS)B系で、六角ガスケットの一部に変形と亀裂

9月26日またしても白濁が発生した多核種除去設備(ALPS)B系について、点検の結果ガスケットの一部に変形と亀裂が発見されたと発表

※9月26日午後3時22分に処理運転を停止した多核種除去設備B系について、炭酸塩スラリーの流出が確認されたクロスフローフィルタ(8B)の点検を行った結果、バブリング試験において2箇所からエアーの流出を確認。エアーが流出した当該部について分解調査をしたところ、六角ガスケットの一部に変形及びき裂を確認したことから、当該箇所より炭酸塩スラリーが流出したものと推定。引き続き、調査等を継続する。

引用元:福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成26年10月11日

1号機

新規事項なし

・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中

※滞留水移送は停止中

2号機 ~タービン建屋の高濃度滞留水、移送先を変更

1号機と同じ4項目に加え、タービン建屋地下の高濃度滞留水の移送先を、遠方の集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)から、隣接する3号機タービン建屋地下に変更したことを発表

・2号機タービン建屋地下→集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ高濃度滞留水を移送中(平成26年10月2日午前11時7分~10月11日午前9時5分)

・2号機タービン建屋地下→3号機タービン建屋地下へ高濃度滞留水を移送中(平成26年10月11日午前10時46分~)

引用元:福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成26年10月11日

※滞留水移送は、送り先を切り替えて続行

3号機 ~タービン建屋滞留水の高温焼却炉建屋への移送を再開

1号機と同じ4項目に加え、

・3号機タービン建屋地下→集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ高濃度滞留水を移送中(平成26年10月11日午前10時5分~)

引用元:福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成26年10月11日

※滞留水移送を再開

4号機 ~使用済み燃料プール冷却を3時間17分停止。プール水の温度測定結果は変動なし

・原子炉内に燃料なし(使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プールから共用プールへ燃料移動中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中

※10月10日午後2時39分、使用済燃料プール代替冷却系について、当該系の循環冷却設備の電源切替を行うため、冷却を停止(停止時プール水温度:20.7℃)。

その後、作業が終了したことから、同日午後5時56分に使用済燃料プール代替冷却系を起動。

運転状態について異常はない。起動時の使用済燃料プール水温度は20.7℃であり、停止時と変化がなく、運転上の制限値(65℃)に対して余裕があり、使用済燃料プール水温度の管理上問題はない。

引用元:福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成26年10月11日

5号機~6号機

新規事項なし

◆5号機
・冷温停止中
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中

◆6号機
・冷温停止中(燃料は全て使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中

共用プール・水処理設備および貯蔵設備

新規事項なし

◆共用プール
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
・共用プール低電導度廃液受タンク水について、同タンクから集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ適宜移送を実施。

◆水処理設備および貯蔵設備の状況
・セシウム吸着装置停止中
・第二セシウム吸着装置(サリー)運転中
・淡水化装置 水バランスをみて断続運転中
・多核種除去設備(ALPS)ホット試験中
・増設多核種除去設備ホット試験中

地下水バイパス

新規事項なし

H4,H6エリアタンク周辺観測孔(周辺排水路含む)の状況、タンクパトロール結果

◆最新のパトロール

10月10日のパトロールにおいて、新たな高線量当量率箇所(β線による70μm線量当量率)は確認されていない(一部実施できない場所を除く)。堰床部に雨水が溜まった箇所については、雨水による遮へい効果により引き続き線量当量率は低い状態となっている。また、目視点検によりタンク全数に漏えい等がないこと(漏えい確認ができない堰内溜まり水内を除く)、汚染水タンク水位計による常時監視(警報監視)においても異常がないことを確認。

引用元:福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成26年10月11日

◆H4エリア

<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。

引用元:福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成26年10月11日

◆H6エリア

<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。

引用元:福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成26年10月11日

1~4号機タービン建屋東側 ~地下水観測孔No.1-17(岸壁先端近くで地下水の汲み上げを行っているウェルポイント近く)で、過去最高となる150,000Bq/Lのトリチウムを記録

<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。

引用元:福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成26年10月11日

1~4号機サブドレン観測井

新規事項なし

※「福島第一原子力発電所周辺の放射性物質の分析結果」のページでの該当するデータ公開も行われていない。

地下貯水槽

<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。

引用元:福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成26年10月11日

以上、「福島第一原子力発電所の状況について(日報)」平成26年10月11日分の変更箇所を中心にピックアップしました。
構成●井上良太