2014年9月24日 今日の東電プレスリリース

第二セシウム吸着装置が停止した原因は、またも弁の誤操作

9月24日(水曜日)に公開された「福島第一原子力発電所の状況について(日報)」。前日からの変化や変更点を中心に読み解きます。

操作卓が落下した3号機プール水の分析結果とプラントパラメータ ~9月23日分

使用済燃料プール水の放射能分析の結果(採取日:9月23日)
・セシウム134:3.6×10^2 Bq/cm3
・セシウム137:1.1×10^3 Bq/cm3
・コバルト 60:検出限界値未満(検出限界値:1.1×10^0 Bq/cm3)

プラントパラメータ(9月23日午後4時現在)
・モニタリングポスト:有意な変化なし
・原子炉建屋オペフロ雰囲気線量:有意な変化なし
・使用済燃料プール水位:有意な変化なし
・スキマーサージタンク水位:有意な変化なし

引用元:福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力

リットル当たりの線量に換算

・セシウム134:360,000 Bq/L
・セシウム137:1,100,000 Bq/L
・コバルト 60:検出限界値未満(検出限界値:1,100 Bq/L)

帰宅中の作業員を救急搬送

※9月23日午前中、高性能多核種除去設備工事に従事していた作業員が体調不良を訴えたため、登録センター休憩所において休憩後、体調が回復したため退構したが、帰宅中に再度体調不良を訴えたため、救急車で近隣の病院へ向かい午後2時に到着し診察を受けた。診察の結果、更に検査が必要と判断されたため、午後2時55分にいわき市立総合磐城共立病院へ向かい搬送。

引用元:福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力

誤操作により第二セシウム吸着装置が停止

※9月24日午前8時36分、第二セシウム吸着装置(サリー)ブースターポンプ*(B)が停止。これにより午前8時50分に処理運転を停止。なお、水漏れは確認されてない。その後、原因はブースターポンプ(B)上流側の高温焼却炉建屋に設置してある水中ポンプ出口弁を誤って閉操作したことにより、ブースターポンプ(B)の吸込み圧力が低下し、停止したことを確認。今後、設備に異常がないことが確認され次第、第二セシウム吸着装置(サリー)の処理運転を再開する。

*セシウム吸着塔へ水を送るポンプ

引用元:福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力

1号機~2号機

新規事項なし

◆1号機
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中

※滞留水移送は停止中

◆2号機
1号機と同じ4項目に加え、
・2号機タービン建屋地下→集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ高濃度滞留水を移送中(平成26年9月3日午前10時47分~)

※滞留水移送は運転中

3号機 ~タービン建屋滞留水の高温焼却炉建屋への移送を再開

1号機と同じ4項目に加え、18日以来6日ぶりに高濃度滞留水の移送再開を発表

・3号機タービン建屋地下→集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ高濃度滞留水を移送中(平成26年9月24日午後1時33分~)

引用元:福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力

4号機~6号機

新規事項なし

◆4号機
・原子炉内に燃料なし(使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プールから共用プールへ燃料移動中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中

◆5号機
・冷温停止中
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中

◆6号機
・冷温停止中(燃料は全て使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中

共用プール

新規事項なし

・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
・共用プール低電導度廃液受タンク水について、同タンクから集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ適宜移送を実施。

水処理設備および貯蔵設備 ~サリーの運転停止

・セシウム吸着装置停止中
・第二セシウム吸着装置(サリー)停止中
・淡水化装置 水バランスをみて断続運転中
・多核種除去設備(ALPS)ホット試験中
・増設多核種除去設備ホット試験中

引用元:福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力

地下水バイパス ~通算23回目の海洋排出を終了

同日午後4時40分に排水を停止。排水停止状態に異常がないことを確認。なお、排水量は1,620m3。

注:同日とは9月23日

引用元:福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力

H4,H6エリアタンク周辺観測孔(周辺排水路含む)の状況、タンクパトロール結果

◆最新のパトロール

9月23日のパトロールにおいて、新たな高線量当量率箇所(β線による70μm線量当量率)は確認されていない。堰床部に雨水が溜まった箇所については、雨水による遮へい効果により引き続き線量当量率は低い状態となっている。また、目視点検によりタンク全数に漏えい等がないこと(漏えい確認ができない堰内溜まり水内を除く)、汚染水タンク水位計による常時監視(警報監視)においても異常がないことを確認。

引用元:福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力

◆H4エリア

<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。

引用元:福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力

◆H6エリア

<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。

引用元:福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力

1~4号機タービン建屋東側

<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。

引用元:福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力

1~4号機サブドレン観測井

新規事項なし

地下貯水槽

<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。

引用元:福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力

以上、「福島第一原子力発電所の状況について(日報)」平成26年9月24日分の変更箇所を中心にピックアップしました。
構成●井上良太