第二セシウム吸着装置運転再開・淡水化装置断続運転・多核種除去設備ホット試験運転
9月14日(日曜日)に公開された「福島第一原子力発電所の状況について(日報)」。前日からの変化や変更点を中心に読み解きます。
操作卓が落下した3号機プール水の分析結果とプラントパラメータ ~9月13日分 3核種とも数値上昇
使用済燃料プール水の放射能分析の結果(採取日:9月13日)
・セシウム134:4.1×10^2 Bq/cm3
・セシウム137:1.3×10^3 Bq/cm3
・コバルト 60:3.1×10^0 Bq/cm3
プラントパラメータ(9月13日午後4時現在)
・モニタリングポスト:有意な変化なし
・原子炉建屋オペフロ雰囲気線量:有意な変化なし
・使用済燃料プール水位:有意な変化なし
・スキマーサージタンク水位:有意な変化なし
リットル当たりの線量に換算
・セシウム134:410,000 Bq/L
・セシウム137:1,300,000 Bq/L
・コバルト 60:3,100 Bq/L
3核種とも数値が上昇
1号機~6号機
新規事項なし
◆1号機
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
※滞留水移送は停止中
◆2号機
1号機と同じ4項目に加え、
・2号機タービン建屋地下→集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ高濃度滞留水を移送中(平成26年9月3日午前10時47分~)
※滞留水移送は運転中
◆3号機
1号機と同じ4項目に加え、
・3号機タービン建屋地下→集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ高濃度滞留水を移送中(平成26年9月13日午前10時9分~)
※滞留水移送は運転中
◆4号機
・原子炉内に燃料なし(使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プールから共用プールへ燃料移動
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
◆5号機
・冷温停止中
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
◆6号機
・冷温停止中(燃料は全て使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
共用プール
新規事項なし
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
・共用プール低電導度廃液受タンク水について、同タンクから集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ適宜移送を実施。
水処理設備および貯蔵設備 ~サリー、淡水化装置、多核種除去設備の処理運転を再開
・セシウム吸着装置停止中
・第二セシウム吸着装置(サリー)運転中
・淡水化装置 水バランスをみて断続運転中
・多核種除去設備(ALPS)ホット試験中
※淡水化装置制御盤のソフトウェア改造を行うため、第二セシウム吸着装置(サリー)を9月13日午前7時55分、淡水化装置を同日午前7時10分に停止。多核種除去設備は同日午前7時46分に循環待機運転に切り替えを実施。(既出)
※作業が終了したことから、各設備の起動(第二セシウム吸着装置(サリー)を同日午後3時40分、淡水化装置を同日午後4時5分)および多核種除去設備については、循環待機運転から処理運転への運転切り替えを同日午後3時33分に実施。起動および運転切り替え後の各設備に異常なし。
サリー、淡水化装置の運転に合わせてALPSの処理運転を再開したことから、現在3つの設備を連動して運転していることも考えられる。
地下水バイパス ~21回目の海洋排出を終了。排出量は1,526トン
同日午後4時6分に排水を停止。排水状態に異常がないことを確認。排水量については1,526m3。
※注:同日とは9月13日
H4,H6エリアタンク周辺観測孔(周辺排水路含む)の状況、タンクパトロール結果
◆最新のパトロール
9月13日のパトロールにおいて、タンク間の連絡弁からの滴下の影響で堰内入域を制限したG4南タンクエリアを除き、新たな高線量当量率箇所(β線による70μm線量当量率)は確認されていない。堰床部に雨水が溜まった箇所については、雨水による遮へい効果により引き続き線量当量率は低い状態となっている。また、目視点検によりタンク全数に漏えい等がないこと(漏えい確認ができない堰内溜まり水内を除く)、汚染水タンク水位計による常時監視(警報監視)においても異常がないことを確認。
◆H4エリア
<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。
◆H6エリア
<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。
1~4号機タービン建屋東側
新規事項なし
1~4号機サブドレン観測井
新規事項なし
地下貯水槽
<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。
以上、「福島第一原子力発電所の状況について(日報)」平成26年9月14日分の変更箇所を中心にピックアップしました。
構成●井上良太