2014年9月11日 今日の東電プレスリリース

9月11日(木曜日)に公開された「福島第一原子力発電所の状況について(日報)」。前日からの変化や変更点を中心に読み解きます。

操作卓が落下した3号機プール水の分析結果とプラントパラメータ ~9月10日分

なお、使用済燃料プール水の放射能分析結果が前回と比較して有意な変動がないことと、プラントパラメータに有意な変動がないことから、燃料破損等の兆候は確認されていない。

使用済燃料プール水の放射能分析の結果(採取日:9月10日)
・セシウム134:3.7×10^2 Bq/cm3
・セシウム137:1.1×10^3 Bq/cm3
・コバルト 60:1.3×10^0 Bq/cm3

プラントパラメータ(9月10日午後4時現在)
・モニタリングポスト:有意な変化なし
・原子炉建屋オペフロ雰囲気線量:有意な変化なし
・使用済燃料プール水位:有意な変化なし
・スキマーサージタンク水位:有意な変化なし

引用元:福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成26年9月11日

リットル当たりの線量に換算

・セシウム134:370,000 Bq/L
・セシウム137:1,100,000 Bq/L
・コバルト 60:1,300 Bq/L

Dエリア内D5タンクの止め弁から水漏れの原因と対策

【原因について】
・D5タンクにRO濃縮水を移送するにあたり、事前に受け入れ手順書(バルブチェックシート)に基づき各弁の状態を確認していたが、その確認を目視のみで行ったこと。
・漏えいした当該弁の閉止フランジは、異物混入防止用であったため、止水する目的で使用していなかったこと。

【対策について】
・上記原因の対策として操作手順書に下記事項を明記し、確実な運用を図る。
・新規タンク使用開始時は、隔離対象の弁が「閉」であることをハンドル操作等で確実に確認する。
・新規タンク使用時は、漏えい確認を行っていない弁およびフランジ部に対して、水漏れ防止の養生を行う。
・今後新規タンクと接続する弁等のフランジに取付ける閉止板については、パッキンの取付けおよびトルク確認を実施する。
なお、9月10日、当該止め弁の閉止フランジ部および類似箇所(4箇所)について、水漏れ防止対策としてパッキンを取付けた。

引用元:福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成26年9月11日

1号機 ~高濃度滞留水の移送を停止

・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中

加えて、

・1号機タービン建屋地下→1号機廃棄物処理建屋へ高濃度滞留水を移送実施(平成26年9月10日午前9時33分~9月10日午後6時32分)

引用元:福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成26年9月11日

※滞留水移送は停止

2号機~6号機

新規事項なし

◆2号機
1号機と同じ4項目に加え、
・2号機タービン建屋地下→集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ高濃度滞留水を移送中(平成26年9月3日午前10時47分~)

※滞留水移送は運転中

◆3号機
1号機と同じ4項目

※滞留水移送は停止中

◆4号機
・原子炉内に燃料なし(使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プールから共用プールへ燃料移動
・使用済燃料プール循環冷却系運転中

◆5号機
・冷温停止中
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中

◆6号機
・冷温停止中(燃料は全て使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中

共用プール・水処理設備および貯蔵設備

新規事項なし

◆共用プール
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
・共用プール低電導度廃液受タンク水について、同タンクから集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ適宜移送を実施。

◆水処理設備および貯蔵設備の状況
・セシウム吸着装置停止中
・第二セシウム吸着装置(サリー)運転中
・淡水化装置は水バランスをみて断続運転中
・多核種除去設備(ALPS)ホット試験中

地下水バイパス

新規事項なし

H4,H6エリアタンク周辺観測孔(周辺排水路含む)の状況、タンクパトロール結果

◆最新のパトロール

9月10日のパトロールにおいて、タンク間の連絡弁からの滴下の影響で堰内入域を制限したG4南タンクエリアを除き、新たな高線量当量率箇所(β線による70μm線量当量率)は確認されていない。堰床部に雨水が溜まった箇所については、雨水による遮へい効果により引き続き線量当量率は低い状態となっている。また、目視点検によりタンク全数に漏えい等がないこと(漏えい確認ができない堰内溜まり水内を除く)、汚染水タンク水位計による常時監視(警報監視)においても異常がないことを確認。

引用元:福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成26年9月11日

◆H4エリア

<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。

引用元:福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成26年9月11日

◆H6エリア

<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。

引用元:福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成26年9月11日

1~4号機タービン建屋東側

<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。

引用元:福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成26年9月11日

1~4号機サブドレン観測井 ~サブドレンN15の分析結果

<最新のサンプリング実績>
今回新たに採取(9月8日採取)した4号機サブドレン(N15)の分析結果は、セシウム134が1.2 Bq/L、セシウム137が3.0 Bq/L、全ベータ放射能濃度は検出限界値未満(検出限界値:14 Bq/L)、トリチウムは83 Bq/Lであった。

引用元:福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成26年9月11日

地下貯水槽

<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。

引用元:福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成26年9月11日

以上、「福島第一原子力発電所の状況について(日報)」平成26年9月11日分の変更箇所を中心にピックアップしました。
構成●井上良太