2014年8月20日 今日の東電プレスリリース

汚染水を減らすための新たな施策「サブドレン他水処理施設」の性能確認試験が始まる

8月20日(水曜日)に公開された「福島第一原子力発電所の状況について(日報)」。前日からの変化や変更点を中心に読み解きます。

サブドレン他浄化設備への通水を開始

※サブドレン他水処理施設の設置が一部完了したため、本設備において放射性核種の除去能力(トリチウムを除く)を確認する試験(浄化性能確認試験)の準備が完了したことから、8月20日午前10時28分にサブドレン他浄化設備への通水を開始。なお、通水時間は5時間程度を予定。

引用元:福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成26年8月20日

井戸から汲み上げた水といっても、地下水バイパスとは違って汚染された水です。
その処理能力を確かめるための試験が始まったという発表です。

高性能多核種除去設備の検証のため、10分の1規模の試験装置での実験を開始

※今後、設置が計画されている高性能多核種除去設備の除去性能および吸着材の交換周期等を検証するため、8月20日より検証試験装置を用いて、実液通水による検証試験を実施。試験期間は3ヶ月程度を予定。

引用元:福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成26年8月20日

東電社員による線量計不携帯についての対応

※平成26年7月29日に発生した当社社員の警報付ポケット線量計(APD)未装着の件については、富岡労働基準監督署から是正勧告書により是正を勧告された事項に関して、8月18日に是正事項の実施状況を報告。

<是正事項の実施状況(抜粋)>
1. 労働者自身がAPDを着用せずに管理区域に立ち入ることがないよう下記事項について周知ならびに実施し、再発防止の徹底を図る。

(1) 労働者は、各種装備品を準備した後、管理区域入域前に、APD着用確認の本人確認(セルフチェック)を目視により、確実に行うこと。
(2) 労働者は、管理区域入域前に、同一作業により出向する他の労働者とAPD着用確認の相互確認を目視により、確実に行うこと。
[当社監理員ならびに協力企業作業員に対して周知実施:平成26年8月1日]

2. APD着用確認のための専任監視員が、労働者のAPD着用確認を確実に実施するために、下記事項について周知ならびに実施し、再発防止を図る。

(1) 現場出向者(及び専任監視員)に対してAPD確認を受けることの重要性の意識付けを行うこと。
(1) APD未着用防止対策(専任監視員による目視確認、目視ができない場合は触手での確認)の実施に関する表示物を出口付近に掲示する。
(2) 専任監視員がAPD着用確認をより確実に実施できるよう、確認エリアの改善策として、確認位置を表示物・停止線等を設けて明確にする。
[当社監理員ならびに受託者に対して周知実施:平成26年7月30日(口頭)8月4日(文書)]

引用元:福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成26年8月20日

作業終了後に体調不良を訴えた協力企業作業員を救急搬送

※8月20日午前11時40分頃、作業を終了した協力企業作業員(男性)が入退域管理棟に向かう途中に体調不良を訴えたことから、入退域管理棟救急医療室にて医師の診察を受け、診察の結果、緊急搬送の必要があると診断されたため、午後0時14分に救急車を要請。なお、当該作業員に身体汚染はない。午後0時44分に急患移送車にて福島第一原子力発電所を出発し、午後0時57分に富岡消防署(救急車待機場所)で、救急車に乗り換えて福島労災病院に向かった。

引用元:福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成26年8月20日

1~2号機

新規事項なし

◆1号機
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中

◆2号機
1号機と同じ4項目に加え、
・2号機タービン建屋地下→3号機タービン建屋地下へ高濃度滞留水を移送中(平成26年8月15日午前10時~)

3号機 ~タービン建屋滞留水を高温焼却炉建屋へ移送

1号機と同じ4項目に加え、タービン建屋地下の高濃度滞留水の移送再開を記載

・3号機タービン建屋地下→集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ高濃度滞留水を移送中(平成26年8月19日午後4時18分~)

引用元:福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成26年8月20日

4号機~6号機

新規事項なし

◆4号機
・原子炉内に燃料なし(使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プールから共用プールへ燃料移動(4号機原子炉建屋および共用プール建屋の天井クレーンと燃料交換機の年次点検により、一時中断)
・使用済燃料プール循環冷却系運転中

◆5号機
・冷温停止中
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中

◆6号機
・冷温停止中(燃料は全て使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中

共用プール・水処理設備および貯蔵設備

新規事項

◆共用プール
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
・共用プール低電導度廃液受タンク水について、同タンクから集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ適宜移送を実施。

◆水処理設備および貯蔵設備の状況
・セシウム吸着装置停止中
・第二セシウム吸着装置(サリー)運転中
・淡水化装置は水バランスをみて断続運転中
・多核種除去設備(ALPS)ホット試験中

地下水バイパス ~地下水バイパス排出量はちょっと少な目、1,253m3

8月19日午前10時3分から海洋への排水を開始。同日午前10時15分に漏えい等の異常がないことを確認。(ここまで既出)

同日午後3時12分に排水を停止。排水停止状態に異常がないことを確認。なお、排水量は1,253m3。

引用元:福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成26年8月20日

H4,H6エリアタンク周辺観測孔(周辺排水路含む)の状況、タンクパトロール結果

◆最新のパトロール

8月19日のパトロールにおいて新たな高線量当量率箇所(β線による70μm線量当量率)は確認されていない。堰床部に雨水が溜まった箇所については、雨水による遮へい効果により引き続き線量当量率は低い状態となっている。また、目視点検によりタンク全数に漏えい等がないこと(漏えい確認ができない堰内溜まり水内を除く)、汚染水タンク水位計による常時監視(警報監視)においても異常がないことを確認。

引用元:福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成26年8月20日

◆H4エリア

<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。

引用元:福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成26年8月20日

◆H6エリア

<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。

引用元:福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成26年8月20日

1~4号機タービン建屋東側

<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。

引用元:福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成26年8月20日

1~4号機サブドレン観測井

新規事項なし

地下貯水槽

<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。

引用元:福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成26年8月20日

以上、「福島第一原子力発電所の状況について(日報)」平成26年8月20日分の変更箇所を中心にピックアップしました。
構成●井上良太